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PSYCHO-PASS 3 〜 劇場版 FIRST INSPECTOR までの感想

PSYCHO-PASSを見ている時に必ずと言っていいほどに思い出すのが

" 怪物と戦う者は、自ら怪物にならぬよう用心したほうがいい。
  あなたが長く深淵を覗いていると、深淵もまたあなたを覗き込む。"

というニーチェの言葉。

監視官は執行官に近づいてはならない。理解しようなどと思うのは愚者の行いであり、寄り添おうとした先に待つのは己の死。それが今までのPSYCHO-PASSの世界で狡噛慎也が証明した事実。また、別な観点から証明したのは宜野座伸元だった。

だが、今度のPSYCHO-PASSはどうか。慎導灼の登場によって本作は展開した。私たちが今まで見てきた世界の横幅を広げ、積み重ねてきた物語に厚みを増したと言っても過言ではない。

PSYCHO-PASS 3 の世界、一係の現状

2019年から順次公開された『PSYCHO-PASS SS』では日本とアジアを舞台に現在、過去、未来が描かれた。『Case.1 罪と罰』の舞台は2117年 冬。そこから更に時が進んだ2120年が今作 PSYCHO-PASS 3の舞台だ。

何かしらの理由により空いていた一係の監視官に着任したのが慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフの2人。ハイパー・トランスポート社の大型輸送ドローンが起こした事故の調査へと向かうシーンから物語は始まる。

今作では灼と炯の着任により、厚生省公安局刑事課の人員は一係、二係、三係が揃ったことが伺える。一係を除く他係の人員については多くを語られないが、5年前にあたる2期で青柳璃彩や酒々井水絵などの席が空いたことを考えれば人員は補充されているようだ。

また、廿六木天馬の台詞から今作における一係の古参は雛河翔であることが分かる。2期当時の一係であったメンバーは雛河以外何かしらの理由により全員が一係を離れていることは既知であり、『SSシリーズ Case.1 罪と罰』後に一係の再編成が行われていることは事実だ。

如月真緒が語る監視官が抜けることとなった事件にはビフロストが関わっており、該当の事件は今作の時間軸よりも前に起こっている。シュビラが認知できなかったビフロストに内包される事項(ここではラウンドロビン)の存在は、花城フレデリカが動いている『SSシリーズ Case.3 恩讐の彼方に_』以前で既にシュビラが認知していた可能性が考えられる。

その理由は、Case.3で花城がピースブレイカーに関する組織の調査も行っていたため。なお、Case.3の時間軸はCase.1と同年の2117年11月。それ以前となると、劇場版1作目で常守朱がSEAUnの首都・シャンバラフロートに単身で入国した2116年の後と考えるのが妥当か。

シュビラシステムが統治する日本以外の様子が最初に描かれたのは劇場版1作目であり、当時の日本は鎖国体制を続けることで社会の均衡を保っていた。

ところが、今作では移民たちの存在が社会問題へと発展している世界へと遷移している。『SSシリーズ Case.2 firstguardian』では花城が須郷徹平を外務省に新設される部隊へとスカウトしており、これが後の外務省行動課であることが分かる。また『SSシリーズ』の時点で、何らかの理由により日本が海外と向き合う準備を進めていたと考えることも可能か。

ここから先はまだ整理しきれていないためかなり強めの妄言だが『劇場版 1作目』の全容はシュビラが仕組んだ事件だったことを踏まえると、シュビラが海外と関わる必要性を見出したということかと。また、3期の新任監視官である炯はロシア系帰化移民であり監視官の適正をシュビラが出していることから、優秀な人間を海外からも取り入れたかったのかもしれない。

PSYCHO-PASSの世界は私たちが生きる現代から100年後の日本が舞台だ。だが、3期で描かれる経済、政治、宗教の側面は現代日本でも見覚えがあるものだと感じた。これは「慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフの話」で後述するが、私はPSYCHO-PASSという作品を1期から通して見てきて、常に『フィクションやただのSF作品と受け取るなかれ』というメッセージを訴えかけられているような気がする。

ディストピアSFにありがちな管理体制や近未来的なガジェットの存在をはじめとして、どんな場面においてもいずれ世界が辿る未来なのではと考えさせられるからこそ面白いとも思う。このあたりの感じ方は人それぞれの趣味趣向の影響が大きいので、いち視聴者の感想であることをご理解いただければ。

慎導灼の話

灼が幼馴染であり、ザイルパートナーである炯と共に一係の監視官として最初の捜査に参画する際、1期に登場した監視官としての先輩である宜野座が待機していたとする。その時、宜野座はこう言ったかもしれない。

" これから会う連中を同じ人間と思うな。奴等はサイコパスの犯罪係数が規定値を超えた、人格破綻者だ。本来ならば潜在犯として隔離されるべきところを、ただ1つ許可された社会活動として同じ犯罪者を狩り立てる役目を与えられた。奴等は猟犬。獣を狩るための獣だ。それが執行官、君が預かる部下たちだ。" (PSYCHO-PASS 1話より)

その言葉はキツくてお堅い監視官のガミガミメガネを彷彿とさせるが、その意味するところは間違いなく宜野座自身が感じた戒めであり後悔だった。根本を辿れば、彼が監視官としての己を守るために貫いてきた信念でもある。その全てが私たちの前で明らかになる頃には、宜野座は多くの犠牲を払ってしまうのだが、文字通り『色々なことがあった』彼が一体どんな男になっているのかは既知である。

話は脱線したが、もし仮に監視官の先輩である宜野座が現場に立ち当時の彼が得意とした小言を呈したとしても、灼はのんびりと笑って素直に頷くくらいはしたのではないだろうか。言葉としての否定も肯定もせず、ベテランの先輩からの有難い助言を了承ではなく相槌という意味合いで頷く。『覚えておきますね』くらいのニュアンスを含めて柔らかな笑みを浮かべるのではと軽率に想像できた。

慎導灼という人間がこれまでに見てきた監視官とはまた違ったタイプの人間であることが、登場シーンを見ればすぐに理解できるだろう。

とはいえ、狡噛が様々な事件を通して実行犯の奥に潜んでいた槙島を浮き彫りにしたように、様々な出来事と向き合いながら梓澤の存在へと辿りついた灼にも狡噛が持ち得ていた洞察力などのスキルが備わっているともいえる。これまでにいなかったタイプの監視官でありながら、同時に刑事課に所属する適正も持ち合わせた人物であることは間違いない。

本noteの冒頭に書いた見解を紐解くにあたり、1期で宜野座が着任したばかりの朱に掛けた言葉の存在を思い出すことは不可欠だ。そして、PSYCHO-PASSという作品の中で既知の概念として存在する『監視官と執行官の関係性と考え方』を理解するためにも必須事項である。

執行官に選ばれる人間は罪を犯していない者だ。だが、色相を濁らせた潜在犯であることは紛れもない事実。日本に生きる人間社会を統治するシュビラがそう認識したのだから、執行官は咎人である。一方で、猟犬と呼ばれる執行官を率いる監視官はつまるところ飼い主の役割を担う。そして飼い主たる条件として己のサイコパスが濁ってはならない。執行官の手綱を握る監視官は、何がなんでもクリアカラーを維持する必要がある。

