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SONY ZV-E10のファーストインプレッション

ソニーのカメラを買った。実はソニーのカメラを自分でちゃんと買うのは今回が始めて。レンタルや人のものを借りて使ったことは何度もあるのだけど、なんとなく出会いとタイミングがなくて、買う機会を逃し続けてきた。

昨年SL2Sを手放して、コダックのコンデジFZ-45を買った。久しぶりのコンパクトデジタルカメラは、僕に忘れていた身軽な感覚と、写真を始めたころの遊び心を再び思い出させてくれた。

それからSLほど重くはなくて、動画と写真をハイブリッドに撮れるカメラで久々に遊びたいと思った。色々と考えて、フルサイズのシステムを模索していたことは数回前のnoteに記した

フルサイズのセットアップだといくら頑張っても700, 600g。もっと軽くしたい。そうだ、APSCがあるじゃないか。と、そのようにAPSCセンサーに思い当たって、色々と考えてSONYのセットアップに落ち着いた。

最近はiPhoneが目まぐるしくビジュアルコンテンツ生成マシンとしてのポテンシャルを上げてきているので、ある程度iPhoneで写真も動画も撮れてしまう。だからテーマとしてはiPhoneやKODAK FZ45よりも大きなセンサーサイズで、しかしフルサイズほど重くはない(重量的にもデータ容量的にも。そしてデータ量は作業時間にも影響する)

そのような条件で思い当たったカメラがSONYのZV-E10だった。

VLOGCAM、というVLOGを撮るようなコンセプトで作られたこのカメラを、いかにあらゆるビジュアルコンテンツ制作用途に展開できるか。そのような裏テーマを持ちながら、1ヶ月使用してみての使用感をここに記す。

ボディとデザイン

まずは、ボディデザインを簡単に見ていく。

ブロック型で、ファインダーが無いため、ごろっとしていて、ミニマルに見える。ボタンや文字の量は多いと個人的には感じるが、上部のスイッチ類はシンプルにまとまっている。

重さはバッテリーとSDカード込みで 約343 g

金属パーツを控えめにしてこの重さが実現できているため、道具的な質感にはやや欠けることがあるが、軽さを取りたい人にはすごくいい。選んだ一番の決め手でもある。

kodak FZ45との比較

グリップも控えめだが、いわゆる大型のカメラのようにしっかりと握るという感じではなくて、コンデジのように軽く”つまむ”感じで捉えれば悪くない。重量が軽いおかげで、そのような持ち方をしても疲れない。そういう意味ではバランスが良いとすら感じる。

レンズ

合わせたレンズは Sony E 15mm F1.4 G

近いものとしてSigma 16mm F1.4という同じくAPS-Cセンサー用レンズがあるが、ワイド側と軽さが欲しくて、SONY純正をセレクトした。

35mm版換算で22.5mmとなり、ぎりぎり自撮りもできるような焦点距離。手ぶれ補正を入れると画角が狭まるので、入れない状態で使うことになるのだが、これ以上広くなると写真が標準域から外れる超広角になってしまうので、絶妙なところだと思っている。

最初は28mmよりも広い画角を写真で使えるかやや不安だったが、幸い最短20cmまで寄れることが、超広角感をうまくカバーする。

開放値もF1.4の割に、こちらも手のひらに収まるサイズ感でごろっとしてかわいい。

重さは219g

ボディと合わせて562gのシステムとなる。

気づき


それでは実際に使用してみての気付きを。

言語設定ができない

基本的にカメラや電子機器は全て英語設定で使用していて、電源を入れて最初に英語に設定しようと思ったら言語設定のメニューがなかった。まさかと思い調べると、日本語以外を選べない仕様だということ。これには正直困惑した。言語設定を日本語から変えられないカメラに出会ったことがこれまでなかったからだ。他の言語使用者が日本に観光で来て、ついでにカメラを買うような場合、これは困るだろうなと思った。

コンパクト、軽い、ストラップ無しでオペレーション

ボディとレンズを合わせて562gという重さは、予想通りの軽量コンパクトシステムとなった。このカメラでは動画をメインに撮影するということもあり、ストラップはつけていない。重いカメラだとストラップが無いと移動中は疲れるが、ぎりぎりストラップ無しでもオペレーションできる重さとサイズだと思う。ポケットには入らない、しかし手に持ったまま生活できる、そんな重さ。まるで500mlのペットボトルだけをもって街を歩く感覚。

