33. 失われた和風大道芸の復活③ (地域の名所にサーカスを)

日本はこの先どうなるの心配です。 安倍政権の異次元の金融緩和は円安に。従来 円安になれば輸出産業が利益をもたらすはずですが、経済力が低下し経常赤字になった今では円売りが加速、資金の流出とインフレ圧力が止まらないのが現状です。アベノミクスの目玉だった民間投資は内部保留にまわり、AIのイノベーションは起こらず、1人当たりの生産性も停滞。2027年には韓国、2030年には台湾に1人当たりのGDPで逆転されるとの予想です。韓国では、G7に日本でなく韓国が入るべきとの運動が起こっています。少子高齢化は韓国でも深刻ですがなぜ、かくも日本社会が停滞しているのか? 原因は様々ですが、その一つに国民の自国文化に対する理解や自信の喪失があると思います。具体的に一昨年の韓国の文化予算は、3544億円に対し日本のそれは1166億円で半分以下です。経済規模の大きい日本を考えるとその差は歴然です。韓国はその文化予算を戦略的に使い結果として、BTSやイカゲームなどを輸出する文化大国となっています。その根底には民族文化へのプライドと掘起こしがあり、57の大学に演劇学部があり体系的に民族文化の研修をしています。一方、日本の大学には音楽、美術学部はありますが、演劇学部のある大学は1校のみです。短絡的にアニメなど儲かりそうなイべントと特定の伝統芸に予算を振分け後は、専門の芸術家に丸投げの体質では、この長期的な文化の育成はできません。将来のエンターティナーに日本の文化芸能を教え、研究することで、質の高い演目や作品ができるはずです。資源に乏しく、先端技術も生まれなくなった今、文化度の高いエンターティメントの作品は日本の稼ぐ力になるはずです。
 今、低迷する日本で政府が力を入れているのが観光業での地域再生です。過疎化する地方に観光客を誘致して活性化を図ろうと各地の名所・旧跡を世界遺産・日本遺産として登録していますが、海外の観光客がくるのは京都・大阪・東京・沖縄とその周辺が大半で、それ以外で使われる助成金は、道の整備や施設の維持に費やされ赤字のようです。観光客の案内を楽しみにしていたボランティアのお年寄り組織もコロナで解散。例えば、津和野町はせっかく日本遺産登録となっていたが、2021年再審査(登録取消の可能性)となりました。遺産に登録すれば何とかなるの短期的な目線はこの地に限らず、どこの観光地も同じです。もっと長期の戦略的計画が必要です。マクロ経済の対策は経済の専門家に任せるとして、提案です。
 観光地は名所としての「風景」だけでは不足です。観光には+「パン」と「サーカス」で観光客を満足させることが必要です。「パン」とは地元のうまいもの、日本酒・和食です。地域に眠る食材ややる気のある飲食店を掘り起こす人材がカギです。そして「サーカス」。名所・旧跡の前で、休日などに外人にも受ける和風大道芸や各種演芸を以下のように行うのはどうでしょうか? 大道芸を観光と組合せることで観光のリピータを増やせると思います。それでは次にこのプリンシプルにより、どのように大道芸を活用するかを具体的に述べます。つづく
    さらに興味のある方 Twitter:闇太郎 YouTube:夢宮闇太郎

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