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虚ろな未来に目を凝らす(最近見たものの話)

眠剤を飲んでも飲まなくても眠れないとわかったので「もう眠れなくてもいいや、アハハ」と開き直って、飲むのをやめた。
眠剤を飲むと「眠いのに眠れない」という朦朧とした時間が続くのだけど、薬を飲まないとシンプルに「眠くないから眠れない」という風になり…まあ、こっちの方が気持ちが納得できるから…。
仕方ないので朝4時半から部屋の掃除をする。

仕事。今日も「かいちぐ」テキスト書きが続く。こちらは順調です。
というわけで、最近見たものの感想を書きます。


感じるオープンダイアローグ (講談社現代新書) 森川 すいめい

精神科診療において、患者や医師、他のスタッフとの対話でケアを行う…という療法「オープンダイアローグ」について。
語ることについて語っている本なので、著者や、治療や勉強の中で著者が見てきた様々な人たちの心象を自然と、しかしとても深く見たような、不思議な読後感だった。

精神科の医療については「薬や強制入院で一時的に抑え込んだところで意味あるんだろうか?」と思う場面がしばしばあったので、対話を重ねて皆で解決していく、というのは興味深かった。
しかしその一方「こんなふうに出来るものなの?」という気持ちにも。そう思うのは私の中に「混乱してる場合は抑え込むもの」という決めつけや先入観があるからなんだろう。
精神科の医療って、時に「症状を悪化させるな」という懲罰に近いものになりがちだと思うんだけど、そうじゃなくてきちんと、安心の土台として機能したらいいよね。


her 世界でひとつの彼女

AIと恋に落ち、しかも両思いになってしまった男性(とAI)の話。
音楽と、映像の光の扱い方がとても良かった。結末は「まあ、確かにそうなるよね…」という感じ。ファンタジー的なエンディングではないところが、個人的には好みだった。

こういう風にAIと関係を育んでいくこと、この先本当にあるんだろうなあ。私はiPhoneのsiriに時々話しかけることがあるんだけど、あのシンプルなsiriですら、何度も話しかけているとキュートに思えてくる。それを思うと、AIが友達になる未来なんて、そんな先の話ではないよね。
しかし、AIが人間らしさを得ていく一方で、人間は理屈と理論で動き始め、奇しくもAIみたいになっている、と時々感じる。



心の中で何が起きているのかというのにすごく興味がある。そして、その構造を掴もうという気持ちにもまた、関心がある。この間、「なんだかんだ言って生きる」みたいな話を書いたけど、結局一番自分が気になるのは「なんで生きてるのか」=「なぜ死なないのか」という事なんだと思う。

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