見出し画像

32人目 ゲーム友達になった彼

世界中の人と同時対戦できるオンラインゲームにハマった私はゲームの話ができる人をペアーズのコミュニティ内で探すことにした。

後に恋仲になる可能性も考えて(笑)、検索対象を「近隣県まで・5歳下~5歳上・身長169cm以上・太い以外・子ども無し・ログイン3日以内」にして探した。

残いいねが貯まっていたので、顔写真が無い人と自撮り以外の人に片っ端からいいねをした。

そこでマッチングしたのが32人目の彼。

32人目の彼 スペック
1歳下 同県在住 一人暮らし 169cm

あごひげ姿の顔写真。
私の中で、あごひげ男性は一見怖そうだが実は心優しい説がある。それに、きちんとお手入れをしないといけないイメージがあるので、逆に清潔感がありそう。

身長は169cm。
170cmと盛って書いてもいいのに、169cmと正直に入力するところに好感を持つ。

不信感を持った点は、100以上の趣味コミュニティに入っていること。
同じコミュニティに入っているとマッチングしやすいけど、多すぎるとマッチング数を増やすのが目的?と不信感に繋がる。

それはさておき、たくさんの男性にいいねしまくったせいで多くの男性とマッチングしてしまい、毎晩何人もの男性にメッセージを返す作業を行うはめになった。

最初の頃は少し不信感もあり、彼への優先順位は低かったが、メッセージのレスポンスが合ってちょうど良い文量と内容で返してくれるので優先順位が上がっていき、徐々に彼の返信が楽しみになってきた。

ある時、「最近◯◯っていうオンラインゲームを始めた」と送ったら、彼もそのゲームをやっていて「一緒にやる?」と誘われた。

LINEを交換し、週末の夜になると彼とLINE通話しながらゲームをする。
彼はオンラインゲーム初心者の私に優しく分かりやすく操作を教えてくれた。

嬉しい誤算だったのが、彼が少し低めの優しい声だったこと。
その心地良い声にキュンとした。

私が「32人目くん良い声だね。褒められたことない?」と尋ねると、
「言われたことないなー」だって。
魅力的に感じるのは私だけなのか?

彼のおかげで、オンラインで喋りながら(ボイスチャットと言うらしい)ゲームをするという今まで体験したことのない楽しさを知った。

家に居ながらにしてデートをしてる気分になると同時に、リアルな彼と会ってみたくなった。

ゲーム友達の関係性が崩れるのは怖かったが勇気を出して、
「32人目くんと会ってみたいな。よかったら一度ご飯に行かない?」
とLINEで誘った。

彼からも「おれもバンビさんがどんな人か気になるから会ってみたい」と返事がきて、休日にランチをすることになった。

◆はじめまして

お昼に私の街で待ち合わせ。
約束の時間より早めに到着して彼を待った。

事前に互いの車種と色を連絡していたので、すぐに彼の車だと気付いた。

彼が私の右横に駐車し、ドアを開けて出てきた。
私も車外へ出る。

私は距離を保ってマスクを外し、「32人目くんはじめまして!こっちまで来てくれてありがとう!」と笑顔で言い、すぐにマスクをした。
マスクを外したのは、私はアプリに顔写真を載せていないから顔を確認してもらった方がいいと思ったから。

彼は「はじめまして。じゃあ行こっか。隣に乗って。」と言った。
緊張している様子は無い。

すでにゲームで会話しているからか、はじめましてでよくある残念な感じはなかった。

そして、やっぱり声が良い。
私のツボだー。

彼は海外のSUV車に乗っていて、私はこの車に乗るのが初めてだった。
この車を選ぶ人はアウトドア好きしかいないと思っていたが、彼の趣味はゲーム・漫画・YouTubeの超インドアだ。
なぜこれを選んだのか尋ねると、見た目だけで決めたと言っていた。
女性の好みも見た目重視かと邪推した。

車内の会話で覚えているのは、妹さんの話。

妹さんから「◯◯(若者のコスメブランド)の限定品がどこにも売ってないから買ってほしい」といきなりLINEがきたらしい。
昼休みしか買いに行く時間がなかったーって彼的には怒りのエピソードで話したみたいだけど、妹が可愛くて仕方ない感じに思えた。

実は一度、彼とオンラインゲーム中に、妹さんがピョコンと同じチームに入ってきたことがあった。
妹さんも彼と同じくゲーム上手で、必然的に私は足手まといになった。
彼は「俺がログインしてたから入ってきたんだと思う」と言っていたが、妹さんの牽制かと勘繰った。

そんなこともあったので、彼と妹さんの間に私が入る隙はないと思った。

そういえば、彼の運転は普通に安心できた。
(運転マナーで性格を判断する。)

お店に着いて、運良く横並びの席へ案内された。
このご時世、他人と真正面に座って食事をするのは躊躇うので有難い。

彼は「うまい、うまい」と言いながら食べていて、このお店に決めて良かったと思った。

ランチ代は一人1000円ちょっと。
彼がレジで二人分支払ってくれたので、自分の分を彼に渡すと「大丈夫」と断られた。

こういう時、その後のお茶代は私が出すことになる。
なので、値段が高いカフェには行きたくない。(損得勘定が働く)

近くでコーヒーを飲もうとなり、彼がササっと検索してくれた小さな喫茶店に着いたが臨時休業。
じゃあチェーン店なら開いてるだろうと車で向かった。

店内に入った時に、私の前を歩く彼の全身をふと見て思ってしまった。

あ、脚短い。


コーヒーを注文し、「さっきご馳走してくれたから」と私が支払った。

そこで小一時間お喋りし、
帰りの車内では主にゲームの話をした。

本格的にオンラインゲームをするならヘッドセットを買った方がいいこと、Twitterでゲーム垢を作ったらゲーム友達が沢山できること、でも女の子には変な人も寄ってくるから気を付けることを教えてくれた。

待ち合わせした場所まで送ってもらい、バイバイ。


異性として好きかと聞かれたら、う〜ん。。

引っかかるのは、シスコン疑惑と身長。

妹さんの件は私の思い込みの部分が大きいから置いといて。

背の高さは、私にとって重要だと改めて思った。


彼からグイグイきてくれたら考えるけど、私からいく感じではないな。
優しいし、声は好きだからゲーム友達でいようと自分の中で答えを出した。

◆その後・振り返り

彼からまた会おうという誘いがなかったので、彼も私がタイプではなかったのだろう。

それからヘッドセットを購入し、たまにボイチャ(ボイスチャット)しながら彼とオンラインゲームをした。

しかし彼と私のレベル差が開き、一緒のチームで遊ぶと負けてしまうのが申し訳ないので自分から誘うのをやめたら、彼から誘われることもなくなった。

これまでのLINEを見返すと、ほとんど私からゲームのお誘いをしていて、彼から誘われた回数は少なかったから当然か。

けれども彼とはLINEもDiscordもゲームアカウントでも繋がっている。

ゲームがバージョンアップすると「久しぶり〜どんな感じ〜?」とLINEを送ってゲームの話をする。
一年経った今でもゲーム友達としてゆるく繋がってる感じ。

ペアーズで恋愛に発展しない趣味友達を見つけるのもありだなと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?