監視官は飼い主であり続けるために執行官に近づきすぎてはいけない。つまり、潜在犯の心を理解してはいけないということだ。

ところが、今作で登場した灼が持つ個性『メンタルトレース』は監視官としての自身を揺るがしかねない手段であるにも関わらず、彼は躊躇なく幾度も事件の被害者や犯人の心へと潜り、理解しようとする。

一見すればチートのような技能だが、これは1期で狡噛が槙島に対して行ったプロファイリングと類似している。その仕組みが詳細に語られている訳ではないためあえて『類似』と書くが、狡噛の恩師でありかつての刑事課所属分析官でもあった雑賀譲二が指導した臨床心理学から派生した技能だと私は捉えることにした。

事件を引き起こした犯人のさらに裏側に潜む真髄・槙島の息吹を探り当て、槙島の思想・思考に寄り添うことで次の行動を読んだ狡噛のプロファイリングは、今作で梓澤という何も手を下していない男の存在を探り当てた灼の推理方法と類似している。

ただ、今作のアニメを見た限りでは梓澤に至るまでに起こった事件の捜査時に灼が見せたメンタルトレースの仕方は、一切の手掛かりなしに対象者の深層へと潜っているように見受けられる。第1話で見せた故人を対象としたメンタルトレースに『チート感』を感じた視聴者は多かったのではないだろうか。

これは「明かされていない謎の話」で後述するが、当初からPSYCHO-PASSという作品の全容を理解するためには映像を見ただけでは叶わない。映像で描かれていないことが書籍版では描かれていたりするため、灼が使用するメンタルトレースの仕組みについてはあまり深く考えず『こういうものだ』と思うことにした。

メンタルトレースの特徴として挙げられるのが、相応のリスクを伴うという点。対象者の意識へ深く潜り過ぎれば戻ってこられなくなる。

ただ、灼が免罪体質であることを踏まえると『戻ってこられない』=『色相悪化』ではない。そのため、狡噛や雑賀が行うプロファイリングとは完全に一致しない。とはいえ、これは灼が使うからこそ潜在犯堕ちしない可能性もあるため、現時点ではプロファイリングとメンタルトレースの類似を完全に否定することはできない。

話を監視官の役割に戻そう。これまでに登場した監視官たちの末路は既知の通り。ここではメインキャラとなる人物のみを特筆するが、狡噛と宜野座の2人が最も典型的な形である『潜在犯堕ち』している。色相を濁らせた結果、監視官たる資格を失った。執行官となった彼等は、飼い主の立場から飼い犬へと堕ちたともいえる。

もちろん執行官になるためにも適正が影響するので潜在犯認定を受けた後に再び刑事課へ戻ってきた2人には、どんな立場であれ刑事という職業を担う素質を持っているともいえる。

一方、3期では課長に昇進している霜月美佳は色相美人だが決して免罪体質ではない。ただ、彼女は社会復帰を果たした元一係所属の六合塚弥生のインタビューの中で答えている。" 神を疑うなかれ。神を試すなかれ "と。2期最後で禾生と東金によりシュビラの正体を突きつけられた彼女のサイコパスがどうなったのか私の中に情報はないものの、美佳が未だ飼い主としての立場を確立し続ける理由は彼女の中に軸があるからだと考えている。

私はこれまでのPSYCHO-PASSという作品に『女の強さ』を見出してきた。その理由の1つとして美佳の存在を欠かすことはできない。

今作での彼女は公安局刑事課課長という役割を担い、監視官だけでなく執行官や分析官の唐之杜志恩にも親しみを見せた。それから、シュビラが判定を下すドミネーターではなく銃を手にして戦う意思を示したことにも大きな成長を見出さずにはいられない。美佳の中には朱とは違う軸がある。彼女は自身で確立した軸という名の正義を盾に、色相を保ち飼い主であり続けている。

これまでのPSYCHO-PASSにおいて、男の監視官は何かしらの理由で潜在犯へとその身と心を堕とした。だが、今作で登場した灼はどうだろう。

灼は男性という観点から見るとこれまでにいなかったタイプの監視官だ。潜在犯に近づきすぎても堕ちる可能性が限りなく低い人間。彼の存在は最強のメンタル美人と揶揄されてきた朱が決して特別な存在ではないことを証明してくれる。

何かしらの理由により拘留の身である朱がいない一係の主柱となり、『正義とは何か』『この世界の罪とは何か』を考え続ける人間という役割を与えられているのだと思う。

狡噛が、朱が、これまで牽引してきたPSYCHO-PASSという作品は灼の登場によって展開した。本noteの冒頭で書いた、私たちが今まで見てきた世界の横幅を広げ、積み重ねてきた物語に厚みを増したと私が感じた理由の1つとして、彼の存在は決して欠かせないのである。

慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフの話

明るく飄々とした印象を受ける灼と肩を並べるのが、今作のもう1人の主人公である炯だ。

炯は灼のザイルパートナーであり、作中では文字通り炯が灼の綱を握っていることが度々見受けられる。2人の間には時折、彼等の幼馴染でもある炯の妻・舞子が仲裁に入ることもあるが、互いへの信頼関係は保たれていた。それぞれの肉親が関係する事件の被害者と加害者であり、シュビラから肩を並べることを否定されたにも関わらず、だ。

2人が持つ因縁は決して彼等の関係を引き裂くことはない。それは、共通の目的を有しているからと見るのが妥当だろうか。

とはいえ作中では多くを語られないものの余程捻くれた見方をしない限り、2人と舞子が共に過ごした時間の中で育まれたであろう情の強さを理由と捉えることも可能だろう。

灼と炯は2年前に起こった事件の真相を求めている。2年前といえば、今作では描かれていない『SSシリーズ』のCase.1 とCase.3の時間軸の翌年にあたる。時間軸を整理していけば、ビフロストという組織についてシュビラや刑事課、あるいは朱が勘付いた時期は前述した内容がそう外れてはいないようにも思われる。

今作では灼が父に封じられた記憶について明かされたものの、2年前の出来事については明かされなかった。あえて口説く言い換えるが、灼の父と炯の兄にまつわる話は明かされていないことになる。3期の幕開けと共に始まった灼と炯の物語はここが終わりではない。これから先も続くことを意味している。今作の位置付けは、空白の時間を挟むようにして2120年の世界で起こる出来事を先んじて見たのだと私は捉えている。

重ねて書くが、2人の主人公たちの絆は決して切れることはない。そう感じた大きな理由は2つある。

1つは、炯と如月がヘブンズリープへ潜入し炯の妻である舞子も囚われた時のこと。炯は解放の後に灼へと怒りを見せ、ビフロストに所属するインスペクターとなる契約を交わす。だが、結果的に炯は監視官としての役目を全うし灼と再び肩を並べた。

