SuchmosとKing Gnuは同じ穴を掘っているが掘り方が違うという話
#いまから推しのアーティスト語らせて ということで、僕の大好きな2つのバンドについて語らせていただきます。
Suchmos と King Gnu です。
何かと共通点の多い両バンドですが、結構異なる部分もあって、比較するとなかなか面白いと思うんですよね。
というか、SuchmosとKing Gnu、両方好きな人結構いる気がするけど、音楽性は似ているようで全然似ていないし、でもなんとなく同じ道歩んでる気もするし、どういった関係があるんだろうと結構前から考えていて、ある一つの考えに至りました。
本記事では、両バンドを比較してみて、両バンドの関係性についてや、そこからの両バンドがどうなるのか、僕の考えを示したいと思います。
両バンドについて
SuchmosはHONDAのヴェゼルのCMの曲、「STAY TUNE」で一躍有名になり、昨年の紅白歌合戦に出場し「VOLT-AGE」を歌い上げ、そして今年9月には以前から目標に掲げていた横浜スタジアムでのワンマンライブを成功させ、さらなる進化が期待されます。
また、King Gnuは新アルバムリリースとともに今年の1月メジャーデビューを果たします。シングル「白日」はストリーミング 再生回数1億回突破し、ライブチケットは発売とともに即日完売、そして今年の紅白の出場決定など、今、飛ぶ鳥を落とす勢いで売れているKing Gnuでございます。
これが両バンドの概要です。
次は両バンドの共通点についてお話ししたいと思います。
両バンドの共通点
・ファン層が似ている
まずは、Suchmosが好きならKing Gnuも好きな人が多いこと。これは僕の主観ですが、そういう人が僕の周りにも、ネット上でも多いように思います。ただ、逆のパターンの人は減ると思います。現在はKing Gnuの大ヒットにより、King Gnuは知っているけどSuchmosは知らないという人も割といそうだからです。
音楽性も、一回聴いただけでは結構違うとは思いますが、両バンドともにブラックミュージックをルーツにしているところも相まって、どこか共通するリズム感もなんとなく感じられます。
参考:
https://www.cinra.net/interview/201507-suchmos
・タイアップの被りが多いこと。
まずSuchmosは、冒頭にも述べた通り以前HONDA ヴェゼルのCMで使われた「STAY TUNE」がヒットしたことから人気に火が着きました。
また、同バンドの「808」という曲も後に起用されましたね。
そして最近、King Gnuの新曲「小さな惑星」が新たに使われ始めましたね。
まだあります。SONYは以前ノイズキャンセルヘッドホンのCMにSuchmosの「OVERSTAND」という曲を起用しました。
そして今年は同社の最新ノイズキャンセルイヤホンのCMにKing Gnuの新曲、「Teenager Forever」が使われています。
HONDAやSONYがこれらのCMで似たようなファン層の支持を得ようとしていそうですよね。
結局、SuchmosとKing Gnuは似たような道を辿っているように思います。正確に言えば、Suchmosが辿ってきた道を現在King Gnuが辿っているとも言えるでしょうか。
両バンドの相違点
次は異なる点について話したいと思います。
まず、Suchmosは今年リリースした3rdアルバム「THE ANYMAL」の存在が大きいと思います。
聴いてもらえればわかりますが、このアルバムはSuchmosの音楽の方向性が以前よりガラッと変わっています。お洒落なR&Bのテイストではなく、かなりサイケデリックなアルバムに仕上がり、いろんな意味で世間をざわつかせました(笑)
(一応、ミニアルバム「THE ASHTRAY」から予兆はありましたが。。)
これは、2ndアルバム「THE KIDS」での大ヒットの反動が何やらあるそうですね。(詳細はインタビューで語られています。)
売れる楽曲を作るというよりも、それをやめて自分たちが本当にやりたい音楽をやってできたアルバムのようですね。
(前衛的すぎて、困惑するファンもちらほらいたようですが、むしろ後からジワジワと刺さるような、素晴らしい作品となっていると個人的に思います。)
一方King Gnuの方は、日本の音楽シーンを変えるために、前提として「売れる」「デカくなる」ことを意識しているそうです。(こちらのインタビューでも語られています。)
目標の通り、King Gnuは現在CMやドラマのタイアップ、TV出演&生演奏など、TVへの露出も増え、その人気っぷりは言うまでもありません。
(King Gnuが来年1月にリリースするアルバムですが、収録曲のうち、今のところ1曲がドラマに、5曲がCMに起用中または起用予定のようです。恐ろしい。。)
同じ穴を掘っているが
ここまで、SuchmosとKing Gnuの共通点と相違点について語ってきましたが、ここから僕が独自に両バンドについての結論を述べたいと思います。
それは「SuchmosとKing Gnuは同じ穴を掘っているが掘り方が違う」ということです。
どういうことか、まずSuchmosがHONDAのCMでヒットした後、Suchmos同様にブラックミュージックをルーツにするバンド(Nulbarich、SIRUPなど)が売れ始め、そういったバンドが総じて「シティポップ」なんて言われ始めました。つまり今の「シティポップ」の先駆けがSuchmosということです。
(脱線になりますが、HONDA ヴェゼルのCMはSTAY TUNEを起用して以来、タイアップに使われるCMが注目されるようになります。僕はHONDAのCMを有名にしたのもSuchmosだと思っています。)
そして現在のSuchmosは、最新アルバムからサイケデリックロックという新たな扉を開けてしまった。おそらくここ最近の日本の音楽シーンでここまでサイケな音楽をやっているアーティストはいないと思います。この先はどうなるか分からないですが、横浜スタジアムのライブでは「祭り」をテーマにした新曲もやっていたし、Suchmosはいつの時でも、これからも「先駆者」です。
一方、King Gnuは見てわかるようにみるみるうちに勢力を拡大しています。King Gnuのファン層はSuchmosと似てそうなところと、タイアップを見るとKing GnuはSuchmosの背中を追いかけているように思えるところは先程も述べました。ただ、今のブレイクっぷりを見るとKing Gnuの勢力は以前のSuchmosと比べ物にならないほどにいずれはなるでしょう。(もうなっているかもしれません。もはやミスチルレベルの知名度や人気っぷりを獲得することもあり得ます。)つまり、King Gnuは「拡大者」だと思います。
つまり、同じドリルとして同じ穴を掘ってるけど、新たな穴を開ける先端の尖っている方がSuchmos、根元の穴を広げる方がKing Gnuだと僕は思います。穴の大きさをファンの多さとか知名度と捉えるとわかりやすいですね。
0を1にするのがSuchmos、1を100や10000にするのがKing Gnuとも言えるのではないでしょうか。
どちらに優劣は決してありません。あくまで、こんな見方をすれば、どちらのバンドもこれからどう活躍していくのか楽しみになるのではないか、という提案です。どうでしょうか?
常に新しい刺激をくれるチャレンジ精神旺盛なSuchmosも、新しさをうまくJ-POP絡めてに拡大、浸透させていくKing Gnuも、どちらも好きだし、どちらの未来も僕はこれから楽しみです。
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