原稿料の無い短編漫画連載は漫画家にとってメリットがある?

商業で活躍している漫画家が「あなたの短編漫画をwebサイトで連載させてください。ただし原稿料は払いません。」みたいな事をもし言われたら、「こいつ何言ってんだ?」と思い、SNSなどでそれを晒して一気に炎上するのはほぼ間違いない。
しかしこれをもし漫画家側から提案してみたらどうだろう?

「原稿料も無しで漫画を連載する?馬鹿を言うな」と怒る漫画家も多いと思う。(一部のweb漫画アプリはそういう契約もあるらしいが)
ただ、売れていない漫画家の場合は話がだいぶ違ってくるのではないだろうか。

売れていない漫画家はなんとか自分の知名度を増やそうとSNSでのフォロワー稼ぎを頑張ったり、SNSで不定期で数ページの短編漫画を掲載しているという人もいるだろう。
しかし元々のフォロワー数が少ないと短編漫画を頑張ってXなどにアップし続けてもあまり見てもらえない。
フォロワー数もあまり増えず行き詰ったように感じてしまう。

でももしもっと多くの人に安定して短編漫画が読まれ続けたら、その後の展開がずいぶんと違ってくる。
たとえばそれなりにアクセス数がある情報サイトで、「原稿料は一切いらないので自分の短編漫画をサイトで連載してもらえませんか?」と漫画家側から提案してみると、アクセス数を増やしたい情報サイト側は漫画の内容や質を見て問題無いと感じたらわりとその提案を飲み込んだりすると思う。

原稿料はもらえないものの、少ないフォロワー数でSNSでアップしていた時より多くの人がその短編漫画の連載を読んでくれるようになる。
また「毎回Xのアカウントへのリンクを掲載する事」と「自分が出している他の漫画を紹介するエリアもページ内に毎回設ける事」という風に情報サイトと契約しておくと、Xのフォロワー数がどんどん増えていくし、自分が出しているコミックの売れ行きも多少増やしてくれる。
情報サイト側もアマゾンアフィリエイトリンクでコミックの紹介エリアを入れておくとアフィリエイト広告料が入ってくるし。

その情報サイトで連載していた短編漫画はある程度量がたまる度にkindleインディーズでシリーズ化して無料で配り、情報サイト内でも「このシリーズはkindleインディーズでまとめたのを無料で配信中です。」と紹介してもらうと「無料ならもらっておく!!」と思う人が多いのでダウンロード数が増えてランキングに乗りやすくなる。
kindleインディーズではダウンロード数が多いとまとまった額の金が入ってきて、ようやく今までの苦労を取り返す事ができるという事に。

もちろんその短編漫画自体にきちんとした魅力が無いと駄目だけど。
キャラが良いとかしっかり笑えるとか、萌えるとかセクシーとか何らかの要素で読者の心をきちんとつかんで「連載を追いたい」と思うような作品にする事。

今はどこのサイトもアクセス数稼ぎにかなり苦労していて、「客を呼び込むコンテンツが欲しい」と思っている。
定期的に客が訪れる要因になる短編漫画の連載は望むところで、作者側から短編漫画の連載を打診してきて「原稿料は要りません。ただし自分のXのアカウントと他に出しているコミックの紹介は毎回してください」と言うと快諾するところもわりとあるだろう。
情報サイトにとってもそういう短編漫画が増えるほどアクセス数が増えていく事にもなるので美味しい。
「原稿料が無い」というのは一見すると今までの商習慣ではふざけた提案に見えるが、実際は漫画家側にとっても情報サイトにとってもメリットが多く、双方にとってWIN-WINな関係になるわけだ。

情報サイトで連載する場合はラフな絵での連載は難しいかもしれない。
でもギャグ系のは「日常の西餅」とか川尻こだまさんの漫画のようにラフ気味でも十分いけるけど。
ラフでない漫画もある程度作画の時間がかからない画風にしておかないと、原稿料が無いので連載を続けるのは難しい事になる。
背景の簡略化、キャラの作画も頑張りすぎない。

ここで人気を得た場合、後でいくつかの出版社から声がかかり、より絵をしっかり描きこんだ本連載版をwebサイトや漫画アプリでできるようになる。
その後はアニメ化も視野に入れて頑張ってと。


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