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エッセイ『デタラメだもの』

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デタラメに生きる。デタラメに暮らす。薄暗い世の中をデタラメに生きるための処世術、バイブル。妄想まみれで日常を綴るエッセイです。
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2019年8月の記事一覧

ビジネスの現場で頻出する<妖怪するりひょん>。追い詰めようにも追い詰められない。多くの人々が手を焼く、厚顔無恥な妖怪の存在とは?『デタラメだもの』

お客さまが商売で悩んでいたり困っていたりすると、呼び出していただき、あれやこれやとお手伝いをさせていただく。職業柄、アドバイスのようなことをさせていただく機会もある。自分のようなフワフワした人間でも、やはり結果が全ての世の中、目から血がでるほどにお客さまのことを考えに考え抜いて客先を訪問する。 そんな折、妙な妖怪に出くわすことがある。勝手ながらその妖怪の名を『するりひょん』と命名している。もちろん自分の中で。その妖怪は何もかもを「するり」とかわすだけでなく、こっちの提言の全

人間関係には年相応な会話のテーマというものがある。年相応のレールを逸脱してしまった挙げ句に待っているのは、会話のない孤独な世界。『デタラメだもの』

先日、御年80も半ばのご老人と会話をする機会があり、なるほど80も半ばの方にはその年齢なりに年相応な考えるべきことがあるのだなあと、少しく人の一生を想ふ時があった。 やはり年代ごとに考えるべきことも異なるだろうし、そうなると年代ごとに会話のテーマというやつも異なってくるなと、蕎麦をすすりながら会話の話題というものに思考を巡らせてみた。 幼き頃の会話と言えば、そりゃ目の前の事象について盛り上がるのがほとんどだわな。昨日のテレビの話題だったり、下校後に何をして遊ぶのかだったり

ステッカーを購入することで酒のアテが1品無料になるシステム。これが思いもよらない結末を呼ぶことになる。『デタラメだもの』

どうせ呑むんだったら、安いお店で呑むほうがいいよね。別に気を使う相手と呑むわけじゃなし。女性と雰囲気を楽しみながら呑むわけじゃなし。後輩を連れて呑みに行くんだから、安いお店で呑むほうが、関係各位、皆がハッピーになるよね。そう思い、安いお店にしか足を運ばない日々が続く。 そんな習慣がついてるもんだから、安くお酒を飲める店というものは、それなりに押さえていて、基本的にはそこを順繰り巡る、という感じ。 そんな折、ある居酒屋の跡地に新しい居酒屋がオープンしまして。これまたなかなか

世の中に蔓延る巧妙な駆け引き。心理テクニックを駆使した交渉がいかに多いことか。『デタラメだもの』

世の中には巧妙な駆け引きというものが多く存在する。これはある種、心理テクニックを応用したものだと思うけれど、その術中に自分がかけられていると気づいた瞬間には、なんとも不快な気分になるものだ。 僕が最も苦手な駆け引きは、心理的な駆け引きを仕掛けられた上で、回答を1択にされてしまうアレである。ご存知の方もいると思うし、経験された方も多いと思う。そう、アレである。 例えば、電話が鳴り、出る。もしくは、電話が鳴り、誰かにそれを取り次いでいただき、最終的に、出る。その刹那、先方はこ