ただし、これは灼と炯の絆の強さを見出せる要素でありながら、一方でコングレスマンとして登場した法斑静火の立場に影響される要素でもある。炯が契約を交わした相手は法斑だ。法斑はラウンドロビンの消滅を望み、終始公安局を贔屓し続けていた。彼が公安局側の人間になったからこそ炯は裏切らずに済んだと捉えることも可能だろう。

悩ましい部分ではあるが、あまり難しく考えなければ炯は灼の相棒であり続けることを選択したと考え理由の1つ目とする。

もう1つは、劇場版の最後で灼と炯が互いに隠し事があることを告白したシーン。

灼の秘密は恐らく、シュビラシステムの真実についてだろう。梓澤と共に目撃した神の姿に灼が動揺することはなかったが、迎えにきた上司から口止めされることは想像に難くない。例えそうでなかったとしても父親が隠した記憶の真髄だ。

父親の死の真相が未だ明かされていない状況を踏まえ、関係者でもある炯へと伝えることは憚れるはず。灼が口にしたのは『今は言えない』という旨。そして炯もまた、自分にも内に秘める情報があると言った。彼が伝えられない情報とはなんだっただろうか。

『秘密』を後ろめたいことだと解釈するなら、ほんの一時でもビフロストへと片足を突っ込んだことだと考えてもおかしくはない。だが、灼と炯が互いに相手へ伝えずにいる秘密の存在を共有したあのシーンの時点でビフロストの軸であるラウンドロビンは消失しており、伝え方は様々にあるとはいえ、その事実を2人が知らないとは考えにくい。

唯一のコングレスマンとなった法斑は厚生省公安局の局長となった。そしてインスペクターの筆頭であった梓澤は収容されている。他にも存在していたインスペクターとキツネの行方は作中で描かれていないものの、大枠であるビフロストが事実上の壊滅状態にあると考えれば残党が辿る道はそう多くないだろう。

炯は灼のことも、シュビラのことも裏切らなかった。炯が秘匿するものがインスペクターだったことだと仮定して、果たしてそれは重い罪だと捉えられるだろうか。反乱分子を内包する者としてシュビラの認識が修正される可能性は大いにあるが、少なくとも灼なら小言を口にするくらいしたとしても最終的には許してくれそうだ。当然、灼の行動や思考なんてものを炯は想像するまでもないはず。では、炯が灼に言えないこととして他に何があるのだろう。

炯は抱えた秘密を胸の内にしまったまま口にしない。『今はまだ』灼へ伝えない。メタ的だが、現時点ではまだ明かすことが出来ない事柄だと考えるのが妥当かと思う。

それは私が見た情報の中から探すとすれば彼の兄に関すること以外に考えられないため、炯はどこかしらから情報を得たことになる。仮にそうだとして、今作に登場した人間の中で炯に該当の情報を与えられる人物はそう多くないはずだ。炯は口にしない。何かを知りながらも、何かを理由に灼へ伝えない。隠されている情報は一貫して2年前に起こった出来事に関するものだと考えれば今作の作りは綺麗な構成だと感じる。

前項で灼がこれまでにいなかったタイプの監視官であり人間だと書いたが、灼と肩を並べる炯にも同様のことが言える。

一見すれば1期当初で見た狡噛のような冷徹さを感じる表情だが、本人の言動や舞子が口にする表現から決してそうではないと読み取くことが可能だ。

炯が免罪体質という事実は見受けられないものの、色相が濁る要因となり得る武力を用いても顔色1つ変わらず、自身のサイコパスを懸念する素振りすら見られない。この世界に軍人という職業が存在するのかは分からないが、もしあるとすれば炯には適正があるのではないだろうか。

一般市民へドミネーターを向け、時に部下の親族を殴る描写さえある彼は他人へ拳を振るおうとも色相が悪化しない。舞子が言うように本気になれば相手を殺すことも可能であり、端的に言えば殺人を犯してもサイコパスに影響が出ない可能性すらある。

極論だが、人を殺しても色相に異常が見られない人間にこそ軍人の適正が出されるのかもしれない。炯が色相美人であることを印象づけたのは、他でもない舞子だ。

舞子は自身を人質にしていたトーリ・S・アッシェンバッハを殺害し、正当防衛といえる状況にも関わらず色相は悪化した。この世界で生きる人間の反応として、舞子は模範的だろう。殺人によって色相を回復していた人間も過去にいたが、炯の本質は決して同じではない。常にクリアカラーを保ち続ける監視官。灼と同様に、炯もまたこれまでにいなかったタイプの人間だ。

灼と炯の登場により、物語は展開した。前項で私はこれまでのPSYCHO-PASSという作品に『女の強さ』を見出してきたと書いたが、今作から新しいフェーズへと以降したように感じる。

また、再び私の独断と偏見にまみれた妄言を書くが、灼と炯の関係性は宜野座が後悔し苦い顔で飲み込んだ狡噛との関係の再演だとも思っている。

それから、灼と炯の関係を言い換えれば『日本人と移民の人間』だ。灼と炯を幼馴染とし、同じ適正を見出し、ザイルパートナーでありながらバディを組ませたことは、シュビラが望む日本と海外諸国との関係性の象徴でもあるように感じている。再びメタ的だが、今作で描かれる日本と海外諸国との関係の象徴を表現しているのではないかとも思っている。

シュビラシステムを開発し、神にも等しい存在として社会に組み込んだ日本は随分と鎖国体制を貫いてきた。そんな日本が海外からの移民を受け入れ、社会がどう変化していくのか。

現代の社会情勢にも通じる部分が多い話題であることを考えれば、題材として取り上げることに相当勇気が必要だったのではと思う。私がPSYCHO-PASSという作品の中で常に見出してしまう要素はいくつかあるが、その1つである『フィクションやただのSF作品と取るなかれ』というメッセージを個人的に感じている。

法斑静火の話

シュビラシステムとなり得る人間は免罪体質者に限られる。シュビラが語る免罪体質者とは " 生まれながらにして罪人であり、聖人 " だ。免罪体質者はシュビラの一部となった時、罪と罰を超越した存在となる。罪を犯すこともなく、他者や己に罰を与えられることもない。その存在は神と呼ぶに値するものかもしれない。

だが、神にも等しいシュビラは咎人に裁きを下すドミネーターを人間の手に託す。

ただ執行することが目的なら反抗心を持たないドローンにドミネーターを持たせるべきだ。シュビラは審議し、判断する。数多に浮かぶであろう判断の1つにドローンの使用も想定されているはず。それでも、シュビラは人間にドミネーターを持たせ続ける。加えて、灼が言ったように神の裁きを下す鉄槌が如きドミネーターには引き金がついている。シュビラは刑事課に所属する人間にドミネーターを通して命令するが、最終的な選択は人間に託しているのが現状だ。

人間を生かし続ける『より良い社会』を運用するシュビラシステムの役割上、雇用を奪うことは出来ないという考えもあるのかもしれない。どんな理由にしろシュビラは人間を使うことをやめない。それは梓澤と小畑の会話にも表れている。

" バカばっかり。"
" でも、これが彼等の選択。シュビラ社会と同じ、最後は全て自己責任だ。"

