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第1回Ajiraトーナメントの振り返り

 5/1、2に3vs3のフィッシャールール団体戦「Ajiraトーナメント」がありました。そちらを振り返っていきたいと思います。
 私はリーダーに指名いただきまして、メンバーを募ることに。大変難しい選択で悩みましたが、V名人戦でV-S級の実力を誇る川山一誠さんと、菜々河れいさんにメンバーとなって頂けました。

PV

ドラフト会議

一回戦 vsチーム公人

 一戦目 vsはにみちゃん

 公人さんのチームは世良公人の師弟コンビに、はにみちゃんを加えたチームです。
 一戦目に誰が出るかは悩むオーダーでしたが、こちらのチームで最も実力が低いのは私であり、様子見と勝ち星のカウントの面から先に出ておこうと考えていました。
 対戦相手のはにみちゃんは筋違い角のエキスパートで、以前から一度は盤を挟んでみたいと思っており、貴重な機会を頂きました。
 振り駒は後手。筋違い角を封じるか、受けるかが最初の選択肢でしたが、せっかくエキスパートであるはにみちゃんと指せるのであれば、真正面からぶつかって教えてもらおうという気持ちでした。

 実戦はやはり筋違い角に。私が対策として選んだのは腰掛け銀から4筋の位を取る作戦です。
 そこから玉頭位取りとして囲うか、向かい飛車へと振るかは状況を見て選ぶつもりでした。本譜は居玉のまま向かい飛車へと振り、玉は寒々しいものの陣形は手厚く、縦の戦いにできて後手番ながら悪くない展開だったかと思います。

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 中盤歩を手持ちにして銀をさばいた辺りは作戦勝ちと感じていましたが、粘られているうちに時間がなくなり混戦に。怖い部分も多くありましたが、最後は勝ちを拾うことができて幸運でした。

 四戦目 vs世良祭さん

 2勝1敗で迎えた四戦目のお相手は世良さん。ゴキゲン中飛車などを得意とされ、中終盤の豪腕が魅力の振り飛車党です。
 棋力では負けていますが、私で世良さんを消耗できるという面もあります。少しでも長く指して体力を削ることを目標にしました。

 ここまでの全局が筋違い角志向ということで、本局でも避けるか受けるかで悩みました。
 対抗形の居飛車を持って戦う自信がなく、力戦模様にした方がアヤがあるのではないかと受ける方針にしました。

 やはり本局も筋違い角に。先程と同じ対策では芸がないと考え、相筋違い角を選びました。
 中盤に角をボロっと取られるうっかりがありましたが、他で手を進めて駒損を取り返し、一応ながら互角に近い形勢に。

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 しかし世良さんも中飛車に振って中央へと猛攻を仕掛けてこられます。
 一瞬受け切ったかなと思いましたが、最後は私にミスがでて頓死。もう少し粘れる局面だっただけに、反省の一局でした。

 私が負けて2勝2敗の振り出しに戻りましたが、続く2局をお二人に勝って頂いてチームは決勝へ。れいさんの仰るようにメンバー全員が1勝以上をあげての勝利で、チームの結束力も一層高まったように感じました。

決勝 vsチームヒナちゃん

 一戦目 vs五反田えぬさん

 決勝のお相手はチームヒナちゃん。ヒナちゃん、えぬさん、沙久耶さんの仲良しトリオのチームです。
 やはり一戦目は様子見という感じで、誰が来るにしろ私なら損がない見込みでした。

 えぬさんは今期(第3期)のV名人戦でV-S級へと昇級を決めた実力者。10秒将棋トーナメントの電迅戦では並み居る強豪を倒して優勝されており、早指しに含まれるフィッシャールールでも強さを発揮される印象です。
 私が先手番ということで戦型選択に悩みました。先手三間飛車が有力な選択肢なのですが、電迅戦で対振り右玉にされて負けています。相掛かり系の居飛車も考えましたが、やはり右玉系や振り飛車にされて大変そう。ということで、矢倉にして左美濃急戦を誘う方針を選びました。
 最序盤は私自身それほど指し慣れていないこと、早指しであることから穴があったかもしれません。本譜は運良く一番怖いところをくぐり抜け、「先手矢倉の逆襲」で読んだものと類似した局面へと誘導できました。

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 中盤は細かいやり取りが多く難しかったですが、えぬさんの攻めが少しつんのめったような格好になって少し模様が良かったようです。▲5三角成の王手から根っこの飛車を取ったことで優勢を意識しました。
 以下、えぬさんの粘りに苦しみながらもなんとか寄せ切って勝ちに。チームに大きな1勝を持ってこられたのではないかと思います。

 三戦目 vsヒナちゃん

 チームは2勝0敗で迎えた三戦目。これまでのオーダーのパターンを崩しつつ、余裕があるうちに私を使い切っておくつもりでした。
 ヒナちゃんとの戦績は練習将棋で吹き飛ばされること多数。2020年末の団体戦にて、相掛かりで1勝を上げたのが嬉しい記憶として印象深いです。

 本局も私が先手ということで、相掛かりを選択しました。
 序盤から激しい展開になり、いきなり大駒を総交換することに。飛車角をヒナちゃん陣に打ち込んだ局面は明確にはわからないながらも▲8一馬が速く勝ちやすいかなと考えていました。

 するすると玉に逃げられつつも駒得を果たし、若干リードに成功してホッとしました。
 しかし△3五金が粘り強い手で、たまらず▲5六馬と逃げましたが続く△5四香もまた厳しい手。時間に追われて▲7四馬と歩を取ったのが大悪手で、△7七歩と打たれてはしびれました。

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 以下はヒナちゃんの淀みない寄せが決まって負け。優勢な時間が長い将棋だっただけに、悔しい逆転負けでした。
 しかしチームはこの後2連勝。優勝を果たしました。

 チームを和やかにしつつ、強敵を相手に勝ってきてくださったれいさん。
 要所を担当頂きながらも、期待に応えて全勝を持ってきてくださった一誠さん。
 お二人の力があっての優勝でした。改めて感謝申し上げます。

 私自身の個人成績も蓋を開けてみれば2勝2敗の指し分け。格上の方と当たる可能性が高く指し分けも厳しいと考えていたため、望外の結果に嬉しく思います。
 V名人戦をはじめとした様々な企画・配信で、また力を発揮できるように研鑽して参ります。

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