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爪跡は勝手に残る

フォーキーだったりノスタルジックだったりする曲が苦手だ。
以前は好きだった。でも今はあまり聞かない。心に響かないからじゃなくて、響いたら崩れて立てなくなりそうだからだ。だから真っ直ぐなものを、かなり意図的に避けている。今は立っていたい。

一時頻繁にライブハウスとかに行って、行く度に人と繋がりまくっていた時があった。
私が行く場には、まっすぐな表現をする人が多かった。「ちょっと皮肉をきかせた」とか「流行を取り入れた」とかとは真逆の方向性だ。
今も活動を続けている人もいれば、やめた人もいる、わからなくなった人もいる。
ともあれ、その人たちやその場の空気を思い返すたび、「表現が人生に寄り添うというのは美しいことだな」と思う。
生きる軌跡を残そうとする表現者達の姿は、確実に私を照らしてくれていた。

とはいえ、シャレにならないレベルの変な人もいたし、「もう二度と関わりたくない!」という関係も、まあ、あった。
それでも、私にとっての欠点を表現に昇華している(させようとしている)人に出会った時は頭が混乱するほど感動した。
私がちぎって捨てようとした欠点を、まとって踊る人が、目の前にいる。それは、絶望を見ているのに、気持ちは未来や外へ向かっていく…という不思議な感覚を生み出した。
ああいう体験が度々あったから、私は私を許せずとも殺さずに済んだのだと思う。

あの時出会った人たち、どうしているだろうか?
もう一度会いたいか、というとそうでもない。でもこの先「会いたい」と思う時が来るかもしれない。


今日の絵



…とかいって…響いてしまう音楽があるからこうして「聞かないようにしてる」とか書いているというのが、実際のところ…。
まいったまいった。


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