温度とエイム力の関係【FPS全般】

急に寒くなってきましたね。
筆者の家は築70年を誇り、外温に対する守備力が殆どありません。
一緒にバロラントをやっている方に聞いても、手元は寒くなりがちと聞きます。
そこで今回、温度とエイム力の関係を調べて来ましたのでお付き合い下さい。

2/29追伸
 リツイートしたら読めるようにしてたのですが、この記事についてはあまり反響がなかったため、取りやめました。

背景

 エイム力はフリック、プリエイム等の内的要因と、室温や目の疲れ度合い等の外的要因に分けられます。
 内的要因は日々のエイムラボ等の練習、ボット撃ちなどで鍛えられますが、すぐに効果を得られることは少ないです。
 それに対して外的要因は、基本的に室内でゲームを行っているという性質上、意図して最適の状態にすることができます。

 中でも室内温度は、ヒーターや手袋、エアコン等で調節できる上に、手が冷えているとエイムが悪くなりがちとの声が多いにも関わらず、調査記事や解消効果が具体的に記述してあるサイトは全くありませんでした。

 これらの経緯から、手元の温度とエイム力(フリック)の関係について、valorantのbot打ちを用いて調査を行ったため、以下報告します。
 また、この記事の最後にはエアコンが効かない部屋でFPSをやっている方、手元を温めたいけどどうしたらいいかわからないという方のために、安くておすすめの機器をお教えします。

実験

使用ゲーム:valorant 射撃場 スキルテスト ハード
温度:外温 14.2℃、31.0℃
回数:それぞれ30回ずつ

結果


図1.実験結果

 図1に示すように、温度が低い条件と高い条件では11%の差が見られた(低温/高温)。
 また、回数を重ねるごとの慣れの効果を確認するために、それぞれ15回ずつに区切り、平均値の差を確認した(黄色部分)。しかしながらこれらの間に大きな差は見られず、15回程度の回数では慣れや上達ができないことがわかった。

t検定

 結果1の実験を元に、温度の因子が本当にエイム力に寄与しているかどうかをt検定を用いて検証した。その結果を図2に示す。


図2.t検定結果

 P(T<=t)両側:帰無仮説が真であるとしたときに、このデータが得られる確率であり、これが有意水準0.05より大きくなった。つまり、2つのデータの平均が等しいという仮説の域に入る(棄却域に入らない)ため、帰無仮説は棄却され、2つのデータの平均には有意な差がないことがわかった。この2つの差が誤差である確率は6%であるということである。
つまり、温度とエイムの関係はないという結論であった。

結論

 以上、温度が高い条件と低い条件のフリック力のデータを調べた結果、11%の差が見られた。続いてこの差が有意であるかを調べるためにt検定を行った。その結果P(T<=t)両側が0.06であり、今回のデータではフリック力に優位な差がないことがわかった。
 しかしながら、帰無仮説が6.10%であり、温度によるフリック力の差を知るためにはより詳細なデータ(もっと低い温度や適温(25℃付近)での温度)を取る必要があると考えられる。
 つまり、この11%の差が大きいと思われる方、誤差である確率が6%はちょっと見逃せない方は手元の温度を25℃から30℃に保った状態でFPSゲームをすべきである。

手元の温度を向上させる器具

 手元の温度を適温に保つには以下の機器が有用である。

卓上ヒーター

 卓上ヒーターは種類も豊富かつ値段も良心的なのでぜひ導入してほしい。
ちなみに、ゲーミング手袋なるものも出てきているが、筆者はそちらは試していない。単純に卓上ヒーターが優秀だからであり、マウスを持つ際に布を挟みたくないからである。

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