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エッセイ『デタラメだもの』

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デタラメに生きる。デタラメに暮らす。薄暗い世の中をデタラメに生きるための処世術、バイブル。妄想まみれで日常を綴るエッセイです。
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2020年1月の記事一覧

笑いを取りに行ってスベったり、誰かをイジッたりしている様子が、もしも盗聴されていたとしたら?『デタラメだもの』

それにしても、実に生きづらい世の中になったものだ。世知辛い世の中になったものだ。こんな人間にまで、盗聴の魔の手が忍び寄ってくるんだもの。盗聴といっても、まぁ、アレなんだけどね。まぁ、そんな、アレなんだけどね。 仕事上、客先に訪問して、事業のことについてあれやこれやと偉そうにアドバイスしたり、「やれ、どのように改善すればどんな風に数字が上向きまっせ」などと、尊大ぶった態度でベラベラとおしゃべりする機会が多く、長い時には2時間近く喋りっぱなし、なんてこともある。 まあね、大阪

ふとした瞬間に昔を思い出してしまう。あの頃はよかったなぁと昔を懐かしんでしまう。あの追憶装置の正体とは?『デタラメだもの』

ふとした瞬間の街の空気が漂わせる香りに、つい昔のことを思い出してしまい、急に立ち止まり、「嗚呼、あの頃はなぜにあんなにも自由だったんだろうか」などと回顧するも、急に立ち止まったがために後ろを歩く人にぶつかられた。「いきなり立ち止まるなよ、クソがッ」と吐き捨てられ、はっ、そうか、ここは現実か、などと我に返る日々。 そういった類の、昔の記憶を呼び戻す装置的なものは一体なんだ? 一瞬にして感情があの頃に遡れたり、まるで映画のワンシーンを眺めているように、ウットリと自分の人生に酔い

馴染みの立ち飲み屋が想像を絶するリニューアルを遂げ、もはや二度と立ち寄れないほどの有り様になり果てていたやん。『デタラメだもの』

馴染みの飲み屋が潰れてしまうことは、長年生きていればそれなりに経験するものだ。しかし先日、馴染みの立ち飲み屋の店長が変わり、店を新しくリニューアルオープンするという出来事があった。リニューアル前の店は、仕事帰りにフラッと立ち寄れる飲み屋で、値段も格安。気のいい店長とアルバイト2名体制といった、こじんまりした立ち飲み屋だった。 オフィス街の一角にあるということもあって、スーツ姿のサラリーマンやオフィスレディーが目立つ店だった。店側も客側も隔たりがなく、あちこちで飲み屋特有のコ

サラリーマンに精神論って必要不可欠か。年末年始は無理難題が降り注ぎ、根性が試される時期なん?『デタラメだもの』

新年を迎え「なんで年末年始ってこんなにも過ぎるの早いの?」などと、ボヤけたことを言ってる自分に対し、「なんで1年ってこんなにも過ぎるの早いの?」と常日頃ぶつくさ言うてるんだから、1年が早けりゃ年末年始だって早いだろと、ひとり漫才のような年明けを過ごしている。 と、ふと旧年末のある出来事が頭をよぎった。それは、旧年の仕事納めの日。あるビルディングのトイレ。小便器に向かい用を足していると、背後の大便用の個室から声が漏れてきた。 「あっ。すみません。年末年始は業者も休むみたいで