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書評

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ショートストーリー作家として文学本を、Webマーケッターとしてビジネス本を。「作家+クリエイター+マーケッター」目線でお届けする書評です。
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2020年7月の記事一覧

本の魅力を要約し、読者の共感を生む書評家。プロの仕事とはいったいどんなものなのだろうか?『書評の仕事 - 印南敦史』【書評】

あまりにも多くの情報が溢れかえり、自分にとって有益なものを選択することにさえ、その手がかりとなる情報が重宝される時代。書評というものは、本を選ぶときの重要なナビゲーターになってくれる。 書評家に必要なことを「伝える」ことと「共感をつかむ」ことだと語る本著の著者は、作家・書評家として広く知られる印南敦史氏。 著者はこう語ります。 「なるほど、これはおもしろそうな本だな。読んでみよう」と思わせることが、書評の役割なのですから。 だとすれば、書評は簡潔かつ平易な表現で書かれて

時代を知るためのひとつの方法。それはサブカルチャーの歴史をひも解くことなのかもしれない。『若い読者のためのサブカルチャー論講義録 - 宇野常寛』【書評】

その時代を知る方法のひとつとして、その時代の文化や流行を学ぶ。サブカルチャーも同様に、ひとつの歴史として、数々の時代、歴史を作り上げてきたわけです。 2016年4月から7月に京都精華大学で開講された講義「サブカルチャー論」を再構成した本著。評論家であり批評誌「PLANETS」の編集長を務める宇野常寛さんは、本著の中でこう語る。 (本著を)読み通すと、この国の若者たちがある種のサブカルチャーを通じて世の中をどう捉えてきたかがわかるようになっています。 それは政権の移り変わ

ショートショートの魔法に、書き手の目線で触れられる一冊。『たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座 - 田丸雅智』【書評】

田丸雅智 著『たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座 増補新装版』 本著をひとコトで表現するならば、「ショートショートの魔法に、書き手の目線で触れられる」一冊。ショートショートの魅力に触れながら、実践を通してその書き方が学べる。 既にショートショートを書いている人はもちろんのこと、新しい趣味を探している人にもおすすめ。読む楽しみと書く楽しみの、両方が味わえる一冊です。 「たった40分」で本当にオリジナル作品が書ける!現代ショートショートの旗手が全国