色がいい

色に関しては好みの問題が大きいと思うが、僕は好きだ。さすがソニーセンサーといったところで、濃すぎず薄すぎず酸っぱ過ぎず、ニュートラルで悪くない。多くのカラーモードが使えるが、最初はセンサーの傾向を見るため、全て標準設定で使用する。

動画と写真の設定を分けられない

写真と動画ハイブリッドな使用を目指して導入したわけだが、肝心の設定をセパレートすることはできなかった。これはイメージとしては、写真と動画で別々の設定をしておいて、ボタン一つで切り替えると、設定していた値になるというもの。基本的に写真と動画のシャッタースピードや絞りやISOは異なることが多いため、同じ条件で設定し直す手間と時間がかかる。急に撮りたいものが現れた場面では難しい。

設定の階層と項目が多い

設定のメニューが多く、階層も深い。これも慣れの問題もあり、ずっとソニーを使用しているユーザーにはなんてことないのかもしれない。だが初めて使う人には親切ではないと感じる。もっとミニマルにできる。たとえば、動画設定においてシャッターボタンで録画を選べるようにしている。これはそもそもシャッターボタンと併用するデザインにすれば、ボタンひとつ減らせる。選べることがユーザーにとって必ずしも便利であるとは限らない。むしろ機能やボタンをある程度制限するほうが、メーカーの意図も伝わり、カメラの道具としての存在が増す。商品撮影機能は最初は不要だと思ったけれど、使用してみると便利で良い。しかし、表のボタンに出すほどのものではないかなと感じる。

SDカードが取り出しにくい

ボディサイズが小さいことが影響しているのかもしれないが、SDカードがとても取り出しにくい位置にある。

充電されているかわかりにくい

昨今のカメラらしく、バッテリーの充電器は付属していない。代わりにボディ内にバッテリーを入れたまま、USBCのケーブルで充電する。その際、ケーブルのポート下に小さな小さなLEDが仕込まれており、それがオレンジ色に光る。これが充電していますよ、の合図なのだが、最初は全くわからなかった。そして充電が完了したら消えるのかどうかもわからない。でも無事に充電はできている。

ライブ用のカメラとしての実力

ライブやオンラインMTG用のカメラとしてのポテンシャルが高いと思った。感度、WB、マイクの調整がダイレクト反映できて、接続も簡単。好きなレンズで、かつ録画クオリティでの映像の配信ができてしまう。

設定のコツ

設定はまだ全然追い込めていないのだけど、初期設定でのポイントをいくつか記しておきます。

飛行機機内モードをON

スマホのように、Bluetoothやwifiのサーチ機能が働いてるとのこと。そしてそれらをシャットアウトする飛行機機内モードがあるのでONにしている。これでバッテリーの消耗を少しは抑えられるかもしれない。飛行機マークが付くのがいかにもスマホ的。

オートオフ温度を高温に

動画の長時間撮影時に、ボディ温度が高温になると勝手に電源が落ちるという初期設定になっている。こちらの温度設定を変えることができる。つまりオートオフ温度を「高温」にしておくと、カメラが高温になってもある程度電源オフを粘るようになる。酷使するようでなんだか可愛そうだけど、たとえば長回しの途中で勝手にOFFになると記録が阻害されるため、高温設定にしておく。

AWB時の優先設定をホワイト優先に

オートホワイトバランス時に、暖色の光の中で、実際の光に近い暖色にもっていくか、それとも白っぽい色に補正するかを選べる。ここまで細かく設定できると迷うのだが、ホワイト優先が、他のカメラで言うところの「オート」に近いと感じるので、ホワイト優先に設定した。赤みをそのまま取りたいなら、太陽光にすることでそのままに近い色で撮れる。

カスタムキー設定

カスタムキー設定を使うのは難しく感じた。なぜなら、キー周りにそもそも絵(マーク)があるから。ボタン周りに何も表示が無いカメラであれば、ボタンに自由に自分の設定を割り当てられるが、マークがあると、そちらに引っ張られてしまう。たとえばISOのマークのところに、露出モードを割り当てるのは混乱が生じる。これは些細なことのようで、撮影体験に圧倒的な差が出る。唯一、液晶隣の、真ん中のボタンだけデフォルトでフリー(何も割り当てられていない状態)なので、ゼブラ表示切り替えを当てておいた。簡易的に、白飛びの場所を見ることができる。ファインダーが無いため、晴天の屋外ではどうしても露出が見づらくなるため、状況や撮影内容によってはゼブラ表示で数値として露出を見ていく。

SONY ZV-E10のファーストインプレッションは以上です。

しばらく使ってみて、また気づきが出てきたら共有します。

動画版はこちらで。


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