鬼滅の刃 遊郭編 第一話『音柱・宇髄天元』感想

 こんにちは、鬼滅は全巻読破済みの音霧カナタです。

 長い夜が明けた。無限列車編の再編成7話が先週で終わり、今回、ようやく、新章開幕! 遊郭編だ!! 初回は1時間という大ボリュームだったけども視聴者に「間延び」の瞬間を与えることなく最後まで見させる手腕、異常に金のかかっているであろう作画など、これまで以上に本気の鬼滅の刃が見れるワクワクでいっぱいになれる。

 そんな第1話の感想になりますので、ネタバレも含みます。まだ見ていない人はニコニコ動画でも1話ならおそらく今後も無料で見れるはずですのでどうか見てほしい。

 ……え? テレビアニメ版の無限列車編を未視聴? それならそっちの1話はアニメオリジナルで、とてもいいからさっさと見ていっておいで!


ショタで詰るパワハラおじさん無惨様

「俺は悲しい。あんなに人間相手にイきり散らかしていた上弦でもパワハラには何にも言い返せないという無情な現実が」

 青い彼岸花という重要そうな(実際重要)アイテム名がここで初登場したが、そんなことよりパワハラだ。多分体内の細胞が変質しまくっていて並の鬼だと弾け飛ぶんだろうなと思わせる折檻も混み。鬼だ(鬼です)

 人間を捕獲しようとしたら抵抗されて日の光で死にそうになった挙句、雑魚鬼狩りに一矢報いられてしまうという屈辱。しかもそいつこそが無惨様の最もやっつけてほしかった耳飾りの少年ならこの怒りもご尤も。

 アカザさんは炭治郎の刀を、藁人形に杭を打つようにぼっこぼこに殴りまくって破砕。「次こそは倒す」と因縁をつけられた……が、刀を無くした挙句ぶっ壊されたとあっては、別の死亡フラグを立てることになったのでアカザさんは良い仕事したといえる。


魅惑の低音千寿郎

 どんなに腹に重傷を負っていても、鍛錬はするし勝手に抜け出しもする。しのぶさんガチギレしてそうな案件だけども炭治郎は煉獄家を訪れる。

 開始早々の追加アニオリで煉獄さんの弟、千寿郎が訃報を聞くシーンがあまりにも可哀そうだ。でもこういう漫画で取りこぼした丁寧なアニオリなら今後も絶対に入れてほしい。

 見た目は儚げな少年なのに、声変わり済みで低音というギャップはやはり最初違和感あった。でもそんなものはすぐに霞む。むしろこれが普通だし、質感と言いますか、実際にいそうというか、そそると言いますか……とにかくいいと思う。

演技力の高さ

 声優さんの気合が凄かった。個人的に今回のMVPは彼ではないかとまである。この煉獄さんの家を訪れるお話って、いわば無限列車編の締めくくりなので、家族を失った悲しみからの決意とかを十二分に表現してくれたのには感謝しかない。

ヤサグレくそじじい

 会うなり煉獄さんの悪口ばかり言う最低親父で、ねぎらいの言葉など一切ない。アポなしとはいえ客人を前にしても酒を飲んでいるし服も太ももがはだけているだらしない姿だ(脛毛がリアル)

 高潔な煉獄さんとは似ても似つかないダメ親父だし、日の呼吸なんて重要情報にただただ妬みの言葉しか出さないなど「煉獄さんの過去回想からどうしてこうなった」と言いたい変貌である。

やさぐれる理由とは

 若くして奥さんを病気で亡くした上に、早死にする確率の高い鬼殺隊に入ったという自慢の息子。そして炎の呼吸など足元にも及ばない日の呼吸の存在など「色々知ってしまった」が故の酒浸りなのだろう。

 自分の呼吸が日の呼吸と知って「そんな大層な力があったのにどうして煉獄さんを助けられなかった」と炭治郎が言ったように、数々の鍛錬と実績を積んで良いことをしているのに、「大層な力を持っているのに」妻は病気で先立たれ、宿敵はのうのうと生きている現実に嫌気がさしても不思議ではない。

本当は見限ってほしかった?

 やる気を失い、怠惰な日々を送る自分の姿を見せて息子に失望してほしかったのだろうか。そしたら鬼殺隊に入らずにもっと長生きできたかもしれない。自分を残して死んでほしくない、なんて思いもあったかもしれない。だから千寿郎が剣士の道を諦めてくれたことが、実は何よりも救いだったのかもしれない。

逃れられないエンカウント

 最早恒例、刀なしで丸腰、必然、ひょっとこ顔のあいつが帰ってくる! 殺意の波動しか感じない、今回出てきたオリジナル鬼よりも遥かに強そうな佇まいに一部の隙もなし。「やはりお前は鬼になれ、鋼鐵塚蛍! 刀を永遠に打ち続けよう!」ラッキーアイテムはみたらし団子!

誘拐編

 なんやかんや出番の多いアオイちゃん。が、攫われる!? 実際は任務のために駆り出されただけなのだが、しかし最終選別で結果を出せないほど戦闘に怯えていた彼女に今回の任務は荷が重すぎるなあと思った。多分あのまま行ってたら確実に殺されていたよ。

 何気なく銅貨に頼ろうとしたカナヲがとてもいい。そして炭治郎の言葉を思い出して「止める」という選択肢を自ら選んだのも非常に素敵だ。鬼滅って恋愛描写がほとんどないけど、カナヲと炭治郎の関係は本当に丁寧に描いてくれるからいい。善逸? あれは恋愛というより片思いの段階だし。

 4か月で米俵(60㎏?)を担いで走れるほど強くなっている上半身ムッキムキのかまぼこ隊が代わりに付いていくことになるのだが……尻ドラムだけはマモレナカッタ…

残響散歌

 もう最初から好き。これまでにはなかった実にアップテンポな開幕、華やかなのに毒々しさを隠しきれていない雰囲気、サビの疾走感、どれをとっても隙がない。3分と言わずもっと聞きたいなんて思うのはわがままだろう。曲を聴いて涙が出そうになるのは久しぶりの感覚です。

9.2%の視聴率

 今回の視聴率は10%を割っています。ブームは終わったか? と思うかもしれませんが……

  1. 翌日は仕事を控えた日曜日の深夜

  2. 録画やサブスクでの視聴はカウントされない

 などの条件を鑑みると、そのうえで1000万人が見ているって中々クレイジーである。鬼滅は7時とかでも十分他の番組を蹂躙できるポテンシャルを持ってはいるけど、さすがに遊郭なんてワードを出したら深夜のほうがいいと思うのは必然。

 新刊はもうでないこと、追加エピソードもないだろうから、1年前のわけわからんブームの加熱には届かないだろう。それでもこれだけの人が見ている事実だけでも、その注目度は推して知るべし。

サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。