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【男性版】育休のために意識すべきこと

そもそも育休制度とは

まずは育休制度について簡単に。

育休とは育児休業の略で子どもを養育する労働者が法律に基づいて取得できる休業制度のことです。対象は1歳未満の子どもがいる親です。ただし、子どもが1歳を超えたとしても、保育所に入れないなどの理由で就業が困難な場合は1歳6ヶ月または2歳まで延長できます(2歳まで取得する場合は2回×6ヶ月延長)。

誰もが取得できるものではなく、①雇用されて1年未満の場合②1年以内に雇用関係が終了する場合③1週間の所定労働時間が2日以下の場合、は取得ができません。

また1番大切なお金のことですが、育休中は会社からではなく、国から「育児休業給付金」が支給されます。これが給料の代わりになります。
支給額は総支給の67%ですが、育休中は健康保険と社会保険料が免除になるとため手元計算では80%ほどです。支給上限もありますのでその点は注意が必要です。

※詳しくは厚労省のHPをご確認ください。


ここからが本題ですが、
まずわたしが育休を取った背景は大きく2つありました。

理由①物理的に家が回らない

第一子が生まれた時は、「仕事も育児も頑張るぞー!」と能天気なことを考えていました。
しかしながら、育児とは終始ハードな戦いです。両親から「3ヶ月ぐらいを過ぎれば多少は楽になる」と言われたこともありましたが、子どもが若干成長した今も大変さの種類が変わっただけで、楽なことなどありません。
それでも第一子の時は妻が育児を頑張ってくれたこともあり、なんとか家は回りました。

第二子ともなるとそうともいかなくなります。感覚的にかかる労力が10倍ぐらいに感じます。
長女は保育園に通い始めていた状況もあり、何かと手がかかるタイミングでした。
また、2人とも身内を頼れるような状況でなかったため、わたしが育休を取ることが我が家にとっては最善の選択であるとの結論に至りました。

理由②取りやすい空気感になりつつあった

ご存知の方も多いと思いますが、育児休業の制度も変わりつつあります。2022年10月には新しい育休制度である「出生時育児休業(産後パパ育休)」が施行されました。
これにより、育休の分割取得や育休とは別に産後パパ育休という枠組みで別途2回取得が可能になり、1歳までの間に合計4回までの育休が取れるようになりました。

こうした状況が取得の後押しになったことは言わずもがなです。
わたしの勤務先はまだまだ古い体質のため、取得当時、男性が育休を取るというのは一般的ではありませんでした。(聞いた限りでは、実際に所属する部署で男性で取得したのは私が初とのことでした)。

しかしながら、ありがたいことに「これからの時代は取るのが当たり前になる」「自分が当時取れるなら取っていたよ。一生後悔するから取った方が良い」といった上の世代の方が後押ししてくれる空気感が物凄くありました。

これは会社そして上司恵まれたなというのが本音で、そもそもそうした後押しがなければ、そもそも育休取得の思考に至らなかったのかもしれません。

自分のこうした経験を踏まえ、昔より取りやすい時代になっているのでまずは「育休を取りたい」と相談してみるとところから始めてみてください。あなたの上司は自分が取ったことがないため取得を促す意識がないだけかもしれません。

取得は「当然の権利」という考え方はダメ

育休は国が推進している制度であり、取得は権利です。なので、積極的に取得すべきだと思います。

しかし、「取得して周りに迷惑をかけるのが当たり前」という発想になってはよくありません。

現実問題として、取得することで自分のポジションは一旦空白になります。
育休を想定して人員を配置してるわけではないので、追加人員をするといった対応が即できることは少なく、結局穴埋めするのは今いる同僚のケースがほとんどです。

いくら権利が認められているとは言え、主義主張だけを正当化し、全てを投げ出していなくなるようであれば同僚に迷惑はかかりますし、そもそも人としての不信感が生まれます。

