第60期王位戦七番勝負第ニ局 大盤解説会 初参加の体験

2019年7月30日、31日。

私が初めて見に行ったのは王位戦大盤解説会。

豊島将之王位(当時)と木村一基九段(当時)のタイトル戦。
当時を思い出しながら書いてみようと思います。

大盤解説会は2日目の31日にあった。
北海道で開催されるのを知ってすぐに大盤解説会について調べてみた。どのような服装がいいのか、雰囲気はどんな感じなのか、写真は撮ったりしてもいいのか何も知らないより知ってから行きたかった。
1人で行くから不安だった。
だけど調べてみると意外にも大盤解説会に行った人の詳しい状況の投稿がなかった。全体を通しての流れが全く分からず当日を迎える事になった。

ちょうちん袖風ブラウスにロングスカート。
そんなに大きくないショルダーにもなる手持ちバッグ。
ヒールサンダル。暑かったせいもありサンダルにしてしまったのは悪手だったかなぁと少し後悔。でも特に問題は無し。

場所は京王プラザホテル札幌。札幌に住んでいるけれど場所もホテルも知らなかった。かなりの方向音痴なため、どこに行くにも地図をスクショしたりマップのアプリで目的地までの案内を見ながら行く。アプリでは徒歩で何分と大体の時間も出るので便利で良く使う。だけど、調べると札幌駅から真っ直ぐ歩けば着く程の分かりやすい場所にあった。開場は午後2時30分。ファンの間でも人気のある両対局者。
しかもタイトル戦!
どれくらいに着いてれば入れるのか全く予想も出来ず。

満員の場合は入場をお断りすることがあります。

と、サイトには書かれていたのでもしかしたら入れないかもしれないと思いJRに乗る前、13時00分くらいに『問い合わせ 北海道新聞社事業センター「王位戦」係』に書かれてあった番号に電話した。
私は「京王プラザホテルでタイトル戦の大盤解説会があると思うんですが、もう満員になってしまいましたかね?今からでもまだ入れそうでしょうか?」と聞いてみた。
対応してくれた女性は優しく話して下さって「はい、少し並んではいますが100人程ですかね。」と教えてくれた。向かってる最中にもどんどん並ぶ人は増えるだろうなって思ったけれど行って入れなかったら仕方ないなぁと思いながら向かう事にした。札幌駅に着き外を歩くと同じ方向に向かう人の数が多いのに気付き、この人たちはもしかしたらタイトル戦を見に来た人たちかな?とまだ入れるチャンスがあると思って急ぎ足で歩いた。北海道も気温が年々高くなっていて京王プラザホテル手前にあった温度計を見たら31度だった。

ホテルに入ると目の前に受け付けのカウンターがあり女性が2人立っていた。
泊まるわけではないので大盤解説会場の看板などないかなとキョロキョロ見渡した。
右を見ると数人歩いていたのでとりあえず行ってみた。
人が消えた。
何もなさそうだなと最初の入口に戻り今度は左に歩いてみた。

看板が見つかった。
サイトの案内で場所が地下1階と書かれていたのを見たので階段で下に向かう。

広場に出ると並ぶ行列が見え関係者の方も沢山いたので前の方の席に座るのは厳しいかな?と少ししょんぼり。
列の最後尾に看板を持った人が立っていてそこに並び始めた。
クーラーがついていなかったのか、密集の中でじーっとしていて暑くて扇子をずーっとパタパタしていた。
私が並んだ後も止まらず人が後ろに並んでいった。
少し周りを見渡してみた。
リュックを背負って本を読む少年、女性2人組、1人の男性。
年齢はバラバラ。
列が前に少しずつ進み始めた。
会場入口あたりまで行った時に見覚えのある顔にジャンパーを着た人が列の長さを見ていた。
将棋ファンなら知ってる人も多い、AbemaTVの藤崎さんだった。
心の中で(わぁ!藤崎さんが居る)と思いながら見ていた。

ようやく会場入口。
どこに座ろうかキョロキョロ席を探す。
自由席で前の方の関係者席以外は座れた。
左側、真ん中、右側。直感で右側を選んだ。
理由はお手洗いがすぐ行けて人の前を通らない場所と思い直感で。
列は前の方も意外に空いてはいたけど将棋にあまり詳しくないので解説、聞き手の先生や、大盤が見えるくらいの場所が良いかなと前から6列目に座った。
端には既に女性が1人座っていたので「お隣空いてますか?」と聞きその隣りに座った。

初の大盤解説会だったので記念にとパシャリ。

最後に抽選会があるらしく皆に番号の書かれた紙が渡された。
これはラストに奇跡が起こる。
そんな事も考えずに記念にとまたパシャリ。

会場内はやはり暑くて扇子をパタパタしていた。
関係者の様な方も入ってきて始まる雰囲気だった。
司会の女性がマイクの前に立つ。
携帯をマナーモードにして下さいなどの説明をされた。

そして解説の野月浩貴先生、聞き手の久津知子先生が右から現れた。
生で初めて見る棋士の先生だった。
解説が始まったけれど、タイトル戦という事もあり手が止まるとずっと解説をされていたわけではなく沢山のエピソードも話して貰えて将棋の分からない私でも物凄く楽しかった。
心配していたお手洗いも15分休憩が何回もありその度に行けた。

解説中にゲストの先生も登場した。
まず始めに島朗先生。
スーツだった。
最初に登場したので「もう島先生が?!」と驚き!

