【Q&A】ベンチャーの技術は大企業にパクられて終わりなのでしょうか?
(Q)大企業は、資本力を生かして、価格競争に持ち込むことができます。
そうすると、ベンチャー企業・スモールビジネス・個人発明家の技術や発明は、大企業にパクられて終わりなのではないでしょうか?(ほぼ原文)
(A)そのような心配をしても始まりません。
実際にそのようなことが起こるかは別として、心配をなくすための考え方として、以下のように考えることができます。
まず、①パクられにくくすることができます。
また、②近年はパクられにくい世の中になりました。
また、③万一パクられたとしても、それで終わりではありません。
なお、本記事は、わかりやすく回答するためのたとえとして、質問者のとおりに、パクる側=大企業、パクられる側=ベンチャーとして、説明します。
実際に、パクる・パクられるということが起こるかはなんとも言えませんし、起こるとしたら、事業規模を問わずに起こり得ることだと考えます。
●(1)パクられにくくする
ベンチャーであるあなたは、ネットショップやクラウドファンディングなどで、自社のオリジナル技術・発明であると主張してもいいでしょう。
ただ、実際は、本当にオリジナルであるかはなんとも言えず、問題が生じることがあります。
そこで、基本的には、特許などの知的財産権で守ることが重要です。
特許など知的財産権を取得しておけば、公的に、オリジナル技術・発明であると主張しやすくなります。
ところで、さらにこんな心配をされる方がいらっしゃいます。
ベンチャーが「基本特許」を取っても、大企業がその「周辺特許」を押さえてきたら、終わりではないか?と心配される方がいらっしゃいます。
特許の知識がある方ならわかりますが、この心配は、「基本特許」や「周辺特許」のことを誤解されているかも知れません。
特許をきちんと押さえておけば、そのような心配は無用です。
この点については、別の記事で述べます。
●(2)近年はパクられにくい世の中
近年は、SNSやネット掲示板などで、真実が口コミ等で広がる機会が増えました。
「大企業の●●という技術(製品)は、実はベンチャーの○○がオリジナル」
という事実があっという間に拡散することがあります。
信頼性に欠ける情報もないわけではありませんが、熱心なネット民(笑)は、証拠をたくさん挙げてくるので、説得力があります。
上記の知的財産権もその証拠の一つでしょう。
そうなってくると、ベンチャーのほうは、大企業がパクろうとしたすごい技術を持っているという高評価になります。
一方、大企業のほうは、ベンチャーの技術をパクったという低評価になります。
近年、大企業は、そのような評価を受けることが致命的であり、極端に恐れているように感じます。
このようなことから、冒頭にも述べましたように、そもそも、近年のスマートな日本の大企業は、ベンチャーの技術をパクることはしないでしょう。
仮にそういうことがこれまであったとしても、時代とともに減少する傾向にあると言えます。
●(3)万一パクられても大丈夫
ある著名な成功者の方が、こんな趣旨のことをおっしゃっています。
✔ベンチャーは、スピードが勝負!
✔急成長して他者に追いつかれないようにすることが重要!
仮に、大企業にパクられて、価格競争になったとしても、ベンチャーのさらなる創意と工夫と情熱で、さらに高付加価値・高い値段で差別化できればいいのではないでしょうか。
上述したように、むしろ、大企業に真似された技術ということで、かえって、ベンチャーの評価も上がることでしょう。
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●元ブログ(+αの情報あり)
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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営
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