そして本作ではシュビラが人間に選択を委ねる範囲を広げた。法斑を公安局局長の座においたことが該当する。人間の女型を模した義体である禾生、3期では細呂木を局長の座から退かせた。人間の男を自身の代わりに起用したシュビラの真意は今後明らかになってくるだろうが、シュビラは自身を作った人間の息子を好意的に評価する。

とはいえ、法斑の真意はまだまだ見えない。何を任されるのか聞く前からシュビラの要求を受け入れた姿といい、氷のような動かない表情と平坦な声色ばかりを見せられてきたおかげで冷徹だとか気難しい、あるいは空っぽな男のように捉えていた。

ただ、そのどれも違うと感じたのは最後の最後。ノナタワーにあるシュビラの本体が格納されている部屋から出てきた灼に、法斑は手を貸した。その時、彼の顔にはそれまでに見られなかった甘やかで穏やかな笑みが浮かんでいた。それは彼が最後に口にした熱い想い、悲願のようにさえ感じたラウンドロビン消滅を達成を経ての変化だ。

その心境は多く語られないものの、劇場版の最後に流れた刑事課再編人事が明らかになるシーンで彼はどことなく無邪気で楽しげな表情を浮かべてよそ見をしている。まるで初めて外の世界を見た子供のようだと感じたのは私の妄言だろうが、ただ直向きにラウンドロビン破壊のために生きてきたとすれば、ようやく彼自身の人生がスタートしたのかもしれないとも感じた。それが法斑と細呂木の会話からも読み取れる。

" この社会は、今までの君の生活に比べればかなり不自由だぞ。"
" その不自由さを期待しています。不自由で自由。本当の人生とは、そういうものかと。"

公安局局長の座に着任することを聞いた美佳の前で話を聞いているのか聞いていないのかよく分からない姿を見せているにも関わらず、実にスマートに会話へ割って入る。彼は灼の保護と朱の解放を求めた。そして、シュビラに要求したその2つを実現させることが可能である。朱とは違った立場であることは間違いないが、シュビラと対等に話をする新たな人間が現れたのではないだろうか。

慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフというこれまでにいなかったタイプの男たちを象徴に、本作は新しい側面を見せ始めた。彼等の存在は常守朱が決して特別な存在ではないことを証明する。そして禾生/細呂木が勤めてきた局長の座を譲り受けた法斑もまた朱の存在を語る上では欠かせない人物の1人であり、今作が新しい局面を迎えたことを印象づける人間だと認識した。

作品を通して、管理職の立場にある人間の中で目立つのは女性だった。厚生省公安局局長をはじめとして、執行官を率いる監視官は朱と美佳、今は亡き璃彩の存在が際立っていた。私はそれを踏まえてPSYCHO-PASSという作品は『女が引っ張ってきた物語』だと勝手に考えてきただけに、今作の展開が純粋に嬉しく、今後がますます楽しみにもなった。そして『男が表に立つフェーズへ移った』と強く感じた理由は、法斑が登場したことが最も大きい。

梓澤廣一の話

本作がこれまでに見てきたPSYCHO-PASSとは異なるという解釈をするためには、梓澤の存在なしに語ることはできないだろう。

梓澤は槙島聖護や鹿矛囲桐斗とは異なる。さすがに細々とした事件の実行犯たちと同等とまでは行かないが、どちらかといえば劇場版シリーズで登場した実行犯たち(劇場版1作目のニコラス・ウォンやSSシリーズ Case.1 の辻飼姜香など)と同じタイプの人間であり、シュビラが執行可能な『ただの一般市民』に過ぎなかった。

刑事課が追ってきた人間たちの中で、色相が濁った一般市民に待ち受けるのは『処分』だ。だが、梓澤が辿った結末は違った。槙島と鹿矛囲ですら辿った死を、無理やり回避させられた。

色相を濁し、シュビラに処分するとまで言われた梓澤は死ななかった。あらゆる事件の中で黒幕と呼べる人間と何かしらの決着をつけてきたPSYCHO-PASSシリーズにおいて、梓澤の存在は異質だ。

詳細は分からないが、梓澤は一度色相が濁っていることを自身のセリフで示唆している。" もう曇らない "と言ったことで過去と現在の彼について理解が可能だろう。ただの一般市民である梓澤にとって色相が濁ることは死活問題にも等しい。彼のサイコパスがどのくらい濁ったのか、どのように回復したのかは語られないものの現時点における梓澤は自身の色相が濁る要素をなんらかの形で克服もしている。その経験こそ今の彼を確立する所以だろう。

また、梓澤の過去に灼の父親が関与していることは既知である。彼が灼に何かしらの思い入れを抱いていることは見受けられ、それが決して負の感情だけではないことも分かる。ただ、灼の父に関してはどちらかといえば負の感情を抱いており、怨恨とも呼べる情と認識することもできた。とはいえ、シュビラの正体を灼と共に目撃した梓澤の心境は揺れ動いているのではないだろうか。

梓澤が死ななかった理由は本作で匂わされていた事件の全容が明かされていないから、と考えることも可能だ。全ての出来事が私たち視聴者の前に露呈した時、そこで梓澤が辿るべき結末を迎えるのかもしれない。

異質だと感じる点はもう1つある。それは梓澤が自ら世界の真実=シュビラの本質に興味を持ったことだ。これまでそれなりの関係を築いてきた代銀遙熙を裏切り、熱心に求めてきたであろうコングレスマンの座を放ってでも真実を求める姿勢を見せた。

そして、彼は自らシュビラの一員になりたいと言った。これまでのPSYCHO-PASSシリーズにそんな人間はいなかった。これまでに一員になった者たちはシュビラから提案されたことを受け入れているように見えており、少なくとも黒幕と呼べる人間の中にはいなかった。梓澤の存在は異質だ。

それでも、彼は紛れもなくただの一般市民だ。『完璧になりたい』と口にする梓澤が、シュビラシステムが完璧なものだと認識していることがそれを如実に物語っている。

ただ、梓澤はシュビラの真実を目にしても否定を示さなかった。むしろ好意的に受け入れた姿は2期で当時新米監視官だった美佳が見せた反応とは全く異なるものである。禾生と東金によってシュビラの正体を目にした美佳の反応を『一般市民へ公開した際のモデルケース』としていたが、どちらかといえば梓澤の反応の方が2120年に生きる一般市民に相応しいものではないだろうか。

あの世界を生きる人間たちが抱くシュビラシステムへの信頼は絶大だ。言い換えれば依存とも言えるかもしれない。サイマティックスキャンを欺くヘルメットを被った人間が市民の前で犯罪を犯しても『何が起こったのか分からなかった』と口にするのがPSYCHO-PASSの世界に出てくる一般市民なのだから。

そして、朱とシュビラの会話によってシュビラシステムの正体を一般公開する旨について想定されていることが明らかになった。シュビラの真実は、かつての執行官であった縢秀星と槙島の協力者であったチェ・グソンを殺害してまで隠そうとしていたはずなのに。

