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【Q&A】特許の出願書類の図面はどのようなものにするのがよいか?

(Q)特許の出願書類には、言葉で説明する「明細書」のほか、「図面」を添付できますね。
両者の関係について教えてください。
特に、図面は、どのような内容にするのがいいのでしょうか?

(A)出願書類を作成するときは、まずは明細書だけで説明してみてください。
そして、図面があった方が、説明がしやすい内容があると思います。
そのような内容のところで、必要十分な図面を用いるという考え方がいいと思います。

<補説>
明細書と図面では、明細書の方が重要です。
図面は、あくまで明細書の説明を補助するものです。
この点では、例えば、紙芝居のようなイメージで、特許出願書類を作成されてみてはいかがでしょうか。

●図面よりも明細書の方が重要な理由

図面よりも明細書の方が重要な理由については、専門的な話しが長くなりますので、厳密性よりも簡潔にお話しします。

明細書の方が重要な理由は、特許の権利内容(特許請求の範囲、請求項)が、言葉で表現されるからです。
つまり、図(線図・写真など)よりも言葉(文言・表現)の方が重要ということです。

特許の手続きの中で、特許請求の範囲の請求項の記載を補正することがありますが、図面に基づく補正は、明細書に基づく補正に比べて、ハードルが高いものです。

●図面があるから言葉で説明しなくてよい?

特許の出願書類(明細書)は、極端に言えば、「図面なしでも」内容が理解できるように記載するのが理想です。

しかし、図面があった方が、説明しやすい内容もあるでしょう。
そこで、特許の出願書類には、補助的に図面の添付が認められています。

図面の役割については、このように意識した方が、よい出願書類が作成できます。
図面があるから、言葉で説明しなくてよい、という安易な考えを排除しやすくなります。

●特許の出願書類は紙芝居のようなもの

特許の出願書類は、ちょうど紙芝居のようなものです。

紙芝居には、きちんとしたストーリーがあります。耳で聞くだけでも、ストーリーはわかるでしょう。

しかし、聞き手のことを考えて、絵があった方がわかりやすい箇所に、絵が用いられます。

一方、例えば機械の取扱説明書のように、図がないと内容がまったく理解できないものもあります。
「図1の構成のものを、図2のように動かすと、図3の状態になって、・・・」
特許の出願書類は、このような記載ではいけません。

●いかがでしたでしょうか

以上の内容は、技術分野や発明の内容によっては、当てはまらないものもあるかも知れませんが、意識の問題として、覚えておかれるとよいと思います。

ちなみに、このnoteも、基本的には文章のみで説明していますが、図を使った方がわかりやすいこともありますね。
今後の解決課題とします。
また、弊所にお越しの際には、できるだけわかりやすく説明したいと思います。

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営

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