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最近買った棋書のご紹介

 最近新たに購入した棋書をご紹介します。

◇現代角換わりのすべて

 池永先生による角換わりの定跡書です。
 本書で注目したいのは、腰掛け銀の▲4八金・2九飛型対△6二金・8一飛型だけではないことです。腰掛け銀に限っても飛車先が▲2五歩か▲2六歩かの違いや▲5八金(△5二金)型、△7二金の手損型についても書かれています。更には先後それぞれが早繰り銀・棒銀にした場合、相早繰り銀になった場合などまで解説されており、まさに「現代角換わりのすべて」という書名通りの充実した内容となっています。
 高度ですが全体的に基礎をしっかりおさえてあり、角換わりを指される方は本書をお供にしてもいいのではないでしょうか。角換わりの棋書の新たなスタンダードという印象です。

◇よくわかる雁木

 イトシンTVで人気沸騰中、伊藤慎吾先生の雁木本です。
 こちらも先述の「現代角換わりのすべて」同様に雁木の基礎的な変化をしっかりと抑えられており、様々な序盤からどうやって雁木になるか、そこからどんな将棋へ進むかが解説されています。
 基本的には易しい内容で、急戦などで難しい局面の場合も伊藤先生の所感が書かれており参考になります。力戦になりやすい雁木を指しこなすためのエッセンスが詰まっており、指針として遜色のない良書だと思います。

◇耀龍四間飛車

 独創的さと芸術性の高さが溢れる若手、大橋貴洸先生の棋書です。
 エルモ囲い急戦や耀龍ひねり飛車に続くユニークな戦法で、△6二金・7二玉型の四間飛車を解説されています。
 穴熊には金無双+地下鉄飛車から端攻め、左美濃には地下鉄飛車で振り戻して棒銀、急戦には△4一金保留の力で受け止めるのが主旨です。いずれも「固さよりバランスや主導権を重視」する現代将棋らしい作戦で、単独の作戦として有力なだけでなく、類型で使える構想であったり、手筋が含まれています。
 本書にも棋譜解説があるように大橋先生は三浦先生をこの作戦で破っており(2018年のNHK杯1回戦)、さらに最近では竜王戦1組決勝で佐藤和俊先生が羽生先生に対して採用された耀龍四間飛車。試すためにも一度読んでみませんか?

◇おわりに

 ということで最近購入した棋書のご紹介でした。実は「角交換四間飛車の新常識」も上記の本と同じタイミングで購入してあるのですが、まだ届いていないため後日にしようと思います。参考になりましたら幸いです。

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