シャインポスト 3話「《引き立て役》の玉城杏夏」ネタバレ感想

そこはどん詰まりか、ここで踏みとどまるか、それとも

悪夢

 夢を、夢を見ていました……。杏夏が新曲『一歩前の世界』を披露しようとするのですが、何故か体が動かず、メンバーも動かない。失望の顔を浮かべるファンに見られて精神を追い詰められる、そんな夢を、見ていました。

春ちゃんスマイルをプレゼント

 春がなんでご機嫌かわかるかな? 当ててみな、春ちゃんスマイルをプレゼントするぜ! ライブ100人の内に金髪ギガドリルブレイクの子も来ていたようで、評判は上々だったそう。
「杏夏ちゃんと理王ちゃんも褒められてたら嬉しい」って春ちゃんは零すけど、良い子だけど、それ絶対本人の前で言うなよ? 前回のライブは春ちゃんのナチュラルファンサ力で乗り切れたようなもんだ。シャインポストというよりも君の手柄に近いし、それは恐らく2人も理解している。
 「まんまるドーナッツ」……「まんまる」……はっ! 伏せろ、別次元の『丸』好きなアイドルが来るぞ!

杏夏「ご安心ください、来月までには完売させます」ライブは明日ぁ! ほんとにもうおちゃめの度が過ぎておりますよ可愛い!

チケット即完売

 必死こいて数時間売りこんでも、30枚ちょっとしか売れなかった前回とは違い、今回は出待ちの人数が多め。目の肥えた人たちをココロコネクト出来ているので、完売まで1時間しかかからなかった。
 純粋に沢山の人が来てくれて嬉しい春も可愛いけど、居丈高な態度の後にこっそりにっこりガッツポーズする理王様に悶えろ。

トッカさん

 杏夏の悪夢どころか1話やOPにも出ている、杏夏に対する愛が重い熱心なファンで結構な美人さん。どうして彼女に対して曇り顔を見せたのかは、きっと悪夢の一部が現実だからでしょうね。完売にも全然嬉しそうじゃない杏夏に理王様はヘッドクラッシュを試みるが失敗「理王ザ・スパイラル」って技名あるけどただの頭突き。

切腹ケイさん:私はご立腹 だから切腹 おっと、ラップをし始めたな。前期はラップをやるアニメが多かったから少し懐かしい。【阿波連さん】【パリピ孔明】【かぐや様】などなど。個人的にどれも好きなんだが、意外と阿波連さんのラップ回が飛び抜けて好き。(リンク先はdアニメニコニコ支店の阿波連さん4話)

 雪音と紅葉は1時間で完売した事実に「驚天動地」。「どうよ紅葉、凄いでしょう」とイキる理王様に紅葉は「理王様は凄くない」と事実で返した。そらあ……うん、せやな。ダンス頑張ろうな理王様。

「絶対に私の方がダンスうまい。あのライブを見て、確信が自信に変わった!」

 やっぱり君は馬鹿だなあ。消沈して冗談を言う気力もない杏夏を危惧して春から事情を聞く雪音。「あの事を思い出したのかも」と言っているので、やっぱり悪夢関連のことでなんかあったんだろうね。春のあざとい頼みに折れた彼女は手伝うことになったが

完璧な作戦


「全速前進」と、作戦会議前に即行動の春。ところで皆様~、全速前進といえば~「だ☆」「ヨ~ソロー!」のどっち? ここはアイドルアニメだし、ヨーソローで! ……ヨーソローで思い出したけどハイフリってアニメが(以下略)

 理王様が変な回転しているけどスルーして、完璧な作戦を実行に移す春。

『5円玉催眠術で元気にする』……てってれーだよな? おい、春ちゃん、てってれーを今すぐ言って今の発言をなかったことにしよう! 何? なかったコトにしてはいけない? 馬鹿野郎そもそも素人が催眠療法に頼る時点で計画もなにもないんだよ! 催眠術を計画に盛り込めるのはクロネコ海賊団だけだ!

 雪音から杏夏への評価「意地っ張りで面倒くさい。まるで洗濯物にこびりついたティッシュペーパー」(紅葉談) 杏夏キレた!

 作戦は破綻したのに今更作戦会議をする間の抜けた春ちゃん曰く、作戦の全容はこうだ。「付け焼き刃の催眠術で元気づけて、雪音ちゃんがなんかいい感じに解決する完璧な作戦」。どこに完璧の要素があるか明日までに反省文1枚書いて杏夏ちゃんに提出しなさい。

 火に油を注いだと判断した2人は逃走を選択するが、肩にこびり付く手、アイアンクロー。知らなかったか? 杏夏からは逃げられない。アイキャッチにもこびりつく彼女、変装メガネ姿もいいな、こんな姿で「おまたせ」とか言われた日には恋の谷底に落ちる。あと小説1巻のカラーページの太ももが眩しすぎて悶える。

足りないものはなにか?

