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現状の相場環境と今後の動向
1.基本的な資金の流動性
市場の動きは、大きく「リスクオン」と「リスクオフ」という二つのフェーズに分類されることが多い。リスクオンとは、投資家たちが収益追求を優先し、リスクを取る状況を示す用語である。先進国の景気が良好で、金融緩和の波が続く時期は、特に株式への投資が活発化することが多い。また、リスクの高い新興市場や高金利通貨にも、高いリターンを求める資金が流れる。対照的に、リスクオフとは、投資家たちが安全な資産を優先し、リスクを避ける動きを示す時期である。米中の貿易摩擦や経済減速の懸念が高まると、安全資産とされる米国債や日本国債への投資が増えるのである。
しかしながら、コロナショックの際はこれらのパターンから逸脱する現象が見受けられた。リスク資産である株やビットコインも、安全資産である為替や金も、双方への資金流入が停滞した。この背後には、多くの投資家が現金を保有していなかったことが原因である。
今後も同様の現象が起きる可能性がある。
2.現状の相場環境
2023年8月末時点の相場環境は、以下である。
今年 8月中
USD/JPY : 上昇 上昇
NASDAQ : 上昇 降下
BIT/JPY : 上昇 降下
金 : 上昇 上昇
2023年8月末の相場動向を振り返ると、USD/JPY、NASDAQ、BIT/JPY、そして金の価格は全体的に上昇している。市場は資金が流入しており、上昇トレンドが続いている。だが、この上昇が永遠に続くわけではない。資金の量には限界があり、常に上昇し続ける市場など存在しないのである。
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3.今後の市場動向
現状、リスクオンの動きが強まっているが、もしリスクオフの動きに転換すると、ドル円やNASDAQのような銘柄は下落する可能性が高い。全市場が上昇している状況で、株価暴落が起きると、市場からの資金流出が速まることは、コロナショックの際の経験からも明らかである。利益を上げている銘柄を売却し、その利益で損失を補填するという動きが加速するため、市場全体が一気に下落することとなるのである。
株価下落のスタートが何時かは分からないが、
安全資産として現金の確保も必要である。
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