山梨県立リニア見学センター見学
先日、山梨県立リニア見学センターへ見学に行って来ました。
大人の社会科見学です。
https://www.linear-museum.pref.yamanashi.jp/
まず施設名を聞いて「ん?」となりました。山梨県立となっているからです。リニアの実験開発はJR東海なのですが、この見学施設のみが山梨県立なのだそうです。
施設は3階建てでした。入口を入ると1階にはリニアの実車がドーンと展示されています。車両内にも入れますが「車内、狭っ」って感じです。展示車両は座席を半分取り払ってありますが、仮に座席を全部埋めたとして1車両に32席しかありません。電車の車両と言うよりは大型バスに近い感じです。
ちなみに現在東京-大阪間を走るN700系の場合、先頭車両は65人、普通車で75~100人、グリーン車で64~68人なので、そこから比べるといかに小さいかが分かるかと思います。
この施設の一番の売りは実走するリニアの車両が間近に見れる事です。走行実験のダイヤは非公開となっていますが、走行実験を行っている日であれば15分程度に1度は施設の前を通過します。車両の通過が近づくと館内放送も知らせてくれますし、館内のモニタで確認する事も出来ます。近くに職員がいれば通過10秒前を教えてくれますので見逃すことはないでしょう。
実際に目の前を通過する時はあっと言う間です。遠くから「ゴー―――」と言う音が聞こえてきたかと思うと、すぐに車両がやってくる感じです。施設の前を通過する時は最高速の500km/h出ていますので、自分の感覚以上に早く車両がやってくるのです。
そして通過後の風圧は凄く、施設の窓ガラスがビリビリ震える程でした。
使っているカメラがデジカメでシャッタースピードを設定できない為、写真はブレてしまいました。それだけスピードが出ている証拠でもあります。
2階はリニアの仕組みについての展示です。超電導の原理の説明になっています。パネルだけではなく、ハンドルを回すと模型が動く仕掛けの物もあり子供でも分かりやすいように作られていました。
超電導の実験コーナーもあり模型のジェットコースターのようなコースを使っての説明もありました。日に何度か行われるようですが、タイミングよく見る事が出来ました。
超電導とは、ある金属物質が一定温度以下になると、電気抵抗がゼロになる現象をいい、この状態で超電導物質のコイル(超電導コイル)に電流を流すと、電流はコイルを永久に流れ続け強力な磁界を発生するそうです。
超電導を再現するために浮かす物体を液体窒素で冷やしすとレールの上に浮きます。コースには強力な磁石が貼り付けられているので、少し押すとコースに沿って浮いたまま走ると言う物でした。
何回かコースを走らせていると、走らせている物が気温でどんどん温まり浮かなくなってしまいます。実際のリニアの車体ではこうならないように常に冷やし続ける必要があるとの事でした。
3階はテラスとジオラマの展示、シアターがありました。リニアの通過は3階のテラスから見るのが一番見やすいようです。
シアターもあったので見ました。コロナ禍でほとんどの見学施設ではシアターが見れなかったので久しぶりな気がします。見たのは私1人だけだったので、貸し切り状態でしたけど。
内容的にはリニアの仕組みと開通した暁には商業圏が広がり、山梨県もその恩恵にあずかれるだろうという物でした。
巨大なジオラマではナレーションが流れ説明もしていたのですが、何でしょうこの未来は明るいと疑わない感じは1970年代を思い出させます。
これで一通りでしたが、狭い割には1時間半くらいはかかりました。リニアが通過するのを待ったり実験を見た分時間がかかった感じです。施設自体はそれなりに面白かったです。
ですがリニアは昔から未来の乗り物として紹介されてきましたが、21世紀になってもいまだ未来の乗り物と言う感じがぬぐえませんでした。
仮に開通したとしてもその先はどうなるのかと言う感じがしました。
かつて飛行機でコンコルドと言う超音速旅客機がありました。コンコルドが就航した当時は今後は超音速旅客機が大量に出てくるようになり、人の移動は超音速旅客機で、空輸はジャンボジェットでと考られていました。
ですが現実では大量に人を運べるジャンボジェットが主流となり、小人数しか運べないコンコルドは環境問題や騒音問題などから無くなってしまいました。
リニアの場合は大気汚染がある訳ではないので、一度線路を作ってしまえば効率的ではありますが、現状の新幹線のように日本各地まで広がっていくとは考えにくいです。
東京-大阪間のみに終わり、来なかった未来の遺物的になってしまうのではないかとも感じました。
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