 心配してくれた2人でも、虫の居所が悪ければ有難迷惑である。現状の課題を解決せずに浮かれているんじゃあないと厳しい言葉を言うけど、自分たちの置かれた立場ってたしかにまだまだ安定性に欠ける。そもそも認知度がないんだ(ここのカメラワークに拍手喝采)。

『解決すべき問題を自覚している』と、マネージャーの直輝による誘導尋問で明かしてしまった杏夏。嘘を見抜く力を持っている直輝には全てお見通しであり、「センターに立ちたいんじゃないのか」の問に光り輝いて「そんなことはない!」と反論。

「くれぐれも余計なことは言わないで下さい、絶対ですよ、絶対ですからね!」

 てってれー等からバラエティ番組の定石を知り尽くしているはずの杏夏ちゃんのこと、つまりことは「踏み込んでほしい」の前フリ? でも現実でこれを前フリと断じて行動に移す勇気はないな。

TiNgS強化計画

 突出して存在感を出している春はともかくとして、「センターをやりたがらない難しい気性の杏夏」に「ダンス下手の理王様」は、中野サンプラザライブまでにどうにかしなければ解散は必至。春だけで突破できるほど甘くないし、そんな事ができるならTiNgSである意味がないので解散後に春のみソロデビューし直しルートでしょうよ。

 TiNgS大幅バフのためにも、心の凝りを取り除かねばならない。

 雪音ちゃんは直輝からの言葉で、過去にあった事件を話す。なお、これは彼女が勝手に話していることなので、春はTiNgSの中でギスらない配慮も完璧だ。

「一歩前にあった世界」

 杏夏が初のセンターを飾るはずだった新曲『一歩前の世界』。悪夢とは違って棒立ちではなくしっかりとダンスは出来ていたが、極度の緊張からか、歌詞が出てこなかった。あわや事故という場面に春ちゃんの『驚異的調整力』で杏夏の不調を瞬時に見抜き、歌い出し部分をカバー。戸惑いはあったもののその場は繋いだ。が、最推しのセンター曲を一日千秋の思いで待っていたトッカさんは愕然。失敗の許されない場面で失敗し、失望させてしまったと心に傷を追った杏夏は以後センターをしなくなった。

 皮肉にも「一歩」を踏み出せなかったがために、自分の可能性を閉ざした。「余計なことしちゃったかな」と春は落ち込むが、むしろそこでカバーしなかったらもっと酷いトラウマになっていてもおかしくなかった。

ライブ風景は「まだですー」

 3話では定期ライブのチケット完売→ライブ後の握手会にジャンプ。ライブ模様は映像なし、ふむふむ言っているお姉さんによれば評価は上々。でも理王様へのファンの声って「今日も頑張っていた」という労い……当たり前だけど上手いとか言ってくれないんやな。更にはまだ告知していない中野サンプラザでのライブも漏らしかけるアクシデント。理の王者よ静まり給え! 最前列の3人、忘れろビーム、もしくは『イキュラス・キュオラ』!
 幸いにも空気の読める方だったのでセーフだったが、場合によってはアウトだった……

推しを見つけた幸福感

 あんなことがあってもずーっと応援してくれるトッカさんは過去、チケット配り中の杏夏を見つけた時に「夢に向かって一生懸命な瞳」に吸い込まれ、応援したい気持ちが溢れて、「彼女が夢を叶えるところを見たい」と今でも……一度の失敗を経て以降ずっとセンターをしていない今でも、「おきょんのセンターが見たい」と願いを抱いていた。

 それに対し「今も歌っていますから」と消沈気味に答えた杏夏に必至の形相で「違う」と返すのは、そこに「センターを夢見ていた推し」がいない。「成長していない」「成長を諦めた」「煌めくことに臆したアイドルの残骸」に成り果てようとする推しの姿などファンは見たくないし、どうにか立ち直ってほしいと願いをぶつけるのも自然だ。

一連のやり取りを見ていた直輝

杏夏「TiNgSのセンターは春だから私の曲はなくても良い」
直輝「僕はそう思わない。今以上のTiNgSになるために必要だ」
杏夏「もし私がセンターに立ったとして、春以上のものが見せられますか? 見せられないでしょう! そんなものに価値はありません!」
直輝「君やファンにとっては価値のあるものになる」

杏夏「アイドルにはそれぞれ役割があります。メインMCを務め、ライブではサイドに徹するのが私。もうほっといて下さい、絶対ですよ。絶対ですからね!」
直輝(?)「見えたぞ!エンディングが!」

 そもそも自分への信頼のなさに自信を持つようなアイドルを放置するなんてことは絶対にできない。そこに現状打破の気持ちがないならなおさらだ。春ちゃんは今後も成長著しいし、理王様は今はヘロヘロでも努力家だから指針を示すと爆発的に成長する余地がある。でも杏夏の考え方では最後にTiNgSのお荷物になるのは理王様ではなく杏夏だ。成長を閉ざしたアイドルに、輝きを諦めたアイドルに誘蛾灯のごとく引っかかるファンなどいない。MCが出来るからなんだというのだ、MCはライブ等の大舞台あってのMCだ、数をこなせば誰でもそこそこ回せる。このままではいずれMCの地位すらも奪われるぞ杏夏ちゃん。

その先に足を伸ばせ

 メインMCを理王様に、センターを杏夏に。

直輝「TiNgSに『引き立て役』なんて必要ない。全員が主役になれるすごい才能が集まったグループだ。しかし認知度がないから、知ってもらわねばならない。だから次の定期ライブの最後の曲は、『一歩前の世界』」

 トラウマの払拭、杏夏の考える浅い限界の突破。それを成すためには自分の足で進むしかない。竦む暇などない。解散までの期限は僅かで、あらゆる可能性の伸びしろ無くして中野サンプラザライブは成功できない。踏み出せ、一歩前の世界へ!

サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。