見出し画像

【Q&A】請求項に「前記」ではなく、「上記」や「下記」と記載しても大丈夫ですか?

(Q)特許の請求項には、「前記」という表現が用いられていますが、それより前に同じ文言が記載されていることを意味するのですね。

【請求項1】
・・・○○手段
 :
・・・前記○○手段は、・・・

では、「下記」「後記」などを用いて、それより後の内容を指すことはできないのでしょうか?

(A)できます。

ただし、通常はそのような記載をしなくても、発明を特定することはできます。
実際にわたしはそのような記載をしたことはありません。

<補説>
請求項の記載については、特許法や審査基準などにいくつかの決まりがありますが、ほとんどが形式的な決まりです。
(例えば、請求項の項番は、1から順に付すなど)。

どのように発明を表現するかといった内容的なことについては、記載が明確である限り、記載の仕方に決まりはないと言っても構いません。

例えば、以下のような記載も可能です。

【請求項1】
・・・は、下記(a)及び(b)の手段が設けられる、すなわち、
(a)・・・手段と、
(b)・・・手段と、
が設けられたことを特徴とする、・・・。

これは、ある特許公報(特許になったものを公開する公報)からの抜粋です。
「下記」も珍しいですし、「すなわち」も珍しいです。
少なくとも、わたしが審査官時代には、そのようなものを審査したことはなかったと思います。

珍しい=悪いことではありません。
違法でないことはもちろん、不適切とすらも言えません。

そもそも「前記」の表現も、単に慣用されているというだけで、「前記」でなくても構わないのです。
「上記」でも構いませんし、明確であるなら「その」「この」「該」「当該」などでもいいのです。


いかがでしたでしょうか。

みなさまがご自身で特許の出願書類を作成するときには、特許公報を参考にすることをお勧めしています。

特許法や審査基準などに従うことは、最低限のルールです。
一方で、特許の出願書類には、こうした方がベター、という記載の仕方があります。

あなたにとって重要な発明のときには、その価値を最大限にするためにも、特許事務所(弁理士)へのご依頼もご検討ください。

**********************************
【PR】やさしい内容から専門的な内容までさまざまな情報を発信してまいります!そんな東雲特許事務所(しののめ特許事務所)へのお問い合わせは、お気軽にこちらからどうぞ!
**********************************

少しでもお役に立つ部分があれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

●YouTubeで音声でもご覧いただけます

●元ブログ(+αの情報あり)

https://www.tokkyoblog.com/archives/59907926.html

********************************
【PR】個人様・社長様に特化&元特許審査官が運営する特許事務所!
「おすすめの特許事務所」「おすすめの弁理士」を目指します!
そんな東雲特許事務所(しののめ特許事務所)へのお問い合わせは、
お気軽にこちらからどうぞ!
https://www.patande.com/お問い合わせ/
(↑お問い合わせフォームが開くだけですのでご安心ください。)
********************************

東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?