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2. 絶滅危惧種だ! 和風大道芸

今日、大道芸といえばピエロ、パントマイム、ジャグリングの洋物が主流です。和物といえば、ガマの油、南京玉すだれをたまに見受けられます。かつて江戸・明治時代、テレビ、映画のない時代、祭礼や浅草奥山で観る大道芸は、まさにエンターテーメントの華でした。その演目は辻講釈などの舌耕芸が多く、今の感覚からすれば、退屈でつまらない芸であったと思えます。
アーノンクール(注1)は、古すぎて顧みられなかったルネサンス・バロック期の楽曲を当時の楽器で演奏し、現代人にも感銘を与え評価を得ました。そして、「古典をきちんと学び、アプローチすれば、現代の人にも往時の人が受けた感動を伝えることができる」としました。これはクラッシクだけでなく和の大道芸にも通じることと思います。短絡的に集客と収益のみにこだわり大音響を響かせジャグリングやディアボロの一発芸のみが大道芸ではないはずです。今にも忘れ去れようとしている100年以上も前の大道芸を掘起こし、現代でも共感を呼べるものに再生できればと思います。 具体的には江戸時代の乞胸十二種に、殺陣・忍法・花魁・踊念仏・説教節・神楽・東西屋の所作を加え、現代の人に感動を与え、かつ地方創生に役立てればと思います。
(注1)ニコラウス・アーノンクール:1929生-2016没、オーストリア。ベルリンフィル、ウィーンフィル等で指揮、チェリスト、古楽演奏家、エラスムス賞、京都賞(芸術部門)受賞

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