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【Q&A】特許が拒絶されてもその物を作ってもいいのでしょうか?

(Q)特許を出して、最終的に特許が拒絶された場合、その物を作ってもいいのでしょうか?

(A)ある物を作っていいかどうかは、あなたの特許出願の結果ではなく、他者の特許との関係によります。

あなたの特許出願が拒絶されても、その物を作っていい場合(★1)もありますし、その真逆、つまり、あなたが特許を取れたとしても、その物を作れない場合(★2)もあります。

●(★1)の参考

他者の有効な特許が存在する場合、その特許権に抵触する物は作れないことになります。

あなたの特許出願の審査結果によっては、他者特許の存在がわかることもあります。特に、審査結果(拒絶理由通知)で引用された特許公報は、十分に確認をしましょう。

ちなみに、審査結果の大半は、発明の進歩性が否定される場合です。つまり、あなたの発明には、従来品との違いはある(新規性はある)が、従来品との違いがわずかなために、進歩性は認められないというものです。

審査の結果、発明の進歩性を否定された場合、あなたの発明は、いわゆる「自由技術」であると解釈することができます。つまり、あなたも特許は取れませんが、だれもが特許を取れない(取れなかった)とわかるわけです。

そうすると、発明の進歩性が否定されて特許が拒絶された場合、むしろその物は作っても大丈夫というオフィシャルな見解が得られたと解釈することもできます。

●(★2)の参考

例えば、あなたが製品全体として特許を取れたとしても、部品などに他者特許が存在することもあります。また、製品の取り扱い方などに、他者の方法特許が存在することもあります。こうしたケースは稀かも知れませんが、十分にご注意ください。

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<コラム>とりあえず的な拒絶理由の問題点について

1回目の審査結果で通知される拒絶理由の内容は、一見、強引に見えることがあるかも知れません。こんなので拒絶されるの?的なものです。これは、あなたが特許の専門家であっても、そうでなくても、そう感じることはあるはずです。

審査結果は、1回目であろうとなかろうと「オフィシャルな見解」です。発明の進歩性が否定されるということは、「その発明は自由技術であるというオフィシャルな見解」と解釈することができます。

特に、資金に余裕がない個人発明家や、小規模事業者にとっては、自分の発明が自由技術である(つまり、製造販売等が自由にできる)ことがわかれば十分で、拒絶理由の内容によっては、反論しないで特許取得は断念してもいいということもあるのではないでしょうか。

つまり、「だれもが特許を取れないのだから、それでよし。」という出願人もいるはずです。

そうすると、とりあえず的な拒絶理由、つまり、とりあえず拒絶理由を通知して、出願人の反応を聞いてみようというような拒絶理由は、罪深いということになります(実際にそういうものがあるかは別として)。

例えば拒絶理由の説明があまりに簡潔だと、出願人によっては、そのような印象を受けることがあります。それは、だれにとってもメリットはないはずです。

もしあなたが拒絶理由の内容に納得感が得られない場合には、断念する前に、特許の専門家にご相談ください。

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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営

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