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できるビジネスパーソンの思考法

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ビジネスでつかえる、さまざまな思考法をまとめています。
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弁証法思考 ~理解を深めて新しい価値を生み出す思考法

 不透明な時代ということでしょうか、論理思考力がとても重要視されています。大きな本屋さんに行けば、自己啓発やビジネスのコーナーに、さまざまな論理思考の書籍が山積みされています。またビジネスの現場では「ロジックが甘い」などと厳しい上司に指摘されることもあるでしょう。あるいはコンサルティング会社就職の面接では、ホワイトボードの前に立たされて、わけのわからない質問(有名な例は「日本に電信柱は何本立っているか」)をされたかもしれません。  たしかに論理思考力はビジネスにとって強力な

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ビジネスに活かせる意思決定の基礎

 商品開発の方向性はどうしようか、どのようなコスト削減策がもっとも効果的なのか、どのような広告宣伝が効果的なのか、どの新規事業へ投資するのが費用対効果が大きいのか…など仕事のことから、今日のランチはどこで何を食べようか、今度の休日は何をして過ごそうか…などプライベートなことまで、何かを決めなければならないことの連続です。いろいろな方法は考えられるけれど、どれに決めれば失敗しないのか、満足できるのか……。  失敗しない / 満足できる決定を行なうためには、どのように決めればい

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論理思考には限界がある

 変化の激しい現代状況を反映してか、本屋のビジネス書コーナーに行くと論理思考のさまざまな書籍が積まれているし、次々と新刊が出版されている。たしかにビジネスにおいては、論理思考は必要だ。思考を整理し欠陥(飛躍)を見出したり、他者を説得したりする合理的方法だからだ。しかし論理思考には限界があるのも事実である。  論理思考は、Aという前提からBという結論を論理的に導く(推論という)。これをA⇒Bと書く(AならばBと読む)ことにしよう。さらにB⇒Cが正しい推論ならば、A⇒B⇒Cが成

理論は現場で使えないのか?

 「理論なんて現場じゃ役に立たねぇんだよ」と言うおっさんが、ときどきいる(なぜか声が大きいことが多い)。一方でトヨタなどが使う5ゲン主義(現地・現物・現実、原理・原則)によれば、改善は原理原則に基づけ、ということになっている。このギャップは何だろうか。  そもそも理論というのは、多くの現象に共通する性質を抽象したものだ。これは科学的な理論であろうと経営の理論であろうと同じである。それゆえ個々の現象特有の要素は排除されている。つまり理論というのは、ワカメを塩漬けにして水分を抜