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♯022 配偶者を精神科医療につなげたい、そんなときどうする?

配偶者を精神科医療につなげたい、そんなときどうする?

配偶者(夫もしくは妻)に精神疾患の疑いがあり、医療につなげる必要性が生じたとき、どのような対応が求められるでしょうか。家族といえども、夫婦は血のつながらない存在だからこそ、考えておかなければならないことがあります。

弊社の場合、「夫」(男性)に関する妻からの相談は、アルコール依存症や薬物依存症、双極性障害に関するものが圧倒的に多いです。または、精神疾患の疑いもあるが、どちらかというとパーソナリティの問題が色濃く出ているようなケースです。

依存症やパーソナリティ障害の治療は、本人同意が前提となっており、その意思がない場合には、医療につなげることはハードルが高くなります。妻子への暴力、金銭の無心といった状況に陥ることも多く、警察沙汰になったことで、「離婚も考えているが、どうしたらよいか…」と相談に来られる方もいます。

対して「妻」の精神疾患の場合、妄想性障害や(遅発性)統合失調症に関する相談が多いです。身の回りのことは普通にこなせることが多いため、家族は、「こだわりが強くなった」「性格が変わった気がする」などと感じるだけで、「発症」には気づきにくいというポイントがあります(妻の病気に気づくポイントについては、次回テキストで詳述します)。

妻の抱える妄想の内容が、事実かどうか判断しにくいものであることも多く、夫は、「そもそも妻は病気なのか」と判断に迷う上に、日常生活や第三者への受け答えは普通にできるため、医療につなげようと思っても、専門家に窮状を分かってもらいにくいという側面があります。

よって、夫が「妻は病気で、治療が必要だ」と確信する頃には、病状がかなり進んでしまっています。発症から医療につなげるまでの期間が長期化するほど、妄想は固定化してしまい、予後は悪くなります。

本テキストでは、上記を踏まえ、配偶者に精神疾患の疑いがある場合、どのような対応をすべきかについて考えていきたいと思います。

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(株)トキワ精神保健事務所

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トキワ精神保健事務所は、創業者・押川剛が1992年に起業し、1996年より病識のない精神障害者を説得により医療につなげる「精神障害者移送サービス」を創始。社会復帰のサポートも行っています。一覧 →http://www.tokiwahoken.com/tokiwanote.html

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