PSYCHO-PASSの世界を語る上で不可欠なシュビラシステムに転換期が訪れていることを意識するのは、必然的だともいえる。梓澤はシュビラの正体を知ってもなお生かされた。一般市民が知ってはならない情報を知りながらも、シュビラの目の前で処遇を保留にされている。

とはいえ、そもそも梓澤が『シュビラの正体』などという概念を意識するようになったのは、ただの一般市民でありながらラウンドロビンに関わった人間だからだともいえる。

梓澤は正しく一般市民でありながら、やはりその枠に完全に収まることはできないのだ。だからこそ彼の存在は異質に映る。今作が新しいフェーズに移行したと感じる所以は、梓澤の存在なしに語ることはできない。

ここでも個人的な妄言を語るが、梓澤が一般市民でありながらその枠に当て嵌まらない理由の1つは力を持っていることだとも思う。

梓澤という男はシュビラの穴をつけるほどの人間性を持ち合わせていなかったが、間違いなく槙島や鹿矛囲と同等の立ち位置の役割を与えられているとも感じた。小畑との関係性は槙島とチェ・グソンの2人を彷彿とさせる空気が確かにあったのだ。

小畑が梓澤になぜ加担していたのかは分からないが、彼女は別行動をとった梓澤が来ることを信じていたようだ。それは願いであったのかもしれない。終始当たりがキツかった彼女がポツリとこぼした寂しい声色は、しんしんと降り積もる雪の描写もあいまって私の心に深く刻まれている。

梓澤の言葉には力があった。それが時に小畑のやる気を引き出し、収容されていた潜在犯たちの選択を促したことは間違いないだろう。これまでに見てきた槙島と鹿矛囲が持っていた力を、ただの一般市民である彼もまた持っていたのだと思っている。

小宮カリナの話

正直に言えば、どうして2期を作ったんだろうという疑問を私は未だに持ち続けていた。1期があまりにも物語として美し過ぎたからとか、色々な理由から1期を大事にしすぎて変な拗らせをしているのかもしれないと無理やり納得させてきたが、小宮カリナとマカリナの存在によって2期の意味が私の中でようやく確立できたと感じた。

鹿矛囲はシュビラから認知されなくなったが、それでも彼は人間だった。槙島は免罪体質だったが、存在そのものを認識されない鹿矛囲とは存在そのものが異なる。鹿矛囲がシュビラを裁こうとした理由も、願ったことも、存在そのものが浮いていたとでもいえば良いだろうか。

槙島に感じた人間性の美しさと鹿矛囲に感じた人間性の美しさは同じではない。それでいて、鹿矛囲が導いた選択と迎えた結末は人間を超越したような形容しがたいものを感じている。槙島は人間らしかった。だが、私の中では未だ鹿矛囲に人間らしさを見出せていない。それでも、鹿矛囲は正しく人間であった。

今作で登場した小宮カリナの相棒として登場するマカリナは、人間が作ったAIだ。人間ではないマカリナに対してシュビラは『個』を認識する。人間であった鹿矛囲に見出すことのなかった人間性がマカリナには存在すると認知したのだ。

人間が作ったAIを『個』と認識したシュビラもまた人間に作られた存在だ。小宮カリナを模して作られたマカリナは、仮想世界のホログラムで本人に成り切った御堂将剛が起こした事件とはまた違う立ち位置にある。他人に成り代わる人間と、人間に成り代わるAI。本当に恐ろしいのはどちらか。

マカリナの存在はシュビラの穴どころではなく、シュビラの存在そのものを問う。人間が作ったシュビラシステムは人間を統治し、より良い世界について審議し社会を継続させる。

PSYCHO-PASSの世界で生きる人々にとっての正義と、犯す罪とは何なのか。小宮カリナとマカリナの存在なしに物語の本質は語れなくなったと感じた。

男が前に立つフェーズに移ったと強く感じた3期だが、カリナを筆頭に志恩などの活躍も描かれる。目にする景色の色は少し変わったかもしれない。だが、作品を通して見せてくれる表情に大きな変わりはないとも思う。

犯罪係数が下がりつつある志恩に課せられた試練のシーンでは、志恩の台詞で思わず号泣してしまった。同僚たちへ強力なバックアップを提供し続けてきた彼女の心境はこれまで明かされてこなかった部分だが、檻の中を『安全な場所』と表現することで育んできた葛藤の大きさが伺えるように思う。そして、倒れた志恩へ駆け寄る炯たちに " 来ないで! " と強く叫んだカリナは生き残るべくして生き残った人間としての役割を演じている。

本作ではこれまでにも登場してきた女性キャラはもちろん、新しく登場したキャラたちにもそれぞれのエピソードを描いている。上司としての立場で口を開く美佳と花城、自身の罪を告白し強さを示した真緒、都知事となっても自らの信念を胸に立ち続けるカリナを支えるアン。シュビラの一員である細呂木の言動もまた人々に何かしらの感情を与えただろう。そしてもちろん、収容されている朱も。

『女キャラが魅力的で愛される作品は良作』なんていうジンクスのようなものもあるが、綺麗で可愛い女性が強くて格好良く戦う姿を見るのが大好きなので私はこの作品が好きだと改めて認識した。

また、マカリナの存在によってますますディストピアを描くSF作品っぽさが強まったなとも感じる。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を思い出したのは私だけではないだろう。

明かされていない謎の話

今作の黒幕という立場に値する梓澤の物語は一旦幕切れとなったものの、視聴者である私から見た物語の時系列には空白の時間が生じている。

朱がなぜ収容されることとなったのかをはじめとして、今作の主人公である灼と炯が求める2年前に起こった事件について未だ全容は明かされていない。

とはいえ、明かされていないものを項目として挙げればきりがないのだ。ビフロスト、ピースブレイカー、外務省行動課、それらの繋がりをはじめとして、花城の行動理念や元一係である狡噛、宜野座、須郷が外務省所属になっている理由。

狡噛は事実として殺人を犯している。国外逃亡をはかり、日本へと戻ってくるにはシュビラとの交渉が必要となるだろう。そして行動課に所属する花城を除いた者たちに許されている単独行動。これは執行官時代の彼等には許されなかったはずだ。狡噛は施設から出てきた朱を迎えに行き、宜野座は父・征陸智己の墓参りをしており、須郷は炯の後を追って現場へと赴いている。彼等のサイコパス数値がどうなっているのか、シュビラの判断はどうなのか、など疑問は尽きない。

また、2年前の事件は属性だけを取り上げれば日本人と移民の間に起こった出来事だ。結末は日本人による移民の殺害、犯人の日本人が自殺したことで幕引きとなっている。その時点で既に国際犯罪を取り扱う外務省行動課があったと考えれば、所属メンバーも事件になんらかの形で関わっているはず。

それから朱が施設から出る際、彼女と顔を合わせた狡噛が謝罪している。朱が自ら望んで収容されていることがシュビラの発言から読み取れるものの、彼女の処遇に対して狡噛が関わっているのは間違いないだろう。

