『踏み込みが甘い!』水星の魔女 9話「あと一歩、キミに踏み出せたなら」感想
何故、ベストを尽くさないのか。
前回の水星の魔女!
株式会社ガンダムを設立し、何を売り物にするか考える社員達。
「やっぱり兵器かな」「ガンダム、売るよ!」
地球寮内で意見が割れる中、ミオリネはガンダムの起源に迫ろうとする。
「留守番中に踊りの稽古な」「編集もあるぞ!」
医療技術GANDを推進し、ガンダムの呪いと向き合う方向で一致した株式会社ガンダム! しかしそこに、校則変更のお知らせが! 設立できないってどういうこと!? ダレカタスケテー!
今回のエアリアル君(妄想)
前々回は僕が解体されるかどうかの瀬戸際。前回はスレッタと踊った。2話にわたって全然活躍なかった僕だけど、でもようやく戦える! 乗って、(絶対に勝てる)安心! 動いて(殲滅出来るから)安全!! 飛べる!! 敵をきりきり舞いで踊らせる、これが、僕の、全力だあああああ!!
アンチドート「動いてはダメェええええ!」(みんな静止)
いつだって、貫き抗う言葉は1つ。「だとしてもっ!!!」
校則の取り消し要求
会社設立まであと一歩、そこに横槍が入って承認されない。経営ドラマにありがちな展開。ラブ○イブで例えると
シャディク「設立の許可ぁ!? ミトメナイワァ」
わざわざ校則を変えて新規設立が出来ないようにしてから、シャディクさん登場。「俺の会社でやる事業という名目にした方が良いよ。そしたら露払いも全部俺がやってあげるし、会社自体も君の好きにしていいし、WINWINだ」ミオリネさんがキレそうな提案だ。
7話でミオリネさんは大嫌いな父親に頼み込んで、地球寮の愉快な仲間たちと真剣に目指した会社設立。それを「君を守りたい」って素直な台詞ではなく回りくどいやり方で邪魔してくるシャディクさん、最高に空気読めてない。ミオリネさんの理解者である口振りなのに、何も理解できてない。
「よせ」と制止されるもシャディクに決闘を挑んだミオリネさん。そうなると半ば分かっていたろうに、どうして素直に言えなかったんだろう。直線的な好意を向けているのはミオリネにも分かっていただろうけど、アプローチの仕方が残念過ぎる。
6vs6
決闘といっても常に1vs1でないことは、エラン(4号君)が3人相手に戦っていたこともあるので分かっていた。でも、6vs6っておま……確かにエアリアル相手にタイマンはキッツいから、用意される雑魚をちらしてから複数人で徒党を組みガチで倒しに行く戦い方は正しい。これではシャディク戦隊VS呪われたガンダムって構図だ。
でもミオリネさん、エアリアルの素晴らしさをアピールする最高の宣伝材料にしようとネット配信を追加注文。シャディクを倒せば御三家ご自慢の機体を全部倒したことになるので、バズるし寄付金も集まりそう。
助っ人
まず、状況は最悪だ。地球寮にはそもそもマトモに戦えるMSがエアリアルとチュチュ専用デミトレーナーくらいしかない。4機都合付けなければ
ファラクト「呼んだ?」
帰って!!! パーメット流入で死ぬ!!
仕方なくペイル社のベルメリアさんから4機のザウォートを調達することになった。ザウォートは5話で、エラン(4号君)が3人相手に大立ち回りしていた強いMSだが……そもそもまともに戦えるパイロットも地球寮にはいない。飛べるけど肉壁か囮にしかならないだろう。だから助っ人がいたらそっちに頼むのが良いだろう。どこにも所属していないエース級の腕前を持つパイロットが近くにいたらなあ。
視聴者「来たか!」
視聴者「遅ぇんだよ!」
視聴者「待ちかねたぞグエル先輩!」
助っ人探し中のスレッタが遭遇したグエル先輩。きっと僕らのボルテージは最高潮だったろう。でも、グエル先輩は父親の厳命で決闘は出来ない。これ以上はラウダにも迷惑かかるだろうから仕方ないね。助っ人にならない選択肢は一見好感度ダウンのイベントになりそうだけど、母親大好きなスレッタからしたら好感度超アップだからヨシ!
アイドル5人
シャディクの部隊にいる5人だからシャディク隊……と言うと、何だかほぼ全滅しそうだからシャディク戦隊と言っておこう。シャディク以外は全員個性豊かな女の子だ。CDとか出したらそこそこ売れるかもしれない。5人でそうだな……スーパースターと名乗ってみようか!()
交渉事や戦隊のまとめ役など、シャディクの右腕として活躍するサビーナ。クールで華麗な見た目とあってか、男子より女子からの支持が高い。お姉さまと呼ばれるのが似合いそう。
「グエル先輩、大変っす!」とは言わない方。男性と接するときは甘く、女性と接するときは高圧的。単なるハラグロかと思いきや……(後述)
かなり気弱だが、こういう人ほど強いっていうのはアニメや漫画での常識だ。恐怖心を持っている者ほど引き際とかを弁えている。それはそれとして、イリーシャファンの熱烈具合がガチ。
5人の中だと個人的にストライクのメイジーちゃん。でもガンダムとかだと死ぬかもしれんので推したくないランキング筆頭。今期アニメだと喜多ちゃんに匹敵する陽の気配を感じる。日々オタク君を勘違いさせてそう。
印象は「スピリチュアルやね」なエナオ。ヨガファイヤーとか出しそうだから、ガンダムファイト的MSだと物凄く強そう。いつも不思議なポーズ取っているから光魔法キラキラとか使えるかもしれない。
ミカエリス
「何やってんだミカああああ!」ニカもいるのにミカもいるとかこれもう鉄血なのでは? 『見返りっす』みたいな名前。ギャンのような雰囲気ある。個人的にグラスレーといえば、PROLOGUEのベギル・ベウが最高まであったし、ちょっと凡庸に見えちゃう。あれは敵だったけどカッコよかった。
そしてベギル・ベウで印象深いのがやっぱりGUNDフォーマットを無効化するアンチドート(英訳だと解毒剤)。ペイル社の赤外線ビームと違い有線式だったけど、21年も経てば技術も変わる。グラスレー社のサリウスCEOはガンダム排除派だから、アンチドートをどのように進化させたのか見物。
決闘開幕!
チュチュ専用デミトレーナーは大型ビームライフルで後方支援……をしたかったが、ミカエリスに強襲されバックアップ不可に。先行するエアリアルと肉壁4枚はアイドル戦隊との戦いに翻弄される。エアリアル最大の武器ガンビットを封じるため、サビーナとイリーシャが集中砲火。盾形態から変更出来ないようにする。
エアリアルが防戦一方の内に、寸断された4機を各個撃破しに行くレネ・エナオ・メイジー。やはり全員スレッタ程ではないが練度高い。肉壁になることも出来ずに為すすべなくやられていく地球寮生。
リリッケVSレネ
決闘宣言時にもやたらリリッケに突っかかっていたレネ。どうやらキープ君12号(ジョンバー・シモンズ)がリリッケをランチに誘ったらしいが断られたことを「私の男に恥かかせてるんじゃねえ!」と斜め上の怒り。
12号と言うけどしっかり本名をフルネームで覚えているし、リリッケもフルネームで呼ぶなどかなりマメな子。出撃時のファンの多さも納得だ。多分配信とかやってて腹黒のボロ何度も出していたとしても幻滅する男はいないだろう。可愛い女の子と思いきや姉御肌という奥深さ。独占しようとかではなく「スキな男には幸せになって欲しい」寛容さ、モテるよ。加えて決闘以外では制裁を加えないフェアさも素敵。リリッケのザウォートに止めを刺さなかったのは自分を見ているファンたちへの配慮もあるんだろうと考えると納得。
その頃グエル先輩
「退学させた後、子会社で経験を積み俺の跡を継げ」一方的に通達されたグエル君の心境や如何に。勘当されてでも地球寮に来る流れかな?
アンチドート改
シャディク以外の5人が乗る機体は全て『ベギルペンデ』。
風貌は毒々しい。君たち、バイストンウェルにいなかった?
名前からしてベギル・ベウ系列なんだけど、何というか色合いは強めなのに物凄く弱そう。あれだ、Zガンダムでキュベレイは強そうなのに、ZZガンダムのキュベレイMkーⅡは弱そうに見える現象、そう、それだ! あれは実際量産型キュベレイだから大元より弱くて当たり前なんだけどね。
さて、ベギル・ベウの後継機だから当然持っているんだ、アンチドート!
どこから出すかと思ったら「俺が」「俺たちが!」「俺たちが、アンチドートだ!」みたいに機体そのものから力場を出しやがった畜生!
その様子を見届けているラウダ君「落ちろぉ!! 水星女ぁあ!」とオリジナルスマイルで叫ぶ。立会人だろ君は! 何で君の専用機が斧装備だったのかよっくわかったわ、激情すると近接武器に頼るなんちゃって優等生くんだった。兄への愛が重すぎるから、多分ウテナで言うところの桐生七実ポジションかもしれん。
青い閃光
頼みのガンビットを無力化され、エアリアルも手動操作で切り抜けるスレッタ。……が、全く慌てていない。「駄目だよ私1人じゃ」というのもまるで「制御出来ないから私だけじゃ駄目なんだよ」と言いたげな、力をまだ持ち合わせているかのような言い回し。スレッタが単独で戦った場合どうなるんだろうか…………もしかして3話の決闘の際「持ち堪える」を連呼してたのは自分に対しての制御だったりする?
エアリアル君はここで隠し玉解放。普段赤い光を放ったいた部分から、青い光を放つ。そして疾風のように飛び回り、ベギルペンデたちの四肢を的確に撃ち抜き戦闘不能にしていく。この様子を見ていたプロスペラは泣いた。この涙が雪辱を果たしたことへの歓喜なのかは、彼女にしかわからない。
しかし行動をする都度、スレッタはエアリアルと楽しく会話をしている。かつてPROLOGUEにて、エリクトが3機撃墜時に「ロウソクみたいで綺麗だね」と無邪気に笑うように。傍から見たら「ガンダムに乗ったら皆虚空の誰かに話しかけるようになるのか」「既にスレッタは廃人一歩手前なのではないか」と不安になってくるよ。Zガンダム履修していると余計に不安だ。
むせる
実は生き残っていたチュチュパイセン! ターンピックの冴えでシャディクの強襲を凌ぎきり、合流までの時間を稼いだ。そしてシャディクへ最後の一撃を御見舞し、見事に決める大金星。行動可能なリリッケが砲座になっていたのも、地球寮一丸でもぎ取った勝利の演出として良き。某戦車アニメの「この一撃は、皆の想いを込めた一撃」に通じる。
一応戦闘不能にまで追い詰められていたけど、今回の決闘は「リーダーのブレードアンテナを折った方の勝ち」なので戦闘で負けても動けるなら動いて良い。ルール上問題ない。シャディク戦隊は詰めの悪さが目立ってしまったな。ところでチュチュ先輩、
デミトレーナーの肩は赤く塗らないのかい?
億里離れた一歩
シャディクは自ら捕まえに行かない。包囲、誘導し、残された1つの逃げ道で優しい笑みを浮かべて待ち構える。逃げてくれたらそれ以上のことはしない。この優しさは人により、感情を逆撫でる。
会社の野望云々以前にミオリネを好いていたシャディクだったが、自らホルダーになって守り切ることはしなかった。前回グエル先輩に「お前になら任せられると思ったんだ」と零したのは、そうしなかった後悔を含んでいたのかもしれない。
シャディクは待っていた。ミオリネが自分の元に飛び込んでくれる日を。しかし、何もかも遅かった。視野が広く世渡りも上手いが、彼はベターな手しか打てない。ベストを尽くさない。この場面で言うベストは、立場を失ってでもミオリネのために動くこと。或いは嫌われるリスクを負ってでも農園に立ち入ること。スレッタが来る前の段階で逃避行をすること。
それらは実行した場合ただでは済まないだろう。でも、シャディクの目的である【ミオリネの関心を惹きつけること】は出来た。彼は進まずに逃げた。なのに2つ手に入れようとした。それが最後の最後、形だけでも自分でもぎ取る勝利であろうとしたがために、チュチュ先輩からの砲撃を受けるに至った。
スレッタは敗北のリスクを負ってでも、2つ手に入れるために進む。
シャディクは進んで得るリスクよりも、後退して得る道を探る。
因みにグエル先輩の場合は、進めば失うと分かっていても自分の心に忠実に進む。
結局シャディクは逃げたのに全てを失った。養父からの信頼、用意された機体、ミオリネからの拒絶。今後どう変遷していくのか見ものです。
サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。