仕事をしている以上は誰かを支え・支えられるという関係性なので、周りに最大限の配慮し、軋轢を産まないように務めるのが望ましいです。

育休を取るために意識すべきこと

取得に際して、以下の通りのことを意識して行動するのが良いと思います。

余裕を持って相談

育休は対象期間であれば自由に取れますが、いきなり取ると迷惑がかかります。
時間に十分余裕を持ってまずは上司に相談することを進めることが大切です。

わたしのケースだと、11月中旬の取得を目指し、7月下旬頃に取得したい旨を相談していました。
少し早過ぎるような気もしてはいましたが、そもそも上司がどうやれば取得申請まで辿り着けるか社内プロセス自体を危惧して早め早めに行動しました。

この手の話は、仕事に余裕がないとなかなか進まない部分もあるため、自分が思っている以上に時間がかかることがあります。
早めに相談し、上司と連携しつつ取得に向けて動くのが1番望ましいです。

※余談ですが、現在では取得を後押ししたい会社が多いので、育休取得は上司のマネジメント評価に繋がる可能性があります。
少し邪な気持ちですが、「上司から勧められて取りました」と上司が部下をしっかりとマネジメントしてるという根回しをしておくと、自分自身上手く立ち回れるかもしれません。

何事も会社員術として、自分だけでなく相手のことも考えながら対応するのがより良いと思われます。

社外に対しても共有する

社内で育休取得の調整も大切ですが、社外に対しても可能な範囲内で共有したいところです。

過度に伝える必要はありませんが、
①いつからいつまでいない予定
②その間は誰が業務を引き継ぐのか

などは必要に応じて共有しましょう。

仕事は自分がいなくても回る場合がほとんどなので、自分の不在をそこまで気に病む必要はありません。
しかし一方で、細かい現場運用におけるニュアンスは属人的になることが多々あります。
仕事が回らなくなるというよりは、自分の不在により不都合や迷惑が生じる事態は避けるべきだと思います。伝えた結果、思いがけないお願いや仕事が必要になる可能性も0ではありません。

今進行しているプロジェクトなどの内容次第で先方にも共有するのが丁寧です。社内だけでなく社外に対しても最大限の配慮をしましょう。

引継ぎはしっかり

余裕を持ったスケジュール管理にも繋がりますが、1番大事なのは業務引継ぎです。これでもかと丁寧にやってもやり過ぎることはありませんのでしっかりとやりましょう。

できれば直属の上司と所属長の2人以上に引継ぎを行うのが良いです。
1人だけだと、その人が対応を失念すると終わりという状況になり、自分が関わる仕事に不都合が生じる確率が高くなります。
2人以上に共有できればそのリスクも少なくなり、「自分の仕事」が「部の仕事」として認識されやすくなります。

また引続きをまとめる文量は多くてもA4で2枚ぐらいがベストかと思います。膨大にまとめ過ぎても読む気が失せるだけです。

まとめ方も色々とありますが、
私の場合、
①時系列に整理して記載する
②細かい指示は該当するファイルリンクを貼っておく

を意識していました。読み手のことを考えると、引継ぎ書は概要だけ書くのが良いと思います。本で言うところの目次のようなイメージでしょうか?
全てを文字でまとめて伝えようとしても相手には伝わらないので書き過ぎはNGです。


本当の勝負は仕事との両立

育休を取得するといつかは復帰することになります。復帰すると、「よし、出産と復帰祝いも兼ねて飲み行くぞ!」と誘われることもあるかと思います。

違うんです、子育ては仕事と両立するところからが本当のスタートなんです、、、

育休は良くも悪くも子育てだけに集中できます。しかし、仕事が始まると仕事をしながら子育てをすることになります。
そしてこれが何より大変です。たとえ、夜泣きがひどく一晩中寝られなかったとしても朝しっかり起きて仕事をしないといけません。
仕事は育児が言い訳にならないし、育児も仕事が言い訳にはなりません。

なので、育休中は長い子育てにおける助走期間でスタートダッシュを上手く切るための手段として捉えるのが良いと思います。

育休は期間が過ぎれば終わりますが、子育てに終わりはありません。
夫婦で協力し合いながら、そして仕事と折り合いをつけながら続けていくことが最も大切です。

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