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特許を取るのは難しいと言われたのですが、どういうことでしょうか?

(Q)弁理士さんから、わたしのアイデアでは、特許を取るのは難しいと言われました。
そのときは詳細に聞けなかったのですが、どういうことでしょうか?

(A)大きく分けると以下の3つが考えられます。

①発明として成立していない

特許の対象は「発明」ですが、あなたのアイデアが発明として成立していないことが考えられます。
「発明」の定義は難しいので、ここでは詳細な説明を割愛しますが、
例えば、技術的な誤りを含んでいるもの(例:永久機関)や、単なる人為的な取り決めなどは、発明には当たりません。

一時期、「ビジネスモデル特許」というのが流行しました。
一般にビジネスモデルと言われているものの中には、単なる人為的な取り決めとして、発明には当たらないものもあります。

②容易に発明できるものである

上記の「発明」であっても、容易に発明できるものについては、特許を取れません。
「容易に」については、特許の世界でも最も難しい判断の一つですので、ここでは詳細な説明を割愛します。
別の言い方をすれば、似たようなアイデアがすでに知られているということです。

弁理士は、あなたのアイデアが容易であると判断した場合、特許出願をしないことを提案することがあります。
ただ、この②の判断は、上記①の判断よりも、弁理士の専門分野や経験などによって左右することがあります。
複数の弁理士の意見を聞いてみるのもよろしいかと思います。

③その他の事情

弁理士は、さまざまな事情によって、仕事を受けられない場合があります。
(こういうのを、「大人の事情」なんて言いますよね。)
本当は大人の事情で受けられない場合でも、十分な説明をしなかったり、上記①や②を理由に断ることもあるかも知れません。

<私見>

一弁理士の個人的な意見としては、①と③はやむを得ないところがあります。
しかし、②については、容易な発明かなと感覚的に思っても、あまり無下に断らなくてもいいのになと感じることがあります。
審査官の経験で言っても、意外なものが特許になることがあります。
また、発明者にとっては、特許を出願すること自体に意味がある場合もあります。

もちろん、特許になる可能性の低いものまで、なんでも出願を勧めようと言っているわけではありません。
むしろ、絶対に特許を取りたいという場合には、事前に十分な先行特許調査を行うことを提案します。
先行特許調査を十分に行えば、「容易」かどうかの判断もより的確に行え、発明者も納得してくれます。

要は、依頼者が何を望んでいるのかを把握することが、大事なのだと思います。
別の言い方をすれば、発明者自身が、自分の要望を、弁理士に十分に伝えることが望まれます。

そのためにわたしとしては、発明者のみなさまが、自分の発明を十分に生かせるようにするために、
特許や実用新案について、情報の発信を続けていきたいと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営

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