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タローマン特撮美術メイキング 破壊ミニチュア編


主に作中でタローマンに破壊されたミニチュアをご紹介します。壊し用のミニチュアは壊れやすいように紙やバルサ材といった強度の無い素材を駆使して製作されます。失敗するとやり直しがきかないため、本番前にリハーサルを行い役者さんに壊しのイメージを掴んでいただいてから本番に臨みました。

タローマンに破壊される第1号となったミキサー車のミニチュアです。ボディはケント紙、タンクは紙コップで製作しています。窓ガラスは透明のセロハンでした。

製作途中の車体
カメラに映らない部分は作られていない

タンクの後ろにはタンク内に砂を入れるための穴が空いています。完成画面では判りづらいですが、潰れたときの効果を狙ったものです。

本番後、ぺちゃんこに押しつぶされたミニチュア

本番後です。左上に見える黒いホースはミニチュアが潰れると同時に空気圧でホコリを飛ばすためのものです。

「森の掟」給水タンク
壊れやすいようにトラス部分に細工中

同じく1話でタローマンがむしり取る給水タンクです。実際に水を入れることができるようにタンク部分は空き缶を利用しています。トラス部分はバルサ材を細く切ったものを組み上げています。

「疾走する眼」イーゼルとキャンバス

5話で使用されたイーゼルとキャンバスです。タローマンが摘む演技があったため、キャンバスがイーゼルから外れるようになっています。本編(人間パート)で使用される小道具に合わせて製作されています。

「痛ましき腕」村橋石油
お弁当用のタレ瓶を利用して製作したメーター

8話でタローマンがラケットがわりに使用するガソリンスタンドです。スチレンボードで製作され、本番前に壊れる様、薄い刃のノコギリで切れ込みを入れています。


「太陽の塔」のツノが刺さるビル
本番後のミニチュア

最終話でタローマンの必殺技を受け爆散した太陽の塔の破片が突き刺さるビルです。石膏やバルサ材を使うとどうしても「刺さる」より「割れた」感じになってしまうため、いろいろ考えた結果、切り花を差しておくオアシスを使用しました。本番では棒の先に取り付けた破片を人力でえいやっと突き刺してしています。

タローマンではリアリティに徹したミニチュアより、むしろミニチュア特撮本来がもつ「勢い」と「映像にしたときの面白さ」を重視して製作しました。
別記事でもご紹介した社長のビル、踏み潰される車、給水タンク、ガソリンスタンド …などなどその大半がタローマンに破壊され瓦礫と化しましたが、完成作品を見ていただいた方に喜んでいただけたなら幸いです。

社長のビルメイキングはこちら!
https://note.com/tokuken2009/n/n2118f635f2a0


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