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お前より頑張ってる人はいる

「お前より頑張ってるやつはたくさんいるぞ!」

息をすると鼻の奥がツーンと冷たくなる季節によく学年主任がみんなに言ってたセリフだ。

僕は高校卒業後すぐに就職したため、聞き流していたが、受験勉強を頑張っていた当人たちからするとかなり胸が締め付けられていたのではないだろうか。

なんかもっといい激励の仕方はないものだろうかと思って聞いていたが、おそらく先生の頭の中でポケモンの技みたいにいくつか候補があって選ばれているものだろうと想像した。
その技が全て体育会系の技だっただけなんだろうと思いながら僕は「聞き流す」を使った。

大人になっても思うのはそう言った叱咤激励を受けることが少なくなったなと。
昔消防士として働いていた頃は時折あったが、体育会系以外の仕事についてからは何を言われない。
消防士時代に「言われるうちが華」と言われてたので転職当初は不安になったものだ。

そういったものはどこで受けれるのだろうか。
厳しいことを言う人間は平成に置いて行かれたのかもしれない。
だって言うメリットがない、言うとパワハラのリスクがあるし言ったところでその人が変わるかわからない。
そんな低確率の台には大人は座らないのだろう。

ところが最近「お前より頑張ってるやつはいる」と遠回しに言ってもらえる場所を発見した。
それはおばあちゃんがやってるマッサージ屋だ。
ここでのポイントはおばあちゃんがやってることだ。普通のお店だと遠慮して正直なことを言ってくれないことがある。

僕がどこで「自分より頑張ってる人」を感じたかというと
ここ最近かなり疲れて肩こりからの頭痛に悩まされていた。
そこで思い切ってマッサージ屋に行きおばあちゃんに力強く施術してもらった。
全てのメニューが終わった後にこう言われたのだ。
「お兄さん、全然凝ってないね」
こう言われた時にここにはもっと疲れてる人、もっと働いてる人が来るんだなと痛感した。

なんだかもっと頑張るぞと言う気持ちになりお店を後にした。
最近叱咤激励がもらえてないなと感じる人がいればおばあちゃんが営むマッサージ屋にいくことをお勧めする。

そういう体育会系のことを言う人をほとんど見かけなくなったが時折そう言う人も必要なのではと思う。
もちろん、論点のズレたことや、人間性を侮辱するようなものは違うと思うが、的を得ている注意をしてくれる人間に対してはしっかりと耳を傾けて行動に移したいと思う。

そういった大人が本当に絶滅危惧種に指定されてからでは遅いのでZ世代を代表して保護活動に従事していきたい。

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