12/23

私は敗北したのだ。あらゆる体内のバリアをすり抜け、壊し、奴等は私の体の一部を占領してしまった。
今シナプス将軍に伝令を出し、白血球大佐、ヘモグロビン少尉の司令の元、援軍を向かわせている。
そして口の火室に固形型燃料を投入し、ビタミンBームの増産も抜かりなく行われている。
奴らの殲滅も近い。

そういえば、むかしにもこういう事態になり、ライブが出来なかった日があった。あれは確か2023年12月23日。
一段と冷えこみ寒い日ではあったが、陽が照り付け雲一つなく、澄んだ青空がどこまでも広がっていた。
後日中田氏に、ライブはどうでしたか、と尋ねると、朗読で爆笑を掻っ攫ってやったわ、と仰られていたが怪しいものである。
私はいつも彼女にしてやられる側なので、注意深くならざる負えないのだ。

数ページめくって見て平凡な日記ではあるが、誰にでもある平凡が私だけの特別であるという事が分かる。
日記の中身などそれほど違いはない。
それでも、それが、あなただけの特別なのだ。

私の特別を覗いたあなた。
あなたの先にずっと私がいる事が出来るかもしれぬと思うと、私は勇気が湧いてくるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?