キズナ・アイちゃんが選び取った原点

 キズナ・アイといえば、バーチャルユーチューバーの始まりです。Vtuber界隈では「親分」「アイちゃん」など、多彩かつ親しみを込めた呼び方があります。設定……と言って良いかわかりませんが、【超高性能AI搭載】という、いわゆる仮想面を強く打ち出したキャラクター性。昨今のVtuber界隈ではなりきることが求められていますし、代えを用意するとかは出来ませんが、キズナ・アイちゃんはその設定上【中の人を変えても問題ない】存在でした。

 ですので、分裂騒動の時も【設定上は問題ない】。……のですが、この頃のVtuber界隈は、宿った魂に主眼を置く文化になっていたので反発も強かったです。そんなキズナ・アイちゃんは、Vtuberとして未開の地を切り拓いていく先導者であり、今も私はその認識を崩していません。

キズナ・アイの切り拓いたVtuber界隈の歴史

 キズナ・アイ、電脳少女シロ、我が女神ときのそら、ミライ・アカリ、輝夜月と続々企業系Vtuberが誕生していきました。

 ここに「のじゃおじ」も加わったことで、Vtuber界隈は観客と壇上の境が取り払われて混沌を巻き込み、個人Vtuberが大挙誕生、2Dでも生首でも良いという自由度がウケました。ブームが巻き起こった翌年に、【にじさんじ】という2D文化の果てに生まれた企業が名をあげ、多人数箱推しが増えました。

 グループで名乗りを上げたのが【空想コード+】【アマリリス組】等等。その他にも【有閑喫茶あにまーれ】【ハニーストラップ】【ゲーム部】等も誕生。大人数での存在が相乗効果で人気を底上げしていきます。

 これまで1人で企業の看板を背負ってきたキズナ・アイちゃんもまた、その流れに続くか……と思いましたが、やはり一人でした。TV番組に出演したり超大物ゲスト枠で出たり等、存在感は圧倒的です。

 後は皆さんもご存知の通り、今のVtuber界隈に繋がっています。この歴史のビッグバンである彼女には感謝してもしきれません。

キズナ・アイ株式会社!

 2020年5月11日より。【キズナ・アイ株式会社】という新会社と、再スタートするという発表。再スタート。つまり、これまでの路線とは違うことを意味します。キズナ・アイちゃんの「より迅速な意思決定」が尊守される態勢を整えて再スタートを切る、言わばキズナ・アイという存在のために用意された企業です。背中を押したのは「Activ8」「upd8」。

 しかしアイちゃんが社長と言うわけではありません。本人も言ってましたが「戸籍・住所」等存在しないので、就任できない当たり前。社長のマツモトエリコ→エリコさんは「キズナ・アイを墓場にする」という覚悟をもった方らしい。

詳しくはプレスリリースされたホームページをチェック

 因みにこのホームページ内で多くが語られていますが、特筆すべきはアドバイザー【春日望】さんの存在。

春日 望さんとは?

 超高性能AI搭載のキズナ・アイちゃんの声を組み込んでいたお方。……平たく言うならアイちゃんの魂です。【Vtuberって中の人の実績に繋がらないのでは??】という問題の解決策として一石を投じることになりました。アドバイザーとしての発言権を確立し、アイちゃんの活動にも支障が出ないという神采配。【中の人を出すのはタブー】といういつの頃からか作られた掟? を切り拓いていった。やっぱり時代を作るのは親分なんだよと感じます。

「キズナ・アイちゃんは春日望さんの声を持っているAI存在」
「春日望さんは声を提供するアドバイザーさん」

 という認識で大丈夫です。因みに望さんは、自宅待機中の方のために少しの間YouTubeチャンネルを開設しました。これは恐らく「キズナアイ株式会社の事」が大まかに決まり、大手を振って望さんも活動が出来るからだと思われます(違ったらすみません)。聴けばわかりますけど「アイちゃん」を色濃く感じます。

 キズナ・アイというキャラクターを尊守する今回の決定に私は概ね賛成です。この決定が、今後様々なVtuberに波及していくことだろうと私自身考えております。アイちゃんの意志の強さなどを感じるアーカイブは絶対に見てほしいです。

サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。