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♯029 家族こそ、精神科病院を上手に利用できるようになる必要がある

弊社に寄せられる最近の家族の問題は、ほとんどが複合的です。多くは精神疾患に起因していますが、それだけでなく、パーソナリティの問題や親子関係、生育歴、それまでに出会った人との関係など、さまざまな事柄が絡み合っています。

精神科に通っているのに「よくならない」

すでに精神科を利用しているケースも増えていますが、肝心の本人が受療中断してしまったり、不定期にしか通院しなかったりすると、家族も含め健全な生活ができず家庭内がすさんでいきます。

親は「病院(クリニック)がちゃんと治療してくれない」「主治医が話を聞いてくれない」からだと訴え、「いい病院(先生)を教えてくれませんか」「同居は限界だから、子供を預けられる施設がありませんか」と尋ねられます。

しかし受療中断してしまった理由を聞くと、本人が「行かないと言った」「主治医と合わないと言った」「医療不信になってしまった」というような、曖昧な回答しかありません。第三者の立場からすると、その経緯こそ重要ですが、家族の話では要領を得ないため、介入がしにくい状況です。

受療中断後の早い段階で、主治医やケースワーカーに事情を聞いたり、どうして医療不信に陥ったのか原因を追及したり、具体的な対応ができている親は少なく、なんとなくうやむやにしてしまっています。弊社が介入したのちに本人から話を聞いたところ、実は民間療法にはまっていた、病院職員や他患者と(異性の)トラブルがあった、などということもありました。本来であれば、早めに何かしらの対応をすべき事態が起きていたのです。

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