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NICT(情報通信研究機構)見学

NICT(情報通信研究機構)へ見学に行ってきました。
大人の社会科見学です。

NICT(情報通信研究機構)と聞いてもまったくピンときません。HPを見るとなおさら何をやっているのか分かりません。ガイドツアーがあるようですので、だったら実際に見に行った方が分かるだろうと見学に行ってきました。
研究施設は日本各地に11か所あり見学に行った東京都小金井市にあるのが本部だそうです。


見学に行くと施設内には展示室があり見学したのはここになります。
映像、展示物の案内と言う流れでした。

最初に映像を見ましたがナレーションが上白石萌音で何気に金がかかっています。
NICTの紹介と言うよりは、NICTの思い描く未来のイメージ映像と言った内容です。
YouTubeでも視聴可能です。


その後は展示室の案内です。
研究機構と言うと自分には馴染みのないものと思っていましたが、NICTで一番馴染みがあるのが日本標準時でした。NICTで日本標準時を決定しているのだそうです。電波時計で時刻を合わせたりしますが、それの電波の発信もNICTで行っているそうです。

パソコンの時計を合わせているNTPサーバの時刻情報提供サービスも行っているそうなので知らないうちに身近な所でお世話になっていたようです。

建物の正面には巨大な時計が表示されていましたが。こう言った理由があったようです。


壁には東京都心から埼玉県の西部地区辺りまでの巨大な地図のような物が展示されています。航空写真や衛星写真ではなくPi-SARと言うNICTの開発した電波の照射と反射を利用して作成した物だそうです。
飛行機の下部に燃料タンクのような感じで取り付けて計測するのだそうです。飛行速度約900km/hで計測できるので凄いスピードです。

Pi-SARの最大のメリットは対象物の上空から電波を照射するのではなく、斜めの位置から照射して地形などを計測できる事だそうです。なので火山の噴火など上空を飛行するのが危険な場所でも計測が可能との事です。さらに曇っていたり夜間でも計測が可能な事も大きなメリットだそうです。災害時などにはいち早く被害状況を確認することが可能なのだそうです。
解像度も30cm程度の物が判別可能との事ですが、これの後継機は15cm程度の物まで判別が可能との事です。
これを聞いて真っ先に軍事転用を考えてしまいました。前線まで行かずある程度後方から地形や建物を天候や夜間に関わらず把握できるのは最強かもしれません。

ソフト系の物もありました。
日本に仕掛けられるサイバー攻撃をリアルタイムで可視化したNICTERや対サイバー攻撃アラートシステムのDAEDALUS(ダイダロス)もNICTで開発したものであり、すでに商用化もされているそうです。ダイダロスは表示画面のデザインがグッドデザイン賞を受賞したそうでかなり恰好良いのですが(写真)、開発者は攻殻機動隊をモデルにしたとの事です。
ちなみにNIRVANA改と言うサイバー攻撃分析の画面はまるでエヴァンゲリオンでしたw


DAEDALUSの画面。デザインは攻殻機動隊をモデルとして職員が行なったそうです。
NIRVANA改の画面はエヴァンゲリオンチック。こちらのデザインも職員がされたそうです。

空中タッチパネルもありました。
文字通り空中に映像を投影して物理的に触らなくても反応するタッチパネルです。触っていないのに反応するのは慣れていないので変な感じでした。
コロナ禍で接触を避けていた時期に注目されて何かで見たことがあったのですが、これの開発もしていたようです。ですが開発自体は10年以上前からあったようです。これスマホの普及時期と同じくらいなので意外に早くて驚きです。

他にもあれこれと説明を受けました。ガイドツアーは約1時間程度ですが、そんなに時間が経ったとは思えないくらい早かったです。
展示室内には説明を受けていないものもあり、ガイドツアー後は自由に見学することができました。

正直何をやっている組織なのか分からなくて見学に行きましたが、見学後の方が何をやっているのか説明に困るほど多岐に渡っていました。
展示室のみと見学規模としては小さいのですが、内容が濃かったせいか満足度は高かったです。予約をすれば誰でも見学は可能ですが、かなり専門的な事が多いのでガイドツアーに申し込んだ方が無難ですし、その方が楽しめると思います。

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