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「ハンコ不使用を全省庁に要請」で特許の手続きはどうなる?

『ハンコ不使用を河野大臣が全省庁に要請、大臣が続々と応じる』
こんなタイトルの記事を見ました。

経済産業省に関する記事では、特許庁のことが書かれていました。
たしかに、経済産業省とその外局の中で、一般の人が多く利用するのは、特許庁なのでしょうね。

特許の手続きを、書面で行う際に、ハンコが不要になるのでしょうか?

特許の手続きにおけるハンコの意味を、ちょっと復習してみたいと思います。

■特許の手続きにおけるハンコの意味

個人の方など、特許の手続きを、書面で行うケースがあります。
特許庁の窓口には、数人程度ですが、人が並んでいることもあります。
郵便での提出も可能です。

特許の手続きには、特許出願の取下げなど、不利益な行為もあります。
ハンコは、単に形式的なものではありません。

①特許庁にハンコを登録します。
②その登録されたハンコを押さないと手続きができません。

②だけを見ると、面倒だなぁと思われるかも知れません。
ハンコが①のと違っていたら、手続きできないの?ということですね。

しかし、②は、①との組み合わせで、重要な意味があります。

それは、
✔登録されたハンコによって「本人確認」ができるのです。

仮に、Aさんになりすまそうとする悪人Bがいたとします。
悪人Bは、書面に、Aさんのハンコを形式的に押せばいいというわけではありません。

悪人BがAさんになりすますためには、
✔Aさんがどのハンコを特許庁に登録したか?
を知る必要があります。

それは事実上、ムリでしょう。こうしてなりすましが防げます。
Aさんは、登録されたハンコを押すことで、安心して手続きを行えます。

ちなみに、①のハンコは三文判でも構いません。
それでも、よく言われるような「Aさんの名前のハンコなんてどこでも簡単に手に入る(からハンコなんて意味がない)」というのとは、意味合いが違うのです。

■もし特許庁への手続きでハンコが要らなくなったら?

もし特許庁に書面を出す際に、ハンコが要らなくなったらどうなるでしょうか?

✔上記のような「本人確認」を、どのように行うか?

意外と難しかったりしませんか?
頭の体操・脳トレに、いろいろ考えてみるのも面白いですね。

(さすがに、書面での手続き自体を廃止することはなさそうですね。今ここで代替案を書こうと思いましたが、すぐには思いつきませんでした^^;)

今後、特許の手続きにおけるハンコの扱いが変わった際には、当ブログでもお知らせします。

なお本記事の内容は、弁理士(特許事務所)が代理する場合や、個人の方がオンラインで手続きをする場合は、手続きが異なることがあります。詳細は、弁理士(特許事務所)にご相談ください。

●YouTubeで音声でもご覧いただけます

●元ブログ(+αの情報あり)

https://www.tokkyoblog.com/archives/83102017.html

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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営

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