斉藤洋『ベンガル虎の少年は……』
この連載では、1980年代に話題になり、今は書店で手に入りにくくなっている作品を紹介していきます。
斉藤洋は、1986年に『ルドルフとイッパイアッテナ』でデビューし、翌年には講談社児童文学新人賞を受賞するなど、一躍人気者になります。デビューから2年後の6冊目に出版したこの作品も、それまでの作品同様に、独特のユーモラスで饒舌な文体を駆使してサービス満点。徹頭徹尾、面白く読ませる仕掛けが満載です。
まず、虎についての色々なウンチクが披露されます。虎は8から10種類いて、