明細書の記載でクレームを補正する?
私たち特許業界の人間は、特殊な用語をごく普通に用いています。
例えば、「明細書の記載でクレームを補正する」などと普通に使います。
特許に関係ない方からすると、まったく意味がわからないかも知れません。
念のため説明すると、・・・
✓「明細書」とは、金額に関するものではありません!
特許で「明細書」とは、発明の内容を詳細に説明するための書類のことです。
金額の明細書も、数量・金額などが詳細に記載されていますね。
その「詳細」です。
✓「クレーム」とは、文句をつけることではありません!
文句をつける→要求する、ではなく、請求する、ということです。
つまり、特許で「クレーム」とは、特許としての権利を請求することです。
特許の出願書類の【特許請求の範囲】や、【請求項】のことを、クレームと言います。
●用語を厳密にする必要性って?
お客様とお話しするときには、内容・意図が伝わることが最優先です。
むしろ、用語だけをあまりに厳密にしても、わかりにくくなっては逆効果かなと考えています。
例えば、お客様が「特許を『申請』したい」と言われたときに、
用語だけ厳密にして、「特許の『出願』のためには、・・・」と説明したら、どうでしょうか。
あれ?別の話しをしているのかな?みたいなことになりかねません。
「申請」という言葉が違っていたとしても、そこは話しの本質ではありません。
例えば、上記の「明細書の記載でクレームを補正する」についての説明は、必ずしも厳密でないかも知れません。
しかし、意味は伝わったのではないかと思います。
●特許用語の特殊性
そもそも、特許用語の中には、一般的な意味と異なる意味のものはいくつもあります。
例えば、すぐに思いつくだけでも、「異議申立」、「審査請求」、「(商標の)取消し」などは、一般的な法律用語とは、異なる意味で用いられています。
そういえば、「年金」もですね。
ワープロ機能で変換されない用語も、最近は改善されたとは言え、いくつもあります。
この点でも、お客様とお話しをするときなど、ケースバイケースで、特許用語をあまりに厳密にする必要はないように思います。
ビジネスは、試験(弁理士試験)ではないのですから!
もしかすると、弁護士さんや行政書士さんに、特許用語でお話しをすると、誤解される可能性があるかも知れませんね。
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いかがでしたでしょうか。
本ブログでも、意図的にせよそうでないにせよ、本来の用語でない表現を用いていることもあります。
あえてそういう表現を用いているのだな、と信用してもらえるよう、役に立つ情報発信を続けていきたいと思います。
少しでもお役に立つ部分があれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営
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