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ビブラートとこぶしって違うの?

*この記事は日本篠笛協会のfacebookページに投稿したものと同じものですが、内容は長期的なおのですので、こちらでも記載することにしました。
*もちろん、聞いてエエ話題ですえ~


ビブラートとこぶしって違うの?

篠笛協会で月1回開催しているZOOMお茶会があります。
会員様、運営側の交流と会員様同士の交流を目的としたもので、
月に一度土曜日の15:00から休憩をはさみ、17時まで開いています。
(途中出席、退席自由)

お茶会に先立ち、会員様向けに月一度動画をプレゼントしています。
今回はわたし、朱鷺たたらによるビブラートメソッドでした。

ビブラートは音を揺らして、美しく情感をこめて響かせる技術です。
気分で歌ったようなつもりになっても、なかなか音に表現できるまでにならないのが悩み多きところです。
けれども、気持ちの持ちようではなく、ビブラートは練習方法がしっかりとあります。
音を揺らすということは、
波の間隔(速い遅い)と波の高低(揺れが大きい小さい)の2つのベクトルを考えなければなりません。
そしてこのふたつを自在にコントロールできるようになりたいものです。

さて、この練習法をご覧になった会員さんから
「こぶし」と同じものですか?とご質問を受けました。
面白い話題でしたので、ここでシェアさせていただきたいと思います。


こぶし

こぶしというと演歌が思い浮かびます。
独特な節回しが特徴ですね。
それとビブラートは明らかに違うものですね。
なにが違うのでしょうか。

で、早速お茶会の最中にググりまして、
こぶしは「一時的に」音を揺らすもの、という定義にあたりました。

例えば、
「あなたの~~」と歌う場合に、
伸ばす直前の「の」の音の母音Oの音を
もう一度、伸ばす音のなかで、言い直したりします。
「あなたの~~ぉ~~~」というように。

これだけではないのかもしれません。
けれども、一時的な音の揺れで、こういった変化をこぶし、とわたしたちは
感じ取っているのではないでしょうか。
目を引く効果的な変化をつけるものを「こぶし」と呼ぶなら、
もしかしたら「風音」と笛吹きがいうところの、
ブヒョ~~!という風の音を強烈に聞かせる技法は、
こぶしに分類されるかもしれません。


ビブラート

翻ってビブラートは、一時的ではなく、音を揺らしています。
長期的、と言い換えるとそれは違うのですが、
音の変化を一発だけ、発するという方法ではなく、
ある程度の時間、規則的に、という定義になるかと思います。

また、ビブラートの音の揺らし方は、
正しいピッチが基底にあって、
そのピッチから上方へ音が揺れ、下方へ戻る際には
基本のピッチからは下がらない、という揺らし方をしています。
(わたしはこのように習いましたが、違うご意見があればぜひ教えてください)

ユリ

この観点から今度は「ユリ」といわれている音の揺らし方を見ますと、
基本のピッチから、大きく上下に振れることをユリと呼んでいるのではないだろうかと考察しています。
このような大きなピッチの揺れを行おうとすると、息の角度を大きく変化させる必要があり、響きが深まるような効果を得るのは困難です。

けれども、ある特定の一音が伸びる中で、
さまざまに表情を変えて聴かせるには、とても効果的な技法だと思います。

メロディラインを情緒的に、表情豊かに響かせるには、
やはりビブラートが効果的だと思います。

ビブラート禁止の音楽もある?

美しいメロディにビブラートが必ず必至かというとそういうことでもなく、
古い時代の音楽では、響き合う音の音程を正確に保ち続けるためにも、
決して音を揺らしませんでした。

それによって、人間離れしたような、神聖で、透明な美しさを
表現する音楽もあります。

まとめ

演奏する人それぞれが、その曲をどのように表現したいのか、によって
使う技法を選ぶということだと思います。

さて、12月は倍音練習の動画をご案内いたしました。
(篠笛協会会員さま限定です。悪しからず・・)

ぜひトライしてみてくださいね。

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嬉しいです~!ありがとう
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篠笛という竹の横笛を吹いてます。 小学生のころはリコーダーを吹きながら下校。 中学生からフルートを吹奏楽、高校ではクラシックを。 大学は武道に走り、居合道部所属。 とりあえず、長い棒状のものを手にしてきました。 本が好き。活字好き。