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2023年の終わり。

今年は、『THE FIRST SLAM DUNK』に始まり、『THE FIRST SLAM DUNK』に終わった1年だった。

私は、リアルタイムの途中から原作『SLAM DUNK』を読んでいた世代のファンである。
アニメも、多分途中からだろうと思うが視聴していた。
それからしばらくして、完全版が発売されたときも、毎月の小遣いの大部分を完全版に費やすくらい楽しみにしていた。
それからまたしばらくして、『1億冊の感謝をこめて』の新聞を買いに走り、『あれから10日後…』イベントも参加したりもした(何なら、今この記事を書いているPCに黒板漫画の写真が残っていたりする)。
アニメのビデオ(家庭用は発売されているのだろうか?)は持っていなかったけれど、その後発売されたDVDもBlu-rayも所持している。
イノウエバッジ店も結構な回数足を運んでいる。
そして、ジャンプ展こと『創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.2 -1990年代、発行部数653万部の衝撃-』である。
『あれから10日後…』イベント後、大きな展開のなかった『SLAM DUNK』が登場する大イベントで、私は燃えた。
近年では漫画作品の展覧会がよく開催されているが、作者のヒット作品『バガボンド』の展覧会を、2008年に『最後のマンガ展』というタイトルとともに開催(のち各地で巡回)した以上、恐らく『SLAM DUNK』の展覧会はないだろうとあきらめていた。
それが、単独ではないにしろ、私が始めてジャンプを読み始めたころの90年代の綺羅星のごとし作品群と一緒に『SLAM DUNK』の原画も出展されるという!
原画が観られるのも嬉しすぎるし、何より、こう……FLOWERやイノウエバッジ店では売らないだろうグッズがたくさん発売される!
久しぶりに週刊少年ジャンプの雑誌を買って、毎週解禁される情報に胸をときめかせていた。
「恐らく、『SLAM DUNK』でまとまったお金を遣える機会はこれが最後だろう」と思ったから、たくさん通おうと思ったし、グッズも全部買おうと思った。
回数を挙げるのは控えるが、多分言ったら引かれる程度の回数通ったし(もちろん、きっと上には上の方がいらっしゃるであろう)、先行公開日にグッズをひととおり購入して、めちゃくちゃ長いレシートをもらったりした。
会期終盤に発表された新装再編版の告知にも大歓喜し、その後東京のJR駅20駅に新装再編版の表紙広告が掲載されるということで、そのためだけに日帰りで上京し、1日ですべての駅を回って帰ってきたりもした(駅を回る以外何もできなかった……)。
『SLAM DUNK』はリアルタイムな作品ではない。
「これが最後」と思ったから、後悔はしたくなかった。
青春の追体験をさせてもらったかのように、駆け抜けた3か月間だった。
ジャンプ展についての記事もまとめたいと思っていたけれど、下書きのまま完成しきれなかった。
自分の備忘録のためにも、来年には書き終えたい。

そしてコロナなど影も形もなかったジャンプ展から3年後、『SLAM DUNK』の映画化が発表され、待ち遠しいと思っていながら、あっという間に公開日がやってきた。
映画館に足を運ぶ機会が少なかった私は映画事情に疎かったのだが、調べてみると、地元の映画館ではおおむね2か月ほどで上映終了になる作品が多いようだった。
2か月ほどであれば、後悔のないように映画館に通おう、と決めた。
映画というのは奥が深く、近隣の映画館にはないIMAX、Dolby Atmos、Dolby Cinemaだけでなく、独自の音響システムを採用した映画館もあるらしいと『THE FIRST SLAM DUNK』を通して知った。
「もうすぐ映画が終わってしまうかも知れない。終わらなくても、新作が来たら特殊フォーマットでの上映は終了するだろう。今のうちだ!」と思い、新幹線で遠方の映画館に行ったりした。
翌週末の映画の公開情報が解禁されるのは大体が当該週の火曜日、早ければ月曜日、遅いところだと水曜日である。
上映スケジュールを確認してから即座に新幹線を予約しないと、安価なパックが間に合わないときもある。
映画に合わせてスケジュールを組むのは、かなり過酷だった。
そうこうしているうちに、気づいたら上映期間が延びていた。
おかげで行ける映画館も増えた。
ラージフォーマットも何度も復活して、そのたび新しい映画館に足を運ぶ機会を得た。
「これが最後」と思ったから、後悔はしたくなかった。
全応援上映に参加し、『COURT SIDE in THEATER』にもチケット争奪戦に敗れたvol.2以外は現地参戦もしくはライブビューイングでリアルタイムで鑑賞できた。
夏合宿にも、何とかうちわがもらえる応援上映と、合宿独自の生実況解説に滑りこむことができた。
2022年12月3日から、2023年8月31日25時15分の回まで、駆け抜けた9か月間だった。

毎月、新幹線で映画館に出かけていたが、今になって今年の手帳を見返してみて笑ってしまうのは5月と8月である。

2023年5月
2023年8月

今年の手帳に関して言えば、赤字で記載があるのが映画館に行った日で、「映画」とだけ書いてある日は地元の映画館で鑑賞した日なのだが、地名だけが書いてある日はすべて新幹線で現地の映画館に出かけた日である。
連続している日は、泊まりだったり、日帰り×2だったりする。
ゴールデンウィークや夏休みを利用して、相当な日数休んでいる(私は基本的に土日休みの職場にいる)。
人生でこれほど有休を使った年は初めてだった。
5月に5回新幹線に乗っている(うち1回が宿泊)が、まさか最終月に6回も新幹線に乗るとは思わなかった(うち3回が宿泊)。
これだけ映画に全振りしておきながら(これはプライベート専用の手帳なのだが、5月と8月合わせても映画以外の予定=黒字が1回しか入っていない)、何か所か「行ってみたかったけれど行けなかった」映画館があったりして、心残りがまったくないわけではないのだけれど、それでも「やれる範囲でやりきった」感はある。
もう1度青春を追体験したみたいに、後悔なく、映画上映中走りきることができた。

『FIRST』と名前に冠されている以上、『SECOND』は早くから期待の声が上がっているけれど、基本的に私はないものと考えている。
『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』での原作者の仕事内容を見るに、そう簡単に続編をつくれるような作業量とは思えないからだ。
原作者も、連載が長らく中断している『バガボンド』や、掲載ペースが落ちている『リアル』についても口にしている以上、本来の漫画家としての活動に本腰を入れるようになるのだろうと思うし、その2作品も追いかけているファンとしてはそれがいいと思う。
来年からは、またのんびりイノウエバッジ店の動向を見守ったり3月の描き下ろし卒業イラストを楽しみに待つゆるいファンに戻るのだろうな。
ものすごく暇になってしまいそうだ。
とはいえ、2024年1月23日に予定されている1日限りの再上映は、ド平日だけど何としてでも参加するつもりでいるし、円盤も全形態予約が済んでいる。
来年も楽しみに待てることがあるというのは、幸せなことだと思う。

最後になりましたが、自らの備忘録のためだけの記事を多くの方にご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
『SLAM DUNK』ファンの方に少しでも楽しんでいただけたら嬉しく思います。

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