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好きな棋書のご紹介11 相掛かり

 将棋も本も好きなので、棋書ももちろん好きです。その中でも特にお気に入りなものをご紹介します。今回は相掛かりの棋書です。

◇相掛かりの新常識

 現代相掛かりともいうべき「飛車先交換保留」の相掛かりについて解説された棋書です。
 なぜ飛車先交換を保留するようになったのかというところから、実際に保留した場合の戦いについて書かれています。最新形の常で高度な内容となっていますが、現代相掛かりへの一歩目として最適な棋書だと思います。

◇最新の相掛かり戦法

 5筋を突かない平成の相掛かりについての棋書です。(詳細な時期はわからないのですが、以前は5筋を突かないものを新型、5筋を突くもの旧型とと呼び、新型と旧型の戦いなどがあったそうです)
 中原流の▲3七桂や▲3七銀からはじまり、ひねり飛車や腰掛け銀、UFO銀の様々な工夫などについて解説されています。現代相掛かりにならないケースについて広く書かれており、これ1冊で方針に迷うことはぐっと減るはずです。

◇耀龍ひねり飛車

 大橋先生のユニーク戦法、耀龍ひねり飛車です。ベースとなる▲7八銀からひねり飛車を狙う作戦自体は、かつて青野先生が指されたこともあります。(余談ですが、先手の青野流を後手でアレンジした△3二銀というのもアマチュア間ではマイナー戦法として指されていたりします)
 さすがに青野流との違いはわかりませんが、ほとんど語られることもなかった▲7八銀型について詳しく書かれているだけでも買う価値のある書籍だと思います。日本シリーズJT杯公式戦で三浦先生が豊島先生にもちいて勝利を収めており、戦法としても有力な作戦です。

◇おわりに

 相掛かりの棋書についてご紹介しました。手が広い戦型だけに棋書だけで全てをカバーすることは難しいですが、参考になれば幸いです。

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