好きなトリックテイキング その2

 少し時間が空きましたがトリックテイキングのご紹介です。

◇ここまで

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◇5本のきゅうり

 緑の奇才フリードマン・フリーゼ氏の作品です。アグルカというゲームを現代風にアレンジしたゲームとのこと。
 ゲーム的にはトリックテイキングながらスートがなく、単純なランク比べであるというのがスピーディで面白い作品です。
 ごくごくシンプルなルールで、トリックテイキングらしい1ディールの計画性と、短時間ゲームらしい運試しの楽しさがたまりません。


◇ヴードゥープリンス

 こちらはジレンマの王様、ライナー・クニツィア氏の作品。こちらも運試しとトリックテイキングの融合的作品ですが、手札運のゲームとは趣が異なります。
 というのも、運試し的でもこちらはチキンレースの側面が強くなっています。1ディールで取れるトリック数は各プレイヤー3つですが、3つ取ったときにそのディールから抜けます。ディールから抜けたときに他のプレイヤーが取っているトリック数が得点となります。
 ただし、一番最後まで残ったプレイヤーは自分の取っているトリック数、つまり最大でも2点しかもらえません。
 いかに遅くまで残るか、そして上手く抜けるかの手腕が問われつつ、運要素も多分に絡む絶妙なバランスの傑作です。


◇シュティッヒルン

 シュティッヒルンはメイフォローの傑作です。
 手札を配ったら自分で「自分の失点となるスート」を選びます。あとはメイフォローでトリックテイキングをしていくだけのシンプルさですが、これがすこぶる面白いのです。
 うかつにトリックを取りに行くと、すかさず失点となるカードが飛んできます。しかもたいてい全員からです。失点となるスートはランクがそのまま失点になるので、自分の出したカードのランクが大きいと目も当てられません。袋叩きです。
 非常に抑圧的で針をチクチクと刺しあうような時間が続きますが、ときどき数値の大きなカードを上手く処理したり、失点が含まれないトリックを取れたときは素晴らしい快感があります。
 メイフォローによる計画の難しさ、ゲーム展開のドラマチックさと抑圧から解放のカタルシスが非常に気持ちのよいトリックテイキングです。


◇セブンショット(7つの紋章、7つの部族)

 こちらはペア戦、マストフォローのトリックテイキングです。詳細なルールはこちらからどうぞ。

 特殊なカード構成で遊ぶゲームで、スートAはランク1~7、Bは2~8、Cは3~9……というように7スート各7ランクというのがユニークです。1~7まではカード枚数が増えていき、8~13は徐々に減っていくのがわかるでしょうか。
 そしてこのゲームはランク7を取り合うゲームです。パートナーと上手く協力して7のカードを相手チームより多く手にしましょう。ただし、ペアとあわせて7回までしかトリックが取れないことに注意しましょう。7回トリックを取ると、手札に残った7は相手チームに渡ることになります。7が含まれないトリックは相手チームになるべく押し付けるのです。
 というわけでカード構成もさることながら、システムもプレイングも非常にテクニカルなゲームです。とはいえ楽しさはわかりやすいゲームで、是非一度遊んでみて頂きたい作品です。


◇終わりに

 好きなトリックテイキングをご紹介してみました。この記事をきっかけに興味を持って頂けるものがあれば、大変嬉しいです。


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