幾つかの欠片が各所に散りばめられただけで、『SSシリーズ』から今作に至るまでの空白の時間に生じたあらゆる出来事が伏せられている。

それらに行き着くための手掛かりを弥生が外で調べているものかもしれないし、どうも頼りなく見えていた雛河に一係を守るとまで言わせるほどの決意を促した何かでもあり、真緒が意図せず加担することとなった監視官が巻き込まれた事故のことも含まれるのかもしれない。ただ、違うかもしれない。

朱や外務省行動課が追ってきた狐はラウンドロビンの消滅と共に消えるのではと考えれば、もっと根本的な他の事件や陰謀があったのではと想像することも可能だ。厚生省公安局刑事課と外務省行動課が協力体制を築くこととなった大きな何かが。

それが次に語られるならそれも良いし、もし語られなかったとしても構わない。これまではひたすら朱が上に立つ刑事課一係に焦点が当たり、狡噛の物語のようでありながら彼女の物語としての色が強くなっていき、朱が居ない刑事課が舞台となった今作で全てを語るのは味気ないようにも思う。だからこそ、私はこの終わり方が一番綺麗であり最適解だったとも考えている。

メタ的な話だが、物語を作る時、読み手(ここでは視聴者)に理解してもらえる話を作ろうとする心情は必然と生じるものだと思う。読み手を置きざりにすれば支持を得られず、作品はどんな意味であれ評価されないからだ。特に商業ジャンルであればそれは制作側が意識せざるを得ないものであるとも思う。

とはいえ、これはただの読み手、いち視聴者に過ぎない私の個人的な見解なので絶大な支持を誇るPSYCHO-PASSというジャンルを手掛けるスタッフの本心は分からない。

何が言いたいかというと、PSYCHO-PASSは他のジャンルに比べて圧倒的に恵まれているということ。アニメ枠を設け、完結編を劇場作品として描かせてもらえるだけの力を持っている。そして、PSYCHO-PASS 3では大きな展開と新たな登場人物たちの活躍を描きながらも、これまでに私たちが追い掛けてきた朱をはじめとする元一係メンバー(3開始までに一係に所属していたメンバー)が今何を見つめているのかを明かさなかった。

明確に『何かがあった』ことだけは分かる。その全てを明かさなかったのは、『次』に繋がる何かしらの可能性を示唆しているからだ。一体何があったのかを読み手である私たちに想像させ、更なる展開を期待させる。

また、PSYCHO-PASSの全てを理解するためには映像を見ただけでは叶わない。実際にPSYCHO-PASS 3は吉上亮さんが執筆する書籍が発売され、続編が順次刊行予定だ。PSYCHO-PASSが他の作品に比べて恵まれているのは、メディアミックスが盛んだという要素が大きい。

どの作品においても描くべきことと、そうではないことが存在する。映像化するなら映像を生かした良さが、文字として表現するならそこで書くものの良さが生かされるべきだ。映像では描ききれないこと、小説として表現するからこそ描けることも当然あるわけで。決して映像を補完するだけではない小説/漫画も目にしなければPSYCHO-PASSの全ては理解できない。

私は吉上さんが選ぶ言葉や紡ぐ文章が大好きなので、もっと沢山の人の目に触れて欲しいと思っている。『映像作品を文章に変えただけ』と思うのは自由だが、映像として見たシーンを脚本に携わった人がどんな言葉で表現するかを知るのも作品を楽しむ方法の1つではないかと考えている。

自分が思う青色が誰かにとっても同じ青色だとは限らない。ドミネーターをどんなものだと表現するのか、黒い銃が発するあの光を何色とするのか、日高のり子さんが演じるシュビラの声色をどんな風に記すのか。 " 紙の本を読みなよ " と言った槙島の表情を思い出しながら、ぜひPSYCHO-PASS 3の小説も手にして欲しい。

今後の話

私が『女の強さ』を見出してきた本作品は、4人の男の登場によって展開した。それを象徴するかのような『劇場版〜 FIRST INSPECTOR』のキービジュアルは印象深い。

また、初期から本作品に彩りを与えてきた主題歌アーティストが変わったことにも意味を感じる。ここがPSYCHO-PASSの転換期なのだと思った。

新しい2人の監視官と、厚生省公安局局長になったシュビラ開発者の息子。それから、シュビラの真実を知る潜在犯。4人の男を筆頭に新しいフェーズへと踏み込んだ世界がどのように続いていくのかが楽しみで仕方ない。

とまあ、自分が考えたことを整理するため、それから誰に何を気にすることなく自分が感じたことを言葉にしたくて淡々と書き続けましたが、普段は狡噛さんとかギノとか朱ちゃんとかエースとか呼んでます。それっぽくまとめるために登場人物の名前を呼び捨てにしただけです。

それから、好きになった男は大抵死ぬ宿命にある私の最推しは永遠に槙島聖護です。次回の映像も楽しみだな〜;;;;; 塩谷さんのツイッターを見た感じ本当にお疲れ様でした……感が否めません。

ヲタクは想像力だけはとにかく豊かなので、自分が面白いように都合よく解釈していける生き物です。見たものを自分なりに噛み砕いてあれこれこねくり回しているので、ここに書いたことの正誤は気にしていません。

最初は自分の感覚だけで読み解きたいので、今回もあえて他の情報を入れないことを徹底していましたが、今作が賛否両論であることは察しています。楽しみたい人が自分にとって都合よく楽しむのも1つの愛し方だとは思うので、色んな意見はあると思いますが私は今期も作ってくださってありがとう……と思いました。

そして、とにかく吉上さんが脚本に参加してくださって嬉しい。皆ほんと吉上さんが書いてくれた小説読んでくれ頼む。私は『PSYCHO-PASS ASYLUM 1』で初めて吉上さんの文章と出会いましたが、こんな文章が書けるようになりたいと思うくらい大好き。何回でも読んでしまう。

一番大好きなのは『PSYCHO-PASS ASYLUM 2』に収録されている『別離』です。これがきっかけで『SSシリーズ Case.1』の脚本にも参加されているようなのでもう本当に本当に嬉しかった。

吉上さんが書くギノの美しさをもっとたくさんの人に知って欲しい。とはいえ私もまだ全部の作品を読みきれていないので、また少しずつ読んでいきます。ようやく映像を全部見たので、今期の小説版を購入しました。ちまちま進めていますので読んだらまた考えたことをまとめたいなと思います。

こんな世の中の状況なのでパンフレットだけはせめてと思い購入しに行きましたが、いつも中身でも楽しませてもらうのでじっくり読んで感じたことをこれまでの分も含めて書き起こしたいな。パンフの表紙は本noteの見出し画像にも使用しましたが、装丁があまりにも最高すぎたからPSYCHO-PASSファンは買ってください。他、できればネットや雑誌の記事なんかも拾えたら良いなと思っています。

こんな感じでサイトやツイッターとは違い、ゆるっと自分の感情や思考を綴るnoteを気ままに続けていきます。これを書いてる時間はなぜか原稿をやってる時と同じ気持ちでした。思考を文字に書き起こすのは難しいですね。

