【Q&A】特許は製造販売をしないと、無効になったり取り消されたりしますか?
(Q)特許事務所に依頼したら、自分が想定していたものよりも、ずっと広い内容の特許が取れました。
当面の間、実際に製造販売するのは、その特許のごく一部です。
製造販売しない部分の特許については、無効になったり取り消されたりしてしまうのでしょうか?
(A)そんなことはありません。
特許は実施しないからといって、権利が無効になったり、取り消されたりすることはありません。
広い特許の一部だけしか実施(製造販売等)しないとしても、その他の部分について権利が無効等になることはありません。
<補説>
特許事務所に依頼したら、自分が想定していたものよりも、ずっと広い内容の特許が取れることはよくあることです。
例えば、あなたが、「スプーンを持つ際に、補助するための補助器具」を創作したとしましょう。
特許事務所にこの創作を持っていったら、弁理士さんにこう言われました。
✓このアイデアは、スプーンだけでなく、フォークやナイフにも使えますね。
✓それどころか、筆記具にも使えますね。
そういうことで、「『筆記具やカトラリー』を持つ際に、補助するための補助器具」という、広い特許が取れたとします。
(参考)カトラリー:洋食器のうちナイフ、フォーク、スプーンなどの金物類
こういうことは、特許事務所に依頼すると、よくあることです。
以下の記事も参考にどうぞ。
【Q&A】簡単に模倣されない特許にしたいのですが?
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しかし、当然ですが、この特許のすべてについて、あなたが製造販売等する必要はありません。
例えば、スプーンの補助器具だけ製造販売してもいいですし、もちろん何も製造しなくてもいいのです。
特許は、その特許発明を独占的に実施できる権利です。
しかし、だからといって、必ずしも実施しなければならないわけではありません。
製造販売しない部分の特許について、無効になったり取り消されたりしてしまうことはありません。
なお、あなたが実施しなくても、実施したい者がいれば、ライセンス契約や権利譲渡することもできます。
例えば、他者(他社)が、上記の特許発明のうち、万年筆の補助具を製造販売したいとします。
その際には、あなたはその他者(他社)に、ライセンス契約や権利譲渡することができ、これによって権利収入(ライセンス料)や特許の対価を得ることができます。
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実は、こういう質問は、特許の実務を長年やっていると、なかなか思いつきません。
ご質問ありがとうございました。
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弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営
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