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SIGMAフォビオンセンサー機を撮り比べる

従来からのシグマファン、いやフォビオンセンサーファンにとってはfpというカメラは別に必要ではなかった。フラットデザインなカメラらしからぬプロダクト、それはカメラというよりはプロダクトと言うほうが似合っている。

もちろん、シグマなりの進化だったのだろう。時代に合わせるように、動画撮影に重点を置いて、誰にでも合うようにカスタマイズ性の広さも話題となった。

だがそれに積まれているセンサーはフォビオンではなかった。それだけで、僕は本機を触ることもなく、ハイアマの人の書いたレビュー記事を読むだけで満足し、頭の中からそっと追い出した。商業的にはまずまずの売れ行きを見せたようだが、僕の回りで使っているカメラマンはおらず、未だに触ることもできていない。

この流れから、フォビオンセンサーの開発を一旦白紙に戻すニュースが飛び込んできた。https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1307445.html

ネガティブに捉えることもできるが、フォビオン開発で培われた技術を新たなセンサーとカメラに注力するとの見方もできる。フォビオンセンサーがどれだけ写真優位なセンサーであるかはシグマ自身が一番知っているはずだ。その特性と研究を活かしながら、次の進化を見せてくれることを期待している。

さて、僕は昔から(おそらく2012年ごろから)フォビオンフォビオン言っている。

いくら新しいカメラが出ても、フォビオンは忘れることができない。むしろフォビオンは忘れたころにやってくる。ライトルームのライブラリをブラウズしていると、ぐぐっと写真の方から迫ってくるデータがある。色の出方がベイヤー並列のセンサーとはことなるため、均一なファイルの海の中にひときわ目立つ。

DPというシグマの名作は、フォビオンを積んでいるだけでなく、そのコンパクトさと動きの鈍さが、不思議な愛おしさを生んでいた。GRほどのサイズ感だったから、当時どこへでも持っていった。出張族の時期でもあったので日本国内はもちろん、ベトナム、インドネシア、台湾、香港、パリ。メインカメラとは別にバッグの中にいつも忍ばせておいた。この時期に行った国のほとんどをDPシリーズで撮影している。

旅との相性が良いということも、僕が好んだ理由かもしれない。

ライトルームのライブラリを眺めていて、これまで使ったフォビオン4機種の写真を比べてみる。

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