次に小林健二先生。
ワイドショーでも見ていて藤井聡太先生のお話もして下さった。
カジュアルな私服だった。

次は渡部愛先生!
花柄のワンピースでハキハキと話されていて可愛さが溢れてた。
ご退場される時は右側で(入場も)長いカーテンがあるのだけれどそのカーテンの仕切りが分からなく中でクルクルと迷い出口が分からなくなっていらしたのが本当に面白く可愛らしかった。
このお話は渡部愛先生ご本人も後にツイートされてました(笑)

次は最後のゲスト。行方尚史先生。
1番長く終局間近までいらして下さりました。
薄い青に近い紺のパンツとジャケット。
実際に見た時は薄い紫色にも見える様な素敵な色だった。
木村一基先生とのエピソード盛り沢山。

*この時に木村一基先生、野月浩貴先生、行方尚史先生が仲がいいと知り第3回AbemaTVトーナメントのチームメンバーを見て始まるのが楽しみで仕方がなかった。

そして、終局も近くなり行方尚史先生は結果を知り対局者お2人が来られる前にご退場された。

終局直後で疲労もあるなか
豊島将之王位(当時)と木村一基九段(当時)が会場に現れた。

会場で拍手が沸き起こった。

お2人のオーラなのか、光り輝いて大きく見えた。
カメラは禁止とは言われてなく撮る将と言われるファンの方たちが撮っていたので私も豊島将之王位(当時)と木村一基九段(当時)を1.2枚スマホで撮った。

*写真は司会の方がマナーなどのご説明で禁止と言われる場合があるかもしれません。
その時にご確認された方がいいかもしれません。

少し盤面のお話をされ対局者の先生お2人もご退場された。

そして、司会の進行で抽選会が始まった。
対局者、解説と聞き手の先生、ゲストの先生のサイン色紙。
(サイン扇子もあったかも)
それぞれ3.4枚ほど当たる抽選会。

箱から数字の書かれた紙が引かれ番号を言われた方は手を挙げる。
横の人が突然「あー!!」と言った。
私はチラ見してみた。なんと数字1つ違いだった。
あらま、、惜っしい!!と心の中で叫ぶ。
1つ違いなんて事もあるんだなぁと続く抽選会で真剣に番号を聞いていた。

「199番!199番の方ー」

2度見した。自分だった!
心の中ではさっきよりも叫んだ。ギョエー!!と。
手を挙げた、、見られまくって恥ずかしく確認されると直ぐに下を向いた。
野月浩貴先生のサイン色紙が当たった。

呼ばれる番号で挙手する者が居なく何回か再抽選もあった。
抽選会前に帰ったんだろうと話されていた。
実際、私の右端の女性も抽選会前に帰ってしまった。

全部の抽選が終わり司会の方が
「抽選に当たった方は前の方にお集まり下さい」と言われた。
ゾロゾロと帰って行く中で私は壇上の方に向かった。

番号が呼ばれるまでやや後ろでポツンと立って待った。
みんな呼ばれていき帰っていく。
もしかして!私当たってなかったかな?!と不安になった。
と、思っていたら呼ばれた。
色紙をそのまま手渡しで…
帰る途中、汚れたらどうしよう。
バッグにも、もちろん入らない。
袋か何かないか聞いてみた。
大きな紙袋を貰えた。
すると、いきなり皆に「袋いる方ー!」と。
まだ居た人が皆、紙袋を貰っていた。

私は安心して帰ろうとした。
すると、大盤の前で野月浩貴先生と写真を撮って貰っている男性が居た。
司会をされた女性がスマホで撮っていた。
私は終わるまで待ってた。
恐る恐る、野月浩貴先生にお写真をお願いしてみた。
すると、「ちょっと携帯だけ取りに行ってきていいですか?」と言われ「はい」とお答えした。
待っている間、司会の女性とお話していた。
大盤もじーっと間近で見たけど意外に小さかった。
野月浩貴先生が戻ってきたので私はスマホを司会の女性に渡し2枚撮って頂いた。
野月浩貴先生に「ありがとうございました。先生の色紙大事にします」と挨拶をした。
野月浩貴先生に「札幌の方ですか?」と聞かれた。
「はい、札幌です」と答えた。
タイトル戦で道外からも来られる方が多いらしく聞かれた。

野月浩貴先生はスニーカーを履いてて私より身長が高かった。
私は女性だと割と身長が高い方でヒールを履いて170は普通に超えるのでAbemaTVなど見る時は野月浩貴先生の身長を基準にして他の棋士の先生の身長を見るようにしようと思った(笑)

司会の女性にもお礼を言い帰ろうとしたら聞き手をされた久津知子先生が壇上前を見守っていた。
私は失礼かなと思いつつ話しかけてみた。
久津知子先生はほんわかした優しい雰囲気と話し方で他にもイベントあるのでぜひ来てみて下さいと言って下さりました。

会場を後にした。
札幌駅からJRに乗るつもりだった。
けれど、人が集まっていてもしや…と思ったら案の定JRの遅延だった。
仕方なく地下鉄で帰る事にした。
この時の私は上機嫌だった。
初めてのタイトル戦大盤解説会で生で沢山の棋士を見れ、抽選会にも当たり、解説の野月浩貴先生とお写真まで撮って頂けた。
一生忘れる事はないと思う。
解説よりもエピソードが多く私でも楽しめる大盤解説会だった。

そして、その夏
木村一基先生が悲願の初タイトルを獲得した。
決着局は家で見ていたけれど涙が止まらなかった。

将棋を見て涙したのはこの時が初めてだった。

今年、2020年王位戦の挑戦者
藤井聡太棋聖。

今年の夏はいつもの夏と違う夏ではあるけれど
こんな時にも将棋が見れる環境である事の幸せと楽しい沢山の企画に感謝の気持ちでいっぱい。

勝負師の生き方に
棋士の生き方に

私はこれからも惹き付けられるでしょう

笑い、涙し、応援していきたいと思う。

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