ちらっと見たらwikiが相変わらず優秀すぎました。別に否定している訳ではないですが『考察!』みたいな記事とは比べものにならないくらいの情報が詰まっているので、今作で苦言を呈される方もぜひ読んでみて欲しい〜〜。いろんなことを忘れているなーと思いました。今期も全然咀嚼しきれていないのでまた見直します。もし叶うなら、劇場版を映画館で観られる機会がまたあれば嬉しいですね。

このまま物語が進むとすれば、次は美佳ちゃんの補佐として刑事課に戻ってきた朱ちゃんが存在する舞台なので、朱ちゃんに振り回される美佳ちゃんが見られるのかと思うとめちゃくちゃ楽しみ。美佳ちゃんはギノが居なくなったことで更に頼もしくなったな〜と思います。美佳ちゃんも随分変わりましたね。志恩さんと呼んだり、監視官の2人だけでなく、執行官たちの実力も信じているような描写が度々見られたので彼女は彼女なりのポリシーで自分を守れているんだろうな。ラムネをキメまくるの笑ってしまったけど。

菅野さんの音楽もぐっときました。でもやっぱりずっと聞いてきた曲が流れるとPSYCHO-PASSだ〜〜;;と思ってしまうんですよね。必然と狡噛さんとギノが活躍する場面なのでここでも転換期だなと感じる所以だったりします。

色々な後悔と犠牲を乗り越えて狡噛さんとギノが並ぶ姿を見られるようになったのはすごくすごく胸がいっぱいになりました。感慨深い。3期スタートのチラ見せ特番の時から言葉にできないほどの喜びでいっぱいだったのは私だけじゃないはず。

そして、朱ちゃんが収容されたのなんで?!という気持ちよりも朱ちゃんはいつか雑賀先生のようになるんだろうな〜と思っていたので、あんまり驚かなかったな。ついにきたか〜〜くらいの気持ちでした。志恩さんが居なくなった分析官室が次は誰の城になるのかは分からないけど、法廷執行官になった朱ちゃんもまた活躍してくれるんだろうなと考えるとワクワクがすごいです。

サブタイトル考察

1. ライラプスの召命

ライラプス: ギリシア神話に登場する猟犬。どんな獲物でも決して逃さないと運命によって定められている。(wikipediaより / https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%97%E3%82%B9)

召命: 罪の世界に生きていた者が、神に呼出されて救いを与えられるという意味で使われる。(コトバンクより / https://kotobank.jp/word/%E5%8F%AC%E5%91%BD-79889)

→ライラプスは慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフを指す。彼等は飼い主の立場でありながら誰かにとっての猟犬でもある意味か。捻りなく考えればそれぞれの推薦者が該当するのかもしれない。灼の推薦者は朱、炯の推薦者は美佳だ。

また、ライラプスは狙った獲物は決して外さない槍と共に冥界の裁判官の1人であるミーノースの宝でもあったという。ライラプスが監視官2人であるならば、槍とはドミネーターか。ミーノースを朱と見ることも可能だが、彼等を召命した神が朱なのかシュビラなのかで判断が変わってきそう。

2. テウメソスの生贄

テウメソス: ギリシア神話に登場する土地の名前。そこに住む牝の狐の怪物をテウメソスの狐と呼んだ。多くの人間の子供を襲って食い殺した。狐は何者にも捕まらない運命にあり、その地域に住まう人々は被害を抑えるために毎月1人の子供を生贄として捧げていた。(wikipediaより / https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A6%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%83%E3%82%BD%E3%82%B9%E3%81%AE%E7%8B%90)

→純粋に考えれば、次々と起こる事件を起こしているのはここまでに出てきた狐という暗示であり、その事件の被害者たちのことを生贄と称しているか。もう少し考えるとビフロストのモチーフが狐であることから、金を儲けるコングレスマン自体をテウメソスと称しているのかもしれない。

3. ヘラクレスとセイレーン

ヘラクレス: ギリシア神話に登場する英雄。ギリシア神話に登場する多くの半神半人の英雄の中でも最大の存在。(wikipediaより / https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B9)

セイレーン: ギリシア神話に登場する海の怪物。上半身が人間の女性、下半身は鳥または魚の姿をしているとされる。(wikipediaより / https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%B3)

→小宮カリナと薬師寺・ヘラクレス・康介の都知事選がメインとして取り上げられる回。文字通りに解釈すれば灼が底知れぬ何かを感じたカリナがセイレーンであり、薬師寺が英雄であるヘラクレスだと読める。

ヘラクレスもセイレーンも共通するのはどちらも半分人間であること。言い換えれば、完全な人間ではない。半分神の人間と(セイレーンの下半身を鳥とした場合)半分獣の人間。妄言強めの解釈をすれば2人の個としてシュビラに認識されるカリナとマカリナを暗喩しているとも考えられる。この場合、ヘラクレスがマカリナ、セイレーンがカリナ。

4. コロッセオの政争

コロッセオ: ローマ帝政期に造られた円形闘技場。(wikipediaより / https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%BB%E3%82%AA)

政争: 政治上の主義や主張についてのあらそい。政治権力の奪い合い。(weblio辞書より / https://www.weblio.jp/content/%E6%94%BF%E4%BA%89)

→ここはあまり深く考えず、前話から続く都知事選にまつわるあらゆることを示唆しているかと。この回では公開討論会の会場としてギガアリーナが出てくるので、場所そのものをコロッセオに見立てているか。

5. アガメムノンの燔祭

アガメムノン: ギリシア神話の英雄。トロイア遠征軍の総帥。全ギリシアをまとめた人物で、ローマ時代には「王の中の王」と呼ばれ皇帝の比喩と見なされていた。本人は傲慢で非情、所有欲が強い男であったといわれている。(wikipediaより / https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AC%E3%83%A1%E3%83%A0%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%B3)

燔祭: 旧約聖書『レビ記』でモーセが定めた供犠の1つ。神の崇敬と賛美、神への感謝、祈願、贖罪の4つに大別され、供物が供壇で焼尽され、神のみに捧げられ、供犠中最も高貴なものとされた。供物は雄牛、羊、やぎ、はと (この場合は、雄、雌を問わない) のみが用いられた。また、英語表記はholocaust。転じて第2次世界大戦中のナチスによるユダヤ人大量虐殺をもさす。(コトバンクより / https://kotobank.jp/word/%E7%87%94%E7%A5%AD-118030)

→公認宗教団体 ヘブンズリープに焦点が当たる回。アガメムノンをトーリとし、結果的に独裁者と化していた彼が治める信者たちが供物であり、宗教そのものを燔祭とするのが妥当に感じる。

また、観点を変えれば信仰特区の誕生を政治の食い物とする見方も可能であり、アガメムノンは都の政治体制(ここではカリナという固有名詞よりも概念的な要素の方がしっくりくる)であり特区へと巻き込まれる人間たちを供物とも捉えられるか。

テレーザ、アウマ、久利須、仁世が企てていた計画そのものをアガメムノンと見ることもできるように思う。

さらに、梓澤の存在を意識させられることになった回でもある。アガメムノンを梓澤と見る場合、供物は梓澤がこれまでに関わってきた狐とも捉えることが可能か。あるいは、梓澤が求める目的のため結果として踏み台になったビフロストという存在そのものを供物と解釈しても良いかも。

6. カエサルの金貨

カエサル: 共和政ローマ期の政治家、軍人、文筆家。古代ローマで最大の野心家と言われた。または帝政初期にローマ皇帝が帯びる称号の一つ、帝政後期には副帝の称号となった。ドイツ語のKaiser(カイザー)やロシア語のцарь(ツァーリ)など、皇帝を表す言葉の語源でもある。(wikipediaより / https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A6%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%82%B5%E3%83%AB)

→解釈が難しい〜〜。この回で描かれる内容に無理やり当てはめるとすれば、金貨は『価値があるもの』『宝』と解釈した上でテレーザたちの計画の要である売春組織から逃げ出した入国者たちと捉えることが可能か。皇帝の語源としてのカエサルよりも、野心家であったとされる固有名詞としてのカエサルをとり、革命家のようなニュアンスでテレーザたち4人を示唆しているのかと〜〜。ちょっとカエサルの人物像を学ばないとなんとも言えない。

7. Don’t take God’s name in vain

『in vain』: いたずらに、無駄に、効果なく、軽々しく、みだりに
直訳すれば " 神の名を無駄にしないでください "

→突然英語に〜〜。英語にしたのも理由があるのかな。ここまで続いてきたヘブンズリープ編収束にあたり、神の存在を象徴として成立する宗教を己の欲のために使ってきたトーリへ向けられた言葉と考えられる。

また、終末救済プランが計画者の1人である久利須に生じた復讐心と共にビフロストへ利用されたことを踏まえると、シュビラと同等の存在であるラウンドロビンからの皮肉と捉えることも可能??

『神』をシュビラとするか、ラウンドロビンとするか、はたまたそれぞれの正義とするかで捉え方が異なるように思う。全ての人間に向けてのシュビラからの言葉のようであり、久利須と対峙した灼が免罪体質者であることが発覚したことも相まって灼の言葉として解釈することも可能か。

8. Cubism

キュビズム、立体派(立方体派)。20世紀初頭にパブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって創始され、多くの追随者を生んだ現代美術の大きな動向である。それまでの具象絵画が一つの視点に基づいて描かれていたのに対し、いろいろな角度から見た物の形を一つの画面に収めた。(wikipediaより / https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%A0)

→難しい〜〜。単純に考えれば、厚生省公安局刑事課、外務省行動課。コングレスマン、インスペクター、狐で構成されるビフロスト。ピースブレイカーとパスファインダー。シュビラとラウンドロビン。あらゆる所属の人間たちが入り乱れ、それぞれが何かしらの目的のために互いを見つめ追い掛けている今作そのものを示唆しているかと。

1. 前編(Ziggurat Capture Part 1)
2. 中編(Ziggurat Capture Part 2)

Ziggurat: ジッグラトまたはジグラート。古代メソポタミアにおいて、日乾煉瓦を用い数階層に組み上げて建てられた巨大な聖塔である。「高い所」を意味する言葉。旧約聖書の『創世記』に記されているバベルの塔は、バビロンにあったジッグラトが伝説化されたものという説もある。(wikipediaより/ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%88)

バベルの塔: 旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な塔。実現不可能な天にも届く塔を建設しようとして、崩れてしまった(神に壊された)という故事にちなんで、空想的で実現不可能な計画の比喩としても用いられる。(wikipediaより / https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%99%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%A1%94)

→言葉通りのジグラートとして受け取るなら、決戦の地である公安局ビルのことかと。もう少し無理やり解釈を広げるとすれば、梓澤が口にする『計画』に着目してバベルの塔の比喩である『空想的で実現不可能な計画』を示唆しているのかもしれない。

3. 後編(Rainy day, and)

直訳すれば " 雨の日、そして "
『Rainy day』は万一の場合、まさかの時、不時などの比喩でもある。

→所謂エピローグ。梓澤が引き起こす事件の幕引きと共に、それぞれに訪れる変化が描かれる。始まったことは終わりを迎えるが、終わりは新たな出来事の始まりでしかないといった締め括りかと。

以上です。ここから先は整理しきれていない個人的なメモみたいなものを残しているだけです。それでは〜〜。

個人的な考え事メモ

シュビラシステムを一般公開するのか〜〜。わりと受け入れられそう。そう考えたら美佳ちゃんが見せた反応の方が違和感なのかも。でも美佳ちゃんは免罪体質じゃないんだよね。免罪体質って統合失調症と関連してるみたいな話なかった?聖護くんがそんな感じのことを言ってた気がするんだけどこれこそ妄言かもしれない。

志恩さんが「狡噛」って呼ぶのわざとなのかな〜〜。前は「慎也くん」だったよね。所属と共に関係性も変わってるのかな〜〜。

ギノがドミネーター以外の武器を普通に使ってるのを見るとギノ〜〜;;になるんだけど、ドミネーターを使えるのは刑事課だけの特権なんだよね。

パスファインダーって誰だっけ。狡噛さんとの因縁もあるっぽいから狡噛さん逃亡前の一係と因縁があるのか、外務省行動課に属した後の因縁なのか?? 狡噛さんが「死に損ない」って言ってるの聞くとドンパチし合ってる仲だよね。息子(=教え子)の敵が狡噛さんってことは海外での活動によって生じた因縁って考えるのが自然かな。

ドミネーターっていう近未来ガジェットが圧倒的な高出力を見せるのも格好良いけど、肉弾戦筆頭の狡噛さんを筆頭としてギノもすっかりそのポジションにいるのも良いな〜〜と思ってたら炯くんも入ってきてワクワクする。そんで今作ではダンゴムシがめちゃくちゃ戦うの大興奮だったな。ちょっとだけインタビュー記事読んだけどやっぱりダンゴムシの発想はタチコマ感あるよね〜〜。棲み分けするために色々考えられてたはずだけど、攻殻機動隊をちゃんと履修したいなと改めて思う。

コングレスマンだとシュビラの全貌を知る権利がある??灼くんのお父さんは免罪体質について突き止めていて、シュビラそのものに疑問を持っていた??灼くんと静火さんのお父さんは面識があったけど、そもそもなんで灼くんのお父さんはシュビラの正体を意識したんだろう?? そもそもコングレスマンだとシュビラの全貌を知る権利があるって考えも間違ってるのでは??静火さんのお父さんだから知っていたのであって、代銀さんとかは知ってたんかな?? 灼くんと静火さんのお父さん、縢くんと同じ意思が働いて実は消されてるのでは〜〜みたいな感覚があるんだけど、一応灼くんのお父さんは自殺なんだもんね。でもじゃあ、なんで朱ちゃんが人殺しって呼ばれてるんだろう??

思ってる以上に梓澤は厚生省と外務省の内部のことまで知ってるくさいんだけど、花城さんの思惑も気になりますね。正義のための汚れ仕事が行動課の役割だとして、あくまでも刑事課を立てるための行動課か〜〜。行動課のメンバーは現時点で花城さん、狡噛さん、ギノ、須郷さんの4人で確定。

2020/4/12