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2023年9月の短歌

Twitterに投稿した短歌の記録

※特定のどなたかに差し上げた一首は記載しません

七十と九億の愚痴与えられ独りで踊る孤独な地球

クリフトのザラキくらいに頼りない月が綺麗を聞いててあげる

ちゃんとっておとなになると難しいよく眠ったり仕事をしたり

この部屋の何処にもいない君がまた笑って見せる 夏は嫌いだ

思っても言えないことば種のごと飲み干し今日も花を吐き出す

さあ今日はどいつを被り生きようか似合うと良いな普通の仮面

規律ある表情筋の流れ読みこれも嘘かと笑顔を返す

歯車をみんなで回せたくさんの優しい嘘と仮面持ち寄り

関係が無いから楽に怒れとか闘えなんて言えるのでしょう?

沢山の仮面持ち寄りさあ踊れ嘘嘘嘘のダンスマカブル

吸い殻のケーキに月を突き刺して二人で祝うボナニヴェルセル

世の中のヒトの数だけ転がった正義のことを地雷と言います

そうなんだ大変だねと微笑んでくれるまあるいピエロマスクが

承認も怒りも飯の味さえも分からないただ他人は怖い

産ま(埋も)れては苦しいからと取り上げてくれる あなたはいつも正しい

登校も権利でしたと穏やかにスリップ戻すインターンの子

嫌なこと忘れるために飲みながらひたすらに切る玉ねぎ苦い

砂を喰う笑顔で喰らう君がただ笑顔で日々を過ごせるように

言の葉を酒に流せば宵闇の月がうるさいカルネムレヴァーレ

おめでたいことを言うのね心肝は地獄を見れば乾くだなんて

悼むほど夏が好きならもう少し変わるアイツを気遣ってやれ

失くなったって言えたら楽ね勝手に消えたように恋心とか
(RIUMさん初句「失くなった」)

疎水性(悲しみ怒り生き辛さあなたがくれた別れの言葉)
(ツマモヨコさん『ツマモヨコの短歌百葉箱』提出)

柿食った猿をみんなが正しさで刺して潰して愛でたし目出たし

短剣の様に句点を打ち込めば正しいですか偉いのですか

玉ゆらの露も涙もとどまらず人は死んだら海になるだけ
"玉ゆらの露も涙もとどまらずなき人こふる宿の秋風"藤原定家 (新古今和歌集)

わからないからいいかわらなくていいわかりあえないはなしがしたい

優しさの毛布柔らに示唆がありそれすら嘘と気付いてしまう

だがしかし駄菓子も菓子で河岸を変え人の仕事に瑕疵をつけるな

甘さとは他者と弱さを分け合える老いた自分を愛せる余裕

仮初の思想性差を脱ぎ捨てた君の言葉を喰らわせてくれ
(RIUMさん連想短歌「主義」NGワード「主義」)

色のないプシュケを持って落ちたのに喪うことに怯えてばかり

お祈りを続けて何か叶うなら産まれる前に還して欲しい

宇宙という名前の付いた花手折り君にあげたいこの世の全て

見なければすむはずだった内面の海に静かに燻った炭

少しだけ先に生まれた人に問うこの本に無い正しさの意味
(RIUMさん「画像詠」)

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