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母を思うとき。

小学生の私は、
通学団でみんなと話しながら、
道端のシロツメクサを探しながら、
早足で歩いていた。

あ!みつけた!
数m先に
ピンクがかったシロツメクサ。
可愛い!摘むぞ!

あるく、速度を緩めずに、
茎からでなく、花だけ
握りしめて引っ張った。
えい!

イタイ!!
思わず何が起こったのか分からなかった

すかさず手のひらを見る。

中指の第二関節の皮膚から、
なにやら、針のようなものがまっすぐに伸びている。

イタイ!これなに?
そしてシロツメクサから、蜂が飛んでいった。

片方の手でその針を抜いた。

ジンジン!
みるみる腫れ上がる。

私は泣き出した
黄色い帽子とランドセルのままの私は、
帰宅し、泣いて母に事情を話した。

案の定、あるきながら花摘みをしたことを叱られた。
蜂の針はどうしたのか聞かれて捨てたと言うとまた叱られた。

そして、包帯を巻いてくれた。

蜂に刺されたなんて、私にとっては貴重な体験。

未だにあの蜂は、何蜂だったのだろう。

あのとき怒られたけど優しくされたのが嬉しかった

あのときの
通学団とハチとシロツメクサと母
痛かったのにいい思い出

誰か脳の記憶の映像化を発明してくれないだろうか

そしたら等身大の母を3Dプリンタに
印刷してみたい

母に会いたい

母を思うとき
限りなく子供に帰る自分がそこにいる

産んでもらったこと
育ててくれたこと
生きる教えをしてくれたこと

ただただ
感謝と深い愛を思うばかりである

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