「なにかと困る 磯貝プリント株式会社」第7話
3 もっと小さな訪問者
「説明は後だ!」
社長が叫んだ。
「石井ちゃん、ドアを閉めろ!」
「は、はい!」
「つかっちゃんは開いている窓がないか確認して!」
「え? あ、はい!」
僕と大塚さんは訳がわからないわかまま社長の指示に従う。密室の完成だ。
「よし、これで犯人は現場から逃走できないな」
満足げな社長を見上げ、こはるちゃんが「ダイフクは逃亡犯じゃないです」と抗議した。社長はすぐさま「そうか、ごめんな」と謝ったが、今村課長は「まあ脱走犯ですけど」と呟いた。