#V名人戦 週報（10月4週）
現在開催中のV名人戦について、1週間分の各対局の概要をまとめてお送りします。
V名人戦について
Vtuberの、Vtuberによる、Vtuberの一番を決める棋戦「V名人戦」。将棋が指せるVによる棋力別総当りリーグ戦となります。詳細は公式サイト、Twitterをご確認ください。
10/20 V-C月 凪なぎさ - 十六夜桜花
先手のなぎささんが今期初の振り飛車を採用。後手の十六夜さんも驚いてか小考から四間飛車へと振り、相振り飛車となりました。
十六夜さんが素早く動いて飛車先の歩交換に成功しますが、なぎささんはじっと指してさばきを封じます。動いても戦果が上がらないことに焦ってしまったか△３一角がまずく、局面図の▲３二銀が鋭手一閃。
以下、十六夜さんが暴れたり穴熊へと固めたりと手を尽くしますが、なぎささんが堅実に押し切って勝利。なぎささんは2-1の星取となり、最終局の公人さん-ラパニスさん戦の結果次第では昇級となります。十六夜さんは今期初参加で勝利ならずと悔しい結果に。来期の活躍に注目したいです。
10/24 V-A勾玉 雨宮エイスリン - Roi将士
先手エイスリンさんはいつもの中飛車を採用。Roiさんは超速ではなく一直線穴熊へと進めます。
駒組み段階での押し引きが繰り広げられ、Roiさんが少しだけ得をすると、勝負を焦らずじっと桂馬を活用して手を渡したのが好手。続く局面図の△８六歩が軽いながらも厳しい攻め。
エイスリンさんも後ろを追いかけ一瞬あやしさもでましたが、手厚く押して押し切ったRoiさんの勝利となりました。
エイスリンさんは勝利ならず悔しいシーズンに。Roiさんは大きな１勝を上げV-A級残留を決めました。
10/24 V-B蝶 紫陽花さくら - 沙久耶
V将棋界の天衣無縫流、紫陽花さんは序盤から２手損で角を交換し、ダイレクト向飛車にする面白い序盤を披露。沙久耶さんはいつものように金銀を上がって右玉含みに進めます。
紫陽花さんの作戦は本家・天衣無縫流、佐藤康光九段の採用された作戦だったようで、右ボナンザ囲いに組みます。対する沙久耶さんは我関せずと風車のような対振り右玉に。
じりじりとした間合いで細かな駒の組み換えがされますが、沙久耶さんの玉が中住まいになったのをみて中央から仕掛けたの機敏な動き。しかし、沙久耶さんも待ってましたとばかりに反発し、中央での難解な捻じり合いに。
一瞬の隙を突いて馬を作った沙久耶さんが、そのまま馬の守備力を盾に上部へ抜け出し、寄りにくい形で反撃したのが卓越した大局観。
沙久耶さんが今期大きな２勝目をあげ残留を確定しました。紫陽花さんは１-２と厳しい星取りに。最終局、栄酒蔵さんとの直接対決でどちらが残留できるかが決まります。
10/24 V-B鹿 未良々桂 - 虎杖らと
今期棒銀宣言をしている未良々さん。本局も居飛車で戦います。対するらとさんは三間飛車。初戦から先手中飛車、右玉を採用していたところで多芸さを披露します。
三間飛車に棒銀は損と見て、未良々さんが居飛車穴熊を目指す珍しい展開。らとさんは飛車側で大模様を張りつつダイヤモンド美濃の堅陣に組みます。
中央で開戦され、小競り合いのような戦いが徐々に盤上全体へと広がっていくところ、未良々さんにうっかりがでてしまい、局面図で飛車が助からない格好に。
未良々さんが苦しいながらも粘りますが飛車損はあまりに大きく、らとさんが押し切って勝利となりました。
らとさんは大きな勝利で来期高順位もありそうでしたが、10/25に棄権されたことで残念ながら降級に。
未良々さんは今期を３勝１敗で昇級。来期V-A級での活躍に注目です。
10/24 V-B猪 鮫島フウロ - 日比谷響
先手のフウロさんは得意の三間飛車に。後手の日比谷さんもやはり得意の嬉野流に構える伝家の宝刀対決となりました。
日比谷さんからの仕掛けにフウロさんが軽やかなさばきで切り返すと、日比谷さんもじっと我慢して押さえ込もうとします。フウロさんが飛車を切ってさらなるさばきを目指しましたが、角銀交換の駒損でやや暴発気味だったかもしれません。
しかしここから攻めを上手くつなげるのがフウロさん。波濤のような爽やかな攻めで楽にさせません。さばけるだけさばいて駒を使わせ、左辺がさっぱりしたところで受けに回るのがさすが。
日比谷さんも優位を保って攻めていきますが、フウロさんの粘りの前に手を焼き、攻めが重くなってしまいます。
その瞬間に鋭く反撃に移り、またもフウロさんが波濤の攻め。だんだんと大きくなる波のような華麗な攻めで日比谷さんの玉を寄せきって逆転勝利をつかみました。
フウロさんは本局の勝利で星取りが２－２となり残留を確定。日比谷さんは厳しい３敗目。最終局のもるすこちゃんとの対局が、お互いの残留を掛けた決戦となります。
雑感
激戦揃いのV名人戦リーグもいよいよ大詰め。10月最終週には最終局を迎えるリーグもあり、最後まで目が離せません。
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