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【Q&A】すでにパテント使用料が支払われている商品を買ってきて使う行為について

(Q)自分の製品(発明品)を作るために、100円ショップで売っている部品を使おうと思います。その100円ショップでは、その部品の製造元にパテント使用料を支払っているみたいですが、自分がその部品を用いて製品を作る場合、またその製造元にパテント使用料を支払う必要があるのでしょうか?

(A)その必要はありません。

その製造元は、その部品についての特許を持っています。そして、その製造元は、100円ショップから、対価を受けています。この時点で、その製造元の特許は、権利が用い尽くされたことになります。

また、その製造元は、特許の対価を決定する際に、その100円ショップで販売された部品が、将来的にどのような使われ方をしても構わないことを想定して、対価を決められます。

以上のような点から、あなたが、その100円ショップから購入した部品に対して、さらにパテント使用料を支払う必要はありません。

ただし、この話しを一般論に広げる場合には、ご注意ください。

世の中にパテント使用料(ライセンス料)を支払っていない商品があることは、必ずしも否定できません。また、海外でのみ特許が存在する商品が輸入された場合など、扱いが微妙なケースもあります。判断に迷われた際には、専門家(弁理士)に相談されるとよいでしょう。


そう言えば、テレビ番組で、こんな事例が紹介されていました。

あるお肉屋さんが、とてもおいしいトンカツを販売しています。それに目を付けた近所のお弁当屋さんが、そのトンカツを買ってきて、トンカツ弁当を販売し始めました。そのトンカツ弁当は、おいしいと評判になりました。

それを知ったお肉屋さんが、自分ちのトンカツを使っているとはケシカランということで、お弁当屋さんを訴えると言い出しました。

これを聞いて、番組中のある弁護士が「アホか」と言っていました。

このケースは、特許ではありませんが、上記の事例と似ていますね。お肉屋屋さんは、お弁当屋さんから、対価を受けています。これで、お肉屋さんの権利は、用い尽くされたわけです。

お肉屋さんの気持ちも分からないでもないですが、お弁当屋さんを訴える(=お弁当に対してまで、さらに対価を要求する)なんて言い出せば、「アホ」と言われても仕方ないかも知れませんね。

ご参考になれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営

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