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そこそこ真面目なやつ

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#コミックエッセイ

ミスドのある街で育ったひとは気さく

 あたらしく誰かと出会うとき、なにかひとつの基準を設けて、「このひとはこっち」と予想しながら喋るのが好きだ。  たとえば、「部活を真面目にやってた / やってなかった」。初対面のそのひとと言葉をかわしながら、「あ、この感じは部活を真面目にやってたな。たぶん、バスケ部っぽい」という具合である。  そのひとが発するオーラや所作、ことばの端々から自分なりに仮説を組みたてる。ある程度の材料がそろったら、正解を言ってもらうよう質問する。上の例でいけば、「●●さんの部活って強かったん

どうせなら眠る才能が欲しかった

 コウモリは逆さまに寝るらしい。  上の写真を見てもらえるだろうか。これは、マントを綺麗に折り畳んで、逆さになって眠るコウモリの写真だ。フリー素材を提供するサイトでダウンロードした。この写真のコメント欄が面白く、「おいおい何だこの写真は! 俺は生まれた時からこんな1枚を待ってたんだよ!(ドイツ語)」や、「待て、待て、待て。ちょっと待ってくれ。今日、俺はとことんツイていない日だった。But、このBatの写真を見たらBadな気分もどこかへ吹き飛んだよ(英語)」といった、なぜかテ

胃薬と駆け抜けた青春を忘れない

『ちびまる子ちゃん』の山根は胃腸が弱い。刈り上げ高めのツーブロックにも関わらず、だ。  山根は細身で、面長で、ロンTを着ていて、いかにも胃弱体質のツラをしている。それでいて下の名前は強(つよし)。まったく、人生とは皮肉なものである。  かくいう私も胃弱だ。ロンTこそ着ないが、身長183cmで細身、面長。胃弱者であるための条件は、ひと通り備えている。  思えば、幼少期から胃弱だった。牛乳を飲むと毎度のように腹を壊した。冷たいアイスクリームは好きだったが、